模型車両の紹介:北海道のキハ82系:その2

前回のその1に引き続き、その2では下回り、車体の細部を模型作成時に参考にした私が撮影した写真とともにご紹介させていただきます。

床下機器は日光モデルのダイキャスト製の製品、”床下機器セット気動車(D)”を使用しました。細密なダイキャスト製のパーツです。各車両とも真鍮版で製作した取り付け板に接着してあります。写真は上からキハ82、キハ80、キシ80の床下です。

キハ82の運転台側のエンジンは発電用です。エンジンの先端にエコーモデル製旧型国電用のMG(#3641)を加工して取り付け、ダクトを設けてあります。

各機器の細密度は充分で、形態的にも不満はありませんので、機器への加工はせず、主にパイピングの追加をしてあります。特に機関予熱機周りには多数のパイピングと継手があり配管にはテープ状のヒーターが巻かれていますので、それを表現するパイピングを追加してあります。継手状のところは真鍮線にパイプをはめて表現し、また実物では銅色の配管も目立ちますので配管を0.3㎜の真鍮線で作成した後、塗装後にハンブロールの銅色を塗装してあります。またエンジンから推進軸を取り付けてあります。消火器はパーツには同梱されていませんのでエコーモデルのホワイトメタル製の消火器収納箱(#1660)の取り付け部を切断し、横倒しに取り付けました。

キシ80もキハ、キロと機器配置は同一ですが、調理室の排水管を追加してあります。

気動車の2エンジン車は車端部にも機器が配置されています。パーツに同梱されていた機器の他には、排気管の立ち上がり部の直下にある箱を追加し、パイピングを施してあります。またエアータンクの配管にはチリコシを付けてあります。ジャンパ受けはエコーモデルのパーツです。

台車は日光モデル製を使用しました。

動力は天賞堂のパワートラックGT-1を使用しています。床下機器、クーラー等で各車結構重量がありますのでキハ80の一台に2台、キシ80に1台装着してあります。

塗装はマッハの調色塗料のエアーブラシによる吹き付け塗装です。ウエザリングは排気管周りにのみ施してあります。

当時の車両は車体と窓ガラスの固定に灰色のゴムが使用されており、この色が結構目立ちますので窓の断面に灰色塗料(タミヤのスカイグレー)を色差ししました。この部分は金属製の完成品ではあまり表現されていませんでした。KATOのプラ製の製品には表現されていますが実物の印象よりちょっと目立っている印象です。

JNRマークはエンドウの金属製インレタです。サボには白を色差ししてあります。

ヘッドマークは北海としました。北海道のイラストなしのヘッドマークの文字は明朝体風の独特なフォントが使用されており、本当はイラストなしのヘッドマークをつけたかったのですが、当時は適当なパーツがなかったためイラスト入りのマークを使用しています。窓ガラスはエコーモデルのブルーの製品を使用し、先頭車運転台のガラスははめ込みとしました。カプラーはKeeDee#16を使用しています。

キット購入から完成まで約2年がかかりましたが、キットやパーツの形態、品質が良かったせいもあり大きな修正作業をすることもなく比較的楽に完成させることができました。反面不満は全て私の技量不足のところという感じです。

<実物の写真>
以降、このモデルを作成する際参考とした実物写真を紹介します。いずれも北海道で撮影したもので1981年から1985年頃に撮影したものです。

大沼付近を走るキロ80(’81)。屋上の青函連絡線との無線通信用無線アンテナ、ラジオアンテナ、排気扇のダクトが確認できます。
同じ場所で撮影したキハ82。排気線にダクトが追加されています。
’81に撮影したキシ80。水タンクへの水供給用と思われるハッチが目立ちます。
函館駅のキロ80(’85)。青函無線アンテナの配管、耐寒仕様の乗務員窓が確認できます。
キシ80には煙突部の配管が確認できます。水タンクへの給水用ハッチのハンドル部が目立ちます。
キハ82とキハ80の連結部。配電盤部分の盛り上がり、妻板から1段引っ込んだ位置に取り付けられているジャンパ栓、排気管直下のグレーの箱が確認できます。
冬季はラジエータにはカバーがかかっています。機関予熱器部分の配管も確認できます(コックがついています)

以上、北海道仕様のキハ82系を紹介させていただきました。最後もでお読みいただき、ありがとうございました。