レイアウトセクションの製作:蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(16) -アクセサリの製作(5:機関区の設備)-

蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(15)でアクセサリの一部を紹介した後,諸般の事情でこのレイアウトに関する紹介を長らく中断してしまいましたが,引き続き(16)としてレイアウト上のアクセサリの紹介を続けさせていただきます.今回は下の表に示す機関区設備のアクセサリを紹介したいと思います.

⚫︎ 構内踏切
踏切板は檜角棒です.幅は両側にレールを取り付けた時の幅がNMRAの規格(最小値)である14.4㎜より小さくなるように決定します.私は余裕を見てレール取り付け後の幅が12-12.5㎜になるように踏切板の幅を決めました.檜角棒は所定のサイズに仕上げた後ラッカー塗装し,Humbrol製のエナメルで塗装したCode70レール(IMON \Shinohara製)を取り付け全体をIndian Inkでウエザリングした後,ゴム系接着剤で所定位置に固定しました.接着は全てゴム系接着剤で行っています.

製作中の構内踏切用パーツ
完成した踏切板

取り付け後,踏切板が走行用レール高さより高くなっていないことを十分に確認します.問題なければ念のため踏切を通過する車両のKadee Couplerの解放ピンが踏切板と干渉しないことを確認して完成としました.

レールに取り付けた踏切板

⚫︎ 転轍器付近の目隠し
実際の分岐器は転轍機とポイントレールの間に切替用の動作機構が存在します.しかし模型の場合はその機構はダミーとなりますので省略し,網目板で製作した蓋を取り付けてあります.このような実例があるかどうかは不明ですが積雪地にはありそうではないかと考えてこの形としました..転轍機の反対側もポイントレールの可動部がレールの外側に突出しておりバラスト散布ができないのでその部分にはSTウッドで作成した蓋状のものを取り付けました.

ポイントレール転換機構の目隠し板

⚫︎ 防護柵
防護柵は2㎜x2㎜の檜角棒を用いて製作しました.踏切部の防護柵とそれ以外の場所の防護柵の違いは長さのみで,それ以外の構造は両者同一です.組立は木工用ボンドを使用しましたがはみ出すと塗装後に見苦しくなるので組立時にはみ出さないよう注意が必要です.取り付けは最も外側の角材の底面に真鍮線を埋め込んで地面に開けた穴に差し込んで固定しました.

油庫の前に設置した防護策

⚫︎ 古レール・古枕木
蒸気機関車が活躍していた頃の機関区では補修用でしょうか,線路際によく古レールや古枕木が置かれていました.古レールは檜角棒で台座を製作しその上に切断したCode83レールを並べてあります.枕木は2㎜x2㎜の檜角棒を使用しましたが少し細い印象です.レールはHumrol製のエナメル塗料,枕木はラッカーで塗装しIndian inkでウエザリングしました.

レイアウトに設置した古レールと古枕木

⚫︎ 運搬用トロッコ
物資運搬用のトロッコは2台製作し短く切断したレールの上に配置してあります.車輪はNゲージ用の車輪を用いて両端の軸を切断した後車軸を中央で切断しパイプを嵌め込んで期間を広げました.本体は1台を台枠のみとし,もう1台は台枠状に木製の床があるタイプとしました.台枠はEvergreen社製のプラ素材,床はSTウッドを用いて製作しています.台枠が露出しているトロッコの台枠上には古枕木を載せてあります.

短く切断したレール上に設置したトロッコ2種

⚫︎ 車両洗浄台
機関区にはディーゼル燃料補給小屋を製作したのでそれに合わせて車両洗浄台も製作しました。イメージは子供の頃から見慣れていた三鷹電車区の人道こ線橋から見える洗浄線の風景です.

参考にした車両洗浄台

洗浄台の構造は鉄製の脚部にコンクリートパネルを渡した構造としました. 脚部はEvergreen社製にのIビームとアングル材を使用してコの字型に組み立てました.

プラ素材で製作中の脚部

通路となる部分は1㎜厚のイラストボードで作成し,1㎜厚のイラストボードを所定寸法(長手方向は脚部の間隔)に切断後、切断前と同じ配列でラベル氏の上に並べ, あらかじめレイアウトに取り付けた脚部に接着しました. 組み立て前に脚部はダークグレー、通路はライトグレーに塗装してあります.

