ジオラマ:”旧市街のクリスマス”:その4

前回、その3では建物とその内部を紹介させていただきましたが、今回は建物以外の主な自作部分を路面電車軌道と架線、道路橋、街路灯の順に説明させていただきます。

<路面軌道>

路面軌道は篠原#70を使用しました。枕木はパターン自作用のプリント基板(下の写真)をカットしたもので、中央部にスリットを入れて両側のパターン用銅板を絶縁した後、レールを基板上の銅板にはんだ付けしてあります。

プリント基板を使用した線路の製作に応用する方法は以前から海外の鉄道模型雑誌にはよく掲載されており、その方法を参考に製作しました。一応左右のレールは電気的に絶縁してありますがレールから集電して車両を走らせたり車輪を介して室内等の電源を供給する予定はなかったのでフィーダーは設けてありません。

このようにして製作した軌道を主にコミックボードで作成した道路に埋め込んであります。

<路面軌道の架線>
路面軌道の架線は0.5㎜の真鍮線をはんだ付けで井桁状に組んで作成してあります。トロリ線とハンガーワイヤの間には釣金具状の部材を真鍮線で作成し、トロリ線をハンガーワイヤーより一段下に下げてはんだ付けで組み立ててあります。吊り金具は真鍮線を利用して作成してありますが実物の形状通りではありません。架線柱は下図のように直径2㎜の真鍮棒、内径2㎜x外径3㎜の真鍮パイプ、2ミリネジで支柱を作成し、架線支持部はエコーモデルの細密パイプとし、パイプと支柱の固定は割りピンにより行って強度を確保しています。架線と支柱の接続はハンガワイヤーをパイプにはめ込むことにより行っており、架線と支柱は分離可能な構造となっています。また、ハンガーワイヤーにはガイシを模したビーズをはめ込んであります。支柱はベースにナットで固定し、一部は建物の固定も兼ねています。

<道路橋>
道路橋は厚さ1㎜のプラ板とEvergreen社製のプラ製帯板、角棒、型材を用いて作成しました。ガーターは前述のように市ケ谷の水道橋がモデルで端部が斜めに下がった構造です。ガーターは両側だけでなく同じ形状のものが内側にも並んでおり、この道路橋では両端も含めて6枚のガーターで構成してあります。ガーターの間にはx形状の補強が入っていますが、この補強もEvergreen社製の型材等を利用して作成しました。また一番外側のガーターエコーモデルのリベット付きウインドシル、ヘッダーセットを用いてリベットを表現してあります。塗色は緑とし、筆塗りしましたが入り組んだ構造となっているため塗装は大変苦労しました。

<街路灯>
街路灯は線路と並行な道路の街路灯、その道路と直角に交差する道路の街灯、路面電車軌道の上に設けられ、道路の中央部に吊り下げられた吊下灯の3種類です。それぞれの構造は下記の通りで、いずれもスリットを入れたパターン自作用基盤の小片にチップLEDをはんだ付けし、同じパターン上に街路灯は配線用のリード線を、吊下灯は真鍮線をはんだ付けして下図のように組み立てました。中央の街路灯は片方の極を支柱の真鍮パイプに接続してあります。

電源は街路灯は9VのACアダプタを用い、所定の抵抗を介して個々に電源に接続してあります。吊下灯は架線柱とは別に設けた支柱に直列に接続し、抵抗を介して15VのACアダプタに接続してあります。クリスマスマーケットの装飾灯は赤、オレンジ、緑のLEDチップを細いリード線で直列接続して作成しました。

街路灯にはその他、メルクリンの街路灯 #72804も用いてあります。

また、下写真のCity Hall階段上の照明はアクリル製ビーズの下側に光学繊維でLEDの光を導光して作成したものです。高輝度LEDはかなりの光量がありますのでこのような使い方も可能です。

このジオラマでは建物の室内と合わせてLEDを100湖近く使用しています。前回述べたようにLEDはいずれも10個150円程度の安いもので、米粒球約20個(1個100円程度)と合わせて9Vと15VのACアダプタ 4個で点灯させています。レイアウトの照明に関しては、数十年前の「電球」しかなかった時代に比較し鉄道模型も技術の進歩の恩恵を受けていることを感じます。

次回は最終回として、Preiser製フギュアを用いて作成した街頭の各種シーンを紹介させていただきます。