北海道の急行寝台列車(客車の混結編成):その1

今回ご紹介させていただくのは北海道の夜行急行列車に使用されていた客車の模型です。

私が学生であった1980年前後、国鉄には比較的多く機関車牽引の客車列車がが残っていました。急行列車も昼行列車はほぼ全て電車、気動車でしたが、当時まだ多く残っていた定期夜行急行列車は10系寝台車とスハ43系客車の混結編成で運転されている列車が数多くありました。その中で北海道には、札幌から釧路、網走、稚内行きの夜行急行列車が運転されていました。このモデルはそのイメージを再現しようと考えて作成したモデルです。

使用したのはフェニックス模型店製、谷川製作所製のバラキットで、編成は以下のとおりです。

スハフ44+スハ45+スロ54+オロハネ10+スハネ16 +オハネフ12+スハフ44

オロハネ10が組み込まれていますので急行大雪のイメージですが、北海道のイメージを出すために選んだもので、大雪の編成をそのまま再現したものではありません。気分に応じて荷物車、郵便車を追加したり普通車を加えて楽しんでいます。

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ジオラマ:”ALTENHOFのクリスマス”:その5(最終回)

今回は最終回としてPriser製のフィギュアを使用して作成したジオラマ上の代表的なシーンをご紹介させていただきます。

使用したフィギュアは建物室内に配置したものも含めて約300人になります。そのうちの200人はSuper Setとして販売されている駅頭の乗客、通行人、旅行者等が入ったアソートセットで品番は#13000,#13002です。また座っている人々は#14418のSeated Persons 48体入りを使用しました。たのフィギュアも含めてこれらは全てドイツの模型店から購入しました。国内での購入に比較して非常に安価に購入できますし、故障するものではないのでアフターサービスも不要ですので動力車を購入するよりは購入のハードルは低いと思います。国外(EU外?)の販売に力を入れている販売店であれば出荷直後にメールでTracking No.の連絡があり、宅配会社のサイトで宛先の確認や荷物の追跡できますので安心です。私はメルクリンの動力車も含めて10年近くドイツの模型店から購入していますが製品の品質や物流過程にがあったことはありません。一度支払い時にクレジットカード会社のセキュリティシステムに起因すると思われるトラブルがありましたが、簡単な英語のメールで連絡すればすぐに対応してもらえました。外国製鉄道模型の個人輸入を考えている方はまずこの辺りから初めてみても良いかもわかりません。それでは以下、写真を中心に各シーンの説明をさせていただきます。

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ジオラマ:”ALTENHOFのクリスマス”:その3

前回、ベースと全体の構成を説明させていただきましたので、今回は建物の説明をいたします。

下の図と写真ははこのジオラマの平面図と全体の建物の概要です。前回記載したように街並は線路より一段高い位置にあります。この街の部分は、線路と並行に道路を設け、中央付近にその道路と直行する道路(T字路)、右側に60度の角度で交わる路面電車軌道のある十字路を設け、この道路は道路橋により線路をオーバークロスします。建物はこの道路に沿って配置してありますが、十字路の片側にKibriのタウンハウスを配置し、その反対側は建物を道路と並行に配置し空いたスペースをクリスマスマーケットやカフェの敷地としてあります。前回60度の交差点はヨーロッパのイメージと記載しましたが、交差角を持つ交差点は、街並に変化をつけるという意味でも効果的です。東京でも日本橋三越別館、浅草松屋は交差角のある交差点に建っておりますが、正面からみると奥行きが強調されるせいか堂々とした雰囲気があり街のランドマーク的な存在となっています。このジオラマでもこの交差点の周囲が街の中心街となります。

町並みに並ぶ建築物はKibri,vollmerのプラキットを用いていますが、カタログの中から私が感じる「ヨーロッパらしい」印象の建物を選択しました。このうちKibriのB8380(Viessmann38381)とKibriのB8378(Viessmann38379)は実在の建物です。KibriのB8380はドイツのオランダ国境に近いLeerという街にあるCity Hall, B8378はGernsbachという街にあるCity Hall,で、いずれもネットで実物の画像を見る事ができます。LeerのCity Halは1894年に完成した建物で、横浜の開港記念館に似た建物ですが、German ~Dutch Renaissance様式と言われる建物だそうです。またGernsbachのCity Hall,は1617年に建造されたRenaissance様式の建物だそうです。その他の建物はそれらに比較すると近代的な印象ですが、雰囲気としてはGerman ~Dutch Renaissance様式やRenaissance様式の流れを汲んだ印象の建物となっています。建物選択の際に建築様式の知識があったわけではありませんが、ヨーロッパのイメージに合う建物を選択した結果、結果的にそのようになったという感じです。