ケント紙で製作中の洗浄台

1960年台にはまだ三鷹電車区のような”都会の電車区”にも車両の自動洗浄設備はなく,洗浄台の上では多くの人々が手作業で車両の洗浄を行なっており,人道こ線橋上からはその作業を間近に見ることができました.この時のイメージを元に洗浄台上に各種のアクセサリを配しています.

製作したアクセサリは左よりホース掛け,水道蛇口と流し,モップとモップ置き.雑巾干しです.一部のホース掛けにはエコーモデル製のバケツをぶら下げてあります.水道蛇口はエコーモデル製ーのパーツ,ホースはAWG#30ケーブル,その他はEvergreen社製のプラ素材やケント紙で製作しました.また洗浄台の下側には真鍮線で製作した水道管を取り付けてあります.ハシゴはEvergreen社製のIビームとプラバンで作成しました.

洗浄台上に設置したアクセサリ

この洗浄台は地方の機関区の片隅にある設備でありそれほど使用頻度は多くありませんので台上にフィギュアは配置しませんでした.

完成した車両洗浄台

⚫︎ 車両への給水設備
洗浄台の反対側には気動車に給水する給水栓を設けてあります.駅にある給水設備は給水コックが地上付近にありますがこの機関区ではもう少し目立つものにしようと考えPreiser社製の消防士のフィギュアの中にあった消火栓を使用して作成しました.ホースは洗浄台と同じAWG #30のケーブルをHambrolのエナメル塗料で塗装したものを取り付けました.

Preiser製の消火栓を利用した給水栓

以上で機関区の設備の紹介を終わります.最近はレイアウトに設置するアクセサリパーツの各社から発売されており今回作成したものの中にもパーツが発売されているものもあります.当然自作したものよりも形が整っていますがパーツを利用するとレイアウトが何か没個性になるような気がしており,使用する気にはなりませんでした.
次回はその他のアクセサリを紹介したいと思います.
最後までお読みいただきありがとうございました.

真鍮車体とペーパー車体・自作における両者の比較(3)-まとめ-

前回までの記事ではペーパー車体と真鍮車体において主に各工程の技法の差と得られる印象の差について私の製作した車両を例に紹介してきましたが,ここではそのまとめとしてペーパー車体と真鍮車体を両者俯瞰的に見たときの両者の差と製作時留意すべき点を考えてみたいと思います.
<ペーパー製車体と真鍮製車体の全体的な印象の差>
真鍮製車体とペーパー製車体の間には製作の工程に大きな差があります.前回までの比較では触れていませんでしたが,それはペーパー車体のは塗装前の下地処理が必要であることです.下の写真はディテール加工中のクモニ83とクモユニ82ですがディテール加工開始時点で車体のパテによる隙間埋め,サーフェサーの吹き付けおよび耐水ペーパーによる表面の水研ぎは終了しており車体には真鍮車体でのラッカー塗装の塗膜以上の厚さの塗膜が形成されています.そのためこの時点で窓の周囲等のエッジには適度のRがついています,そのため私は今まで真鍮製車体のように窓等開口部の周囲に違和感を感じてテーパーをつける作業を行なったことはありません.

下地処理が終了しディテール加工中のペーパー製車体

しかし今までの記事で述べてきたように真鍮製車体は糸鋸による切断とヤスリ仕上げだけではエッジがシャープになりすぎる部分があるためエッジにテーパー加工が必要になります.

金属製車体の窓周りのテーパー加工

一方,実物の車体を見ると私が製作している国鉄時代の鋼製車両は鋼体の骨組みに鋼板を溶接し鋼板の接合部やエッジ等をグラインダーで仕上げた後,パテ埋め→下塗り→塗装という工程を経て車体を完成させますので湘南型前面の「鼻筋(pants crease)」のようにデザイン的に配慮された部分を除いて車体にエッジが形成されている部分は殆んどありません.よく車両製作法の解説で「塗装はポテっとならないように塗膜を薄く仕上げるように」という記載を見ますがこの記載の意図は実物で後からつけた部品等のエッジ(に近い)部分は塗膜でシャープさが損なわれないように塗装するようにという意図であると考えられます.ただ車体のグラインダー仕上げされた部分と後付け部品の綾部の状態(隅R,面取りの大きさ)は当然異なります(例えば下の写真の貫通ドア周りのエッジとテールライトケースのエッジ).この観点ではペーパー車体は全てのエッジはサーフェサーを塗装した時点で鋭いエッジとはなっていないためあまり意識しなくても結果的に車体のエッジは違和感がないレベルに表現できていると考えられます.またプレス加工が主体のバラキットではこのエッジをプレス加工のダレで表現していると考えられます.しかし自作した真鍮製車体ではエッジが鋭いため窓周囲のテーパー等にはヤスリによる言わば「エッジのコントロール」が必要になります.
<車体の製作法に応じたディテーリング>
上記のようにペーパー製車体と真鍮製車体では車体の全体的な印象に差があります.そのため実車に取り付けるディテールにもそれに応じた対応が必要になる場合もあるような気がします.下の写真は今回真鍮製車体で製作したキハ55の実物写真ですが,20系や55系気動車は正面ステップに比較し側面のドアの手すりは明らかに太い印象です.

キハ55の先頭部

今回金属車体の20系や55系気動車では正面のステップに直径0.3㎜の線材を使用したのですが,客用ドアの手すりにつける手摺りの線材の直径について結構悩みました.上の写真に従えば手摺りはステップより太い直径0.4㎜の線材を選択するのが妥当であると思う一方,車体に0.3㎜の真鍮板を使用したためドア部の立体感が実物の印象より乏しく,直径0.4㎜の線材を使用すると手摺りの太さが目立ちすぎるような気がました.そのため手摺りには前面ステップと同じ直径0.3㎜の真鍮線を使用しました.その結果手すりが実物より少し細い印象となりました.ただ直径0.4㎜の線材を使用するとやはり少し手摺りが目立ちすぎる気もします.もし同じ車両をペーパーで製作していたら車体の印象がいわゆる「線が太い」印象となり金属製車体比較してドアと外板の段差も大きいため金属車体よりため直径0.4㎜の線材を使用しても違和感は少ないのではないかと思われます.実際に自作車体より厚い板厚の素材が使用され窓やドア周囲にプレス加工によるダレのあるバラキットのキハ22では手摺りに0.4㎜の線材を使用しても少し手すりが太いという印象になるもののもさほど違和感はありません.この辺り,実物の印象を的確に再現するには車体の全体的な印象に応じて車体に使用するペーパーや真鍮版の板厚や使用する線材の最小径を考慮して各部に使用する線材の線径を考慮するというような全体のバランスを考慮した設計が必要です.

客用ドア手すりに直径0.3㎜の真鍮線を用いた真鍮自作車体のキハ52と直径0.4㎜の真鍮線を用いたバラキットのキハ22

余談ですがこれは市販の製品にも言えると感じます.ここからは私の私見ですが,量産品を長年手がけてきた老舗メーカーは国内外を問わずこのバランスを考慮した車両の印象表現が上手いのではないかと感じます.下のMärklin製の蒸機の別付けのパイピング(樹脂製)の直径は実測で約0.4㎜と太いですがそれに応じて周囲のパイピングの線径も考慮されているせいか印象はやや線の太さを感じるもののそれほど違和感がありません.樹脂やダイキャスト製の車体では例えば窓の庇の断面部の厚さも実機より厚くなりがちですのでそのような部分とのバランスも考慮して設計されているのかもわかりません.広辞苑によると細密の語釈は”細かい描写で精密に対象を描く”ということのようですのでこの製品はいわゆる”細密モデル”とは言えないのかもわかりませんがレイアウトで走行させた時の印象は十分”ハイディテール感”のあるのモデルと言えると感じます.

Märklin製BR39のCAB周りの配管

またMuarklin製品では細密感を出すために,形状をそのままスケールダウンすることに固執していない部分(部品)も見られます.例えば下の写真のボイラーに別部品として取り付けられているサンドパイプは一見細く見えますがよくみると断面は円形ではなく奥行方向に厚みがあります.また写真ではわかりにくいのですが奥にボイラーと一体整形された作用管等の配管が通っている部分は各々のパイプの間に隙間があり下を通っている配管が見える一方,ボイラーに何もディテールがない下側の部分では各パイプの間の隙間がなく一体となっておりボイラー表面は見えませんがレイアウト上では全く違和感がありません.この辺りは量産性とコストを考慮した合理的な設計がされていると感じます.このように部品の実物通りの形状に拘らず全体的な印象としての細密感を上げる設計手法は自作する場合でも参考にできる点があると思います.市販品で広辞苑の語釈に近い細密モデルを作ろうとした結果が現在日本で市販されている一般的な会社員の月収に匹敵する(上回る?)価格の真鍮製モデルで,これはもう一般人が楽しむ鉄道模型の範疇を逸脱している気がします.

Märklin製BR85のサンドパイプ

<完成までに要する時間の比較>
次にペーパー車体と真鍮製車体で完成までに要する時間を比較してみます.完成までに要する時間を作業に着手してから完成までにかかる時間と定義すると両者の内訳には大きな差があります.完成までに要する時間を1台の車両が仕掛かり中である時間と考えるとその時間の中には製作者が窓抜き等で実際に作業している時間と接着剤の乾燥待ちのような作業は行なっていない時間があります.これを「加工時間」と「待時間」と呼ぶことにすると真鍮製車体とペーパー製車体では両者の比率が大幅に異なります.この比率はは工場で製品を生産する場合は生産の効率性を左右し最終的には製品原価に影響を及ぼす場合がありますが,個人が製作する模型ではこの比率を考慮する必要はありません.そのため純粋に時間だけで比較すると真鍮製車体は最終工程の塗装を除いて作業開始から完成までの時間はほぼ加工時間で占められるのに対し,ペーパー車体では各々の工程の間に待ち時間が発生します.例えば真鍮製車体の場合,罫書き→外形仕上げ→窓抜き(切り抜き・ヤスリ仕上げ)→曲げの工程のほとんどが加工時間であるのに対し,ペーパー車体では罫書きと窓抜きの後車体を箱状にする工程では,屋根板を使用した場合には屋根板の接着と乾燥乾燥待ち,パテによる隙間埋め後のパテの乾燥待ち(場合によっては複数回),サーフェサー塗布後の乾燥待ちと表面の水研ぎ(複数回)というように待ち時間が必要な工程が多数あります.

パテで隙間を埋めて木材の目止めを行っている途中のクハ711

このように各工程を待ち時間を含めた時間で単純に比較するとペーパー車体は金属製車体に比較して工程にかかる時間が長くなるのではないかと考えられます.勿論真鍮製車体の製作において罫書きから髷までを一気に行うことは理屈上では可能でも集中力が続かないという属人的な要因もありますし,ペーパー製車体でも待ち時間を夜間とすれば実際に感じる時間は短いと感じます.そう考えると1両の車両を製作する場合はどちらを短いと感じるかは単純に比較できず,時と場合によるというのが実際のところではないかと思います.ただ,電車の編成物等複数の車両を一度に製作しようとする場合は「待時間」は製作する車両数が増えてもほとんど一定です.そのため製作の効率は1台のみ製作する時より向上します.また罫書きや窓抜き等の「加工時間」はペーパー製車両は金属製車両に比較すると短い傾向にありますので,複数の車両を製作する場合には完成までの時間は短くなる(短く感じる)可能性があります.一方真鍮製車体は完成までに時間がほぼ加工時間のため,完成までにかかる時間は製作する両数にほぼ比例します.また真鍮製車体ではペーパー車体では待ち時間に充当できる夜間や仕事をしている時間は加工時間に充当できませんので短期間で車両を完成させようとするとかなりの集中力が必要で失敗の確率も高くなります.思えば真鍮製バラキットが発売されその利用が進む以前,車両を自作するモデラーの中では機関車は金属製,客車はペーパー製というような風潮があったような気がします.冒頭にひとまず効率性は考えないで比較すると述べましたがこれはもしかしたら多数の車両を製作するときにはペーパー車体の方が効率的に製作できると思われていたのかもわかりません.ただ当時は機関車に対して客車はディテールを簡略化してもよいという考えもあったと思います.しかし現在ではペーパー性車体に要求される細密感は当時よりも上がっていますので現在は決してペーパー製の車両が金属製の車両に比較して簡単に製作できるとはいえません.そのため結局どちらの製作法を採用するかはそれぞれの製作法の特性を踏まえて決めることが必要で,製作にかかる時間をどちらの製作法を採用すべきかという判断基準とすることはあまり意味のないことのように思えます.これは趣味に効率性の追求は不要であるという趣味の本質的な部分にも通じているように思えます.
<製作にかかる費用の比較>
次に真鍮製車体と金属製車体の製作にかかる費用について比較します.車体を車体(側板+屋根)と定義して費用を比較すると真鍮製車体は車体用真鍮板,補強用アングル,床板で¥2,000弱と思われます.屋根板を使用したペーパー車体では用紙は数10円,屋根板が¥700程度,下塗り用にエアゾール式のサーフェサーを一本用意するとそれが¥800程度ですのでプラバンで製作する床板を含めて費用は¥1,500強でないかと思われます.ペーパールーフでは屋根板を使用しませんので¥800強となります.すると両者の差は¥500-¥1,000程度になります.この差を大きいと見るか小さいと見るかは人それぞれと思いますが,真鍮製車体がペーパー製車体より何倍も費用がかかるということではありませんので通常費用の面から真鍮車体を諦める必要はないと思います.ただし工具等への初期投資は真鍮製車体を製作する場合少し高額になります(¥20,000程度?)
<最後に>
かつて市場に多数あったベーシックなバラキットはすでに製造されておらず,かつて販売されていたバラキットを入手するには市場で委託品や中古品を探すしかない状況でバラキットを使用して気軽に真鍮製の車両を製作することはなかなか難しい状態です.ただ市場にはまだディテールアップ用のパーツは数多く存在します.バラキットを組み立てた経験のある方でしたら金属車体の自作はさほどハードルが高いとは思いませんのでもし今後真鍮製車体の製作を諦めてペーパー車体の製作を検討している方がいれば真鍮製車体の自作も選択肢になると思います.その一方初期の気動車の”バス窓”のHゴム表現や急行型電車に代表されるユニットサッシの表現は自作車両では非常に手間がかかりまた技術力も要求されるため私もまだ手がつけられていない状況です.バラキットが通常ルートで手に入らない現在でもパーツメーカーからはいまだに細密化パーツが続々と発売されていますが,メーカーには細密化パーツの他に例えばエッチングを用いた気動車バス窓のHゴム,初期の気動車に用いられていた気動車のプレスドア,国鉄車両に幅広く用いられたユニットサッシの枠等真鍮板による車体製作のハードルを下げる(自作車両の製作方法の選択肢を広げる)パーツを販売してもらえたらと思います.

自作車体のクハ711(前面はパーツ加工)とペーパー車体のクハ711 900番台

最後までお読みいただきありがとうございました.

真鍮車体とペーパー車体・自作における両者の比較(2)-細部の表現-

<先頭部(おでこ)の製作法>
私が製作しているいわゆる”国鉄型”の車両の先頭車の一部はいわゆる”半流線型”と言われる車両で先頭部には通称(俗称?)”おでこ”と呼ばれる曲面部があります.まずはこの部分の製作法について両者を比較してみたいと思います.ペーパー車体の場合,私はこの曲面部はバルサ材で製作しています.屋根板を使用した車体は屋根板の先端部を局面に仕上げる方法もありますが私はより加工しやすいバルサ材を使用しています.

前頭部の曲面をバルサブロックの成形で作成したペーパー製車両

上の写真はペーパー製の車両で前面の曲面は全てバルサブロックを接着して成形したものです.屋根は157系の車体のみペーパールーフで製作し,その他の車両は屋根板を使用しています.曲面部は157系のように曲面のみで構成される車両は比較的簡単に製作できますがクモヤ791やクハ711のようにヘッドライトや行き先表示板がある車両はバルサブロックに穴を開たり切り欠いたりして別パーツを取り付けた後隙間をパテ埋めして仕上げる必要があり手間がかかります.ただ最近では各種のパテが販売されていますのでその中から適切なものを選択すれば以前に比べれば比較的容易に製作することが可能です.

前頭部の曲面を加工中のクモヤ791

一方真鍮車体ではこの曲面はプレス製パーツを使用しない場合には前面側に設けて切り込みを入れながら曲面部を製作し,隙間をハンダで埋めて整形する方法で製作しています..ペーパー製車両に使用するパテとは異なり隙間に盛ったハンダは一瞬で固化してヤスリ加工が可能になりますので整形は比較的短時間で行うことが可能です.ただ展開時の寸法が適切でないとヘッドライト等の取り付け時にハンダが溶解して再成形することになり非常に手間がかかります.また気動車や機関車の曲面の形状は比較的単純ですが電車の前頭部は屋根の局面の開始点が気動車より後方にありますので展開寸法の決め方が複雑になります.私はまだ電車の前面の曲面を製作したことはありませんが,今後製作する場合には何らかの木型のようなものが必要ではないかと考えています.