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ジオラマ:”ALTENHOFのクリスマス”:その2

<ベースと線路>
今回のジオラマ のベースの構造を下に示します。図には記載していませんが、長さは1260㎜です(180㎜のメルクリン Kトラック7本分です)。

今回のジオラマは街の風景が主体ですのでまずは線路と街並みの位置関係を検討しました。今回はトラムの軌道を道路に敷設することにしましたので踏切を避けるため線路の高さと街のグランドレベルに高低差をつけることが必要になりますが、その方法はメインラインを高架線とする方法とメインラインを街並みの下部に置く方法が考えられます。東京で言えば、有楽町から神田にかけてのレンガアーチによる高架橋と市ヶ谷付近の中央線が街の一段下のレベルを走るパターンです。

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模型車両の紹介:C12の牽引する貨物列車

C12が牽引するローカル線の貨物列車を紹介させていただきます。C12はカツミのシュパーブラインシリーズのバラキットを組み立てたもので、1977年ごろの作品です。貨車はそれ以降に購入、製作したものです。

私が鉄道模型を始めたのは前回の東京オリンピックの年である964年ですが、その頃模型店やデパートのショーウインドウに鎮座していた蒸気機関車がカツミ模型店製のシュパーブラインシリーズでした。そのC62の価格は1万円を超えるもので、とても庶民に手の届くものではありませんでした。当時の小学生にとってはスケールモデルはとても入手できるものではなく、お年玉をためて増備できるのはカツミ模型店のEB10、つぼみ堂模型店のCタンク等でした。

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模型車両の紹介:キハ10+キハ11

模型車両の紹介:キハ10+キハ11

フェニックス模型店のキットを組み立てたキハ10とキハ11を紹介させていただきます。1980年頃に製作した作品です。キハ10、キハ11は、DMH17エンジンとトルクコンバーターを用いた一連の一般型気動車の礎となり当時400両以上が製造されたキハ17の一族でキハ10がWCなし、キハ11がWC付きの両運転台車です。

東京在住の私の年代ですと、小学生の頃には房総方面にはまだ蒸気機関車が牽引する列車が少し残っており、夏休みに海水浴に行く際に利用することもありました。蒸気機関車が牽引する列車に乗車すると夏の暑い中、トンネルに入るたびに窓を閉めなければならず、目的地に着くまでには衣服や髪の毛も煤で汚れてしまっていたことを覚えています。キハ17系の車内設備はその頃使用されていたオハ35等の客車に比較して大きく改良されているとは言い難いものですが、このような煩わしさがないという所には大きな差があり、気動車列車の快適さを実感したものでした。

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模型車両の紹介:EF6446(7次量産機:中央西線電化開業用)

8月にご紹介したEF64と重連にすべく作成したEF64をご紹介させていただきます。作品は1978年ごろの作品です。

EF64が中央棟線に投入された当初は甲府以東はED61が重連で運用されており、EF64牽引の貨物列車を見る機会は比較的少なかったのですが、ED61重連は70年代後半次第にEF64重連に置き換えられていきました。私が中央東線に列車の撮影によく行った時期は、客車列車が電車化されてED61がEF64に置き換わった後でしたので、EF64でまず思い浮かぶのは重連で貨物列車を牽引する姿です。というわけで前作のEF64と重連を組ませるためにもう一台のEF64を製作した次第です。使用したキットは前作と同じしなのマイクロ製のキットです。

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模型車両の紹介 北海道のローカル気動車 キハ22+キハユニ25

模型車両の紹介 北海道のローカル気動車 キハ22+キハユニ25

北海道のC62に続いて北海道のローカル気動車、キハ22とキハユニ25を紹介させていただきます。キハユニ25が1976年、キハ22が1989年の作品です。

国鉄時代から民営化後の初期、北海道以外の地域の国鉄型の気動車は、標準化の名の下に全国各地ほぼ同じ形式の車両が使用されていました。地域的な差としてキハ58、キハ35、キハ23等には暖地向け、寒地向けの区別がありましたが、これらは外観的な差はベンチレターやタイフォンの形状等が主なものであり、遠目には区別がつかないものであり、地方に行っても走っている車両からはその地方に来たなという実感は湧きませんでした。そのような中で北海道の気動車は形式番号も本州の気動車とは異なり、また2重窓を採用しているため車体の形状も本州の気動車との違いが一目でわかるものでした。当時このような特徴のある車両が本州とは違った雄大な風景のなかを走る姿に魅力を感じており、この時期に私の製作した車両は多くの車両が北海道に縁のある車両になっています。今回紹介させていただくそんな車両の中の一つです。

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模型車両の紹介(+鉄道写真):北海道のC62 その2

表題は模型車両の紹介ですが、今回は実物の話からさせていただきます。私は前回ご紹介させていただいたC62重連(C62 3)が完成した後の1989年8月に北海道を訪れ、実物のC62 3と対面する機会に恵まれました。

そのとき撮影した画像は以下にアップしてありますのでよろしければご覧ください。

この訪問の約2年半前の1987年、ちょうどC62重連が完成した頃に、北海道でC62 3を復活させようという動きがあり、C62 3の本格的な運行を目指し北海道鉄道文化協議会が発足しました。その中でSL C623 動態保存基金の募集があり、私も早速募金させていただきました(たった一口でしたが)。

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