前頭部を加工中のキハ52

.私が作成した真鍮製車体の先頭部の中には市販の前面パーツを使用した車両がありますこの方法は金属車体で先頭部を製作する場合,最も簡単な方法ですが,前面パーツは最近はほとんど入手が不可能です.車両の前面は作品を鑑賞する場合は最も注目される部分の一つですが市販のほとんどの製品が自社の完成品やキットのパーツを分売しているものですのでそこにパーツをそのまま使用すると,前面が市販の製品(キット)のイメージになってしまいます.

手元にある未使用の前面パーツ.EF65はつぼみ堂製,湘南型は多分いさみや製,東海型はカツミ製

今まで紹介した金属製車両(下の写真)ではキハ25とクハ711にパーツ使用しています.なおクハ711の前面は165系用を改造しています.

キハ25はフェニックス模型店製,クハ711はカツミ製を改造したパーツを使用して自作した金属製車体

パーツを使用する場合を除いてペーパー車体も金属車体も概略の形状を作成して削って形を整えていくという工程は変わりません,ただペーパー車両の場合にはヘッドライトの穴あけ加工を例にとるとば金属穴より精度は劣り周囲にめくれ(ささくれ)が出ますので結構細かい作業が必要で,仕上げ工程はパテ埋め→乾燥→整形の繰り返しになりパテの乾燥待ち時間も発生しますので結構時間と根気が必要な作業となります.
<屋根の加工>
国鉄車両のパンタグラフ搭載車の中にはパンタグラフ折りたたみ時の架線との空間距離確保,小断面トンネル内で本体とパンタ鍵外し機構との干渉を避けるパンタ上昇量確保を目的でパンタグラフ部分が低屋根構造になっている車両があり,この低屋根部分がある車両は屋根部の加工が必要となります.この加工に最も手間のかかるのは屋根板を使用した車両で,低屋根部分を所定の形状に削る作業が発生します.私は彫刻刀で屋根板を削り耐水ペーパーで仕上げていますが特に交直両用電車のような低屋根部分の長さが長い車両は整形に手間がかかります.一方ペーパールーフ車体では低屋根部にT時型の斬り込みを入れて屋根のカーブを変化させます.また金属製の車体では車体の曲げ終了後低屋根部分の屋根の平面となる部分を切り取って切り取った部分に別の板を張って低屋根部分を作成します,屋根板の削り作業と比較するとこれらの工程は比較的短時間で行なえます.

低屋根部分を加工中の屋根板

もう一つ屋根板を使用したペーパー車体で難易度が高いのは気動車屋上の排気管のように屋根板に細かい加工が必要な部分です.これも細かい木工作業が必要で真鍮製車体やペーパールーフ農式のペーパー車体より加工に手間がかかります.

金属車体の屋根に設けた排気出口

<その他のディテール>
その他,車体の直接加工が必要なディテールの加工法を比較してみます,まず車体の空いた点検口ですがペーパー車体の場合私は鉄筆の筋彫りで表現しています.一方真鍮車体の場合には点検口の部分を一度切り抜き裏打ち後蓋部材をはめ込んでいます.ただ私の作例ではハメ込み部の隙間がばらついており私の工作力不足が露呈しています.この作例は比較的大きな点検口ですが,さらに小さいドアエンジンの点検口や非常コックの蓋等はこの点検口より小さく難易度はさらに上がりますので私が製作した車体ではキハ55系の冷却水補給口の蓋も含めて社たの点検口は全て省略しています.
また下の写真のモハ711の機器室は,ペーパー車体では車体に鉄筆で筋をつけて周囲にペーパー製の枠を貼ってあります.一方金属車体では片方の稜に面取りを設けた真鍮角線を積み重ねて整形した部品を車体の開口部に嵌め込み0.1㎜の真鍮板で作成した枠をハンダ付けしてあります.こちらは工作力不足で線が乱れていますが金属製の方が立体的に感じます.また市販のパーツを使用する場合,パーツが真鍮製の場合,ペーパー車体の場合は瞬間接着剤で取り付け金属車体の場合はハンダ付けで取り付けます.ホワイトメタル製の場合はどちらも瞬間接着剤で取り付けています.また下の写真の号車札入れと列車種別表示板入れはどちらもエコーモデル製のパーツを使用していますががペーパー車体への取り付けはサーフェサーで行っています.サーフェサーの量には注意が必要ですが固着後塗装を行えば強度上は問題ありません.

ペーパー製クモハ711 901の車体ディテール
金属製モハ711の車体ディテール

モハ711の屋上機器はペーパー製車体はプラ板を積層したものやEvergreen社製のプラ素材を削り出して製作し,金属製の車体では真鍮版を曲げてハンダで組み立てたものを取り付けています.

金属製モハ711のパンタ周り
ペーパー製クモハ711 901のパンタ周り

上の写真で紹介した金属車体に使用した金属製の自作パーツはペーパー車体にも取り付けることは可能です.ただ私は過去製作してきた車体も含めてペーパー車体に金属製の自作パーツを取り付けたことはあまりありませんでした.その理由を振り返って考えてみるとこれは一連のペーパー車体の製作工程にある意味異質な金属加工の工程を持ち込みたくないという心理が働いていたようです.また金属車体とペーパー車体を比較するとペーパー車体では下地処理の際塗料を塗り重ねることによりエッジのシャープさに差があることは事実でエッジがシャープに仕上がる金属製のパーツの使用にあたっては全体的な印象も考えながら最適な製作法を検討した方が良さそうです.なお,ペーパーの材料特性上ペーパーは構造上ペーパーのエッジが露出するパーツや非常に小さな部品の制作には向きません.下の写真のモハ164の低屋根部のファンデリア用の空気取り入れ口は金属またはプラバンで製作した部品を使用した方がシャープに仕上がりますし,パンタ鍵外し装置のような細かい部品はそもそもペーパーでの製作は不可能です.

ペーパーで製作したモハ164の低屋根部分のファンデリア用ダクト
ペーパーで製作したモハ164のパンタ鉤外し装置

<まとめ>
以上,今まで私が製作してきたペーパー製車両と金属製車両を例に両者の比較をしてみました.今回の記事が車両の製作にあたって何かの参考になれば幸いです.思えば私が車両の自作を始めた1970年初め頃は子供(学生?)向けの模型雑誌の鉄農模型車両の製作法はペーパー製の車両だけではなく真鍮製の車両の製作法も掲載されていました.ただやはり金属加工のハードルは高く,金銭的にも時間的にも比較的手軽にできるペーパー車体の車両製作が主流であった気がします.

”模型と工作”に掲載されていた金属製車両の作り方(1970頃)

ただ,最近ペーパー製の車両と金属製の車両を製作してみて改めて思うのはペーパー製車両の製作はそれほど簡単なものではなく紙の加工だけでなく木工の技術や金属加工の技術もある程度のレベルの工作が要求され,一概にペーパー車体の方が作り易いとは言えません.どちらを作り易いと感じるかは工作力や経験だけではなく自身の性格も関係するような気がします.またどちらを選択するかにあたり金属加工時の切粉の処理や騒音,ペーパー車体製作時の下地処理用塗料の臭気等,周囲の環境や自分自身の身体への悪影響も配慮すべき項目です.シンナー等の有機溶剤は体に有害なものということは広く知れ渡っていますがハンダも鉛フリーハンダ以外は有毒ガスが出ますので注意が必要です.
以上,最後までお読みいただきありがとうございました.

真鍮板から車輌を作る -(5) :車体の組み立て(前面の製作)-

各部の部品を製作し車体の曲げ工程が終わると部品はほぼバラキット組み立て前の状態となりますが,キハ20系のような前面に丸みのある車体はもうひとつ,前面の「おでこ」の製作というバラキットにはない作業工程が残っています.最近のバラキットでは通常この部分はプレスパーツとなっていますが,自作車体ではこの部分を手作りで製作する必要があります.私が最初に組み立てたバラキットはしなのマイクロ製のEF64の車体キットでまだ高校生の頃だと記憶していますが当時のキットはまだ前面へのプレスパーツ使用が一般的になる前の製品で,キットの組み立て説明書では社端部の「おでこ」の部分は折り妻状に組んだ車体の屋根の接合部に真鍮角材を裏打ちしてヤスリで仕上げるという指示でした.一方当時からこの部分を自作する場合には妻板におでことなる部分を設け,その部分に切り込みを入れて曲げながら概略形状を作り,最後に半田を盛って整形する方法で,この方法は現在でも自作車体では一般的な手法です.しなのマイクロ製キットの方法はペーパー車体の制作法と類似の方法で,ペーパー車体を製作した経験のある私にとっては一見簡単そうな方法ですが,冷静の考えてみると運転室窓上部にヘッドライトが付いた車両では加工が難しいと感じたため私はこの部分を後者の屋根と妻板に切り込みを入れて曲げ整形する方法で組み立てました.その加工は思ったより簡単であった記憶がありますが,その後はキットも「おでこ」の部分はプレスパーツが一般的になったため今回の作業はそれ以来の作業で約50年ぶりの作業となります.というよりはその時の記憶が全くないため実質私にとっては今回が初めての作業です.ただ過去一度やった経験があると少しプレッシャーから解放されるという気もします.

前面を自作したキハ52.奥はプレスパーツを利用したキハ25です.

・ 前面の罫書き,曲げ
まず罫書きを行いますが,「おでこ」以外の部分は図面から算出した寸法で罫書きます.曲げ後に側板とつながる部分は後で長さを調整するため長めにしておきます.一方,おでこ部分の展開寸法(展開形状)は厳密に決めようとすると木型を製作して実際に曲げて求める必要がありますが,,キハ20系の「おでこ」の形状は比較的単純な形状なので今回は現物合わせで曲げながら切り欠きを設けて製作することとし,屋根部分は屋根形状より10㎜程度外側に張り出した形状として切断しました

罫書きが終わった切断前の前面

罫書きが終了したら窓抜き前に曲げを行います.曲げの手順は車体板の曲げと同じです.曲げは運転室窓横に罫書いた曲げ線を基準に行います.

曲げの手順は車体と同一ですが,あて木のRは曲げRに合わせて新たに作成する必要があります.

両側の曲げが終わったら妻板に後退角をつけます.曲げの際には裏側にPカッターで切り込みを入れてから曲げを行いました.Pカッターは真鍮板のスジ彫りを行うと刃が痛みますが最近は替え刃式のPカッターもありますので真鍮板の加工(曲げ)を行う場合は一本用意しておくと便利です.

貫通扉横を曲げて前面に後退角をつけます.

曲げが終了したら窓と貫通ドア部分に鋸刄の通し穴を開けます.車体板と異なり全体の大きさが小さいため途中で材料の保持が困難になる可能性があると思い運転室窓は4隅に穴を開けて鋸刄の転向を容易に可能としました.ただし窓抜き時,鋸刄が穴に達した時に穴に到達した勢いで鋸刄が罫書き線をはみ出さないよう注意が必要です.

窓部の穴開けが終了した状態です.

穴あけが済んだら「おでこ」の部分をヤットコで曲げていきます.なお,私はこのような曲げにはかつてエコーモデルから発売されていた「細密ヤットコ」を使用しています.現在では発売されていないようですが,ほぼ同じものは「時計ヤットコ」で検索すると各種タイプがあり,購入も可能です.曲げながら干渉する部分は現物合わせで切り欠きをつけながら曲げを進めましたが,細かい鋸刄(#5/0)を使用すると保持が不安定な状態でも鋸刄が引っかかることなく比較的簡単に切り欠くことが可能です.

曲げのを行っている途中の状態です.

下の写真は曲げ途中の写真です.平面部分と屋根のつながる部分の稜線の位置に注意しながら曲げていきます.曲げの開始点は側板の高さより低くならないように注意する必要があります.そのため曲げを行う前に裏面には側板高さの位置にPカッターでスジ彫りを行いました.

「おでこ」の部分の曲げがほぼ終了した状態.

「おでこ」は車体断面に合わせて曲げていきますが最終的には本体に取り付ける際に調整します.

最後に車体との接続部が車体断面通りに曲げられているかをチェックします.

曲げが終わったら窓と貫通ドアを糸鋸で抜いてヤスリ仕上げを行い,長めにしておいた車体との接続部を所定寸法に切断すれば前面はひとまず完成となります.

車体の取り付ける前の前頭部です.この状態では窓の大きさがやや小さいため後で大きさを修正しています

・ 組み立て作業
前面が完成したら組み立て作業に入ります.組み立て手順はバラキットとほぼ同じで客用ドアと乗務員ドアの裏打ち(前面との接続部)をはんだ付けして車体裾部に補強アングルを取り付けます.この辺りの作業はバラキットの組み立てとほとんど変わりませんので説明は割愛します.ただ,組み立てには今回初めて自動温調機能付きのハンダゴテを使用しました.機種は大洋電気産業(goot) 製のPX-480という80Wのハンダゴテで,コテの中に温調回路を組み込んだ比較的安価な製品です.設定温度はDefaultの350°Cで使用しました.私は今までは昔からある100Wのニクロムヒーターのコテを使用していましたが,今回使用したハンダごてはそれに比較すると容量は小さいものの,コテ先温度が安定していることに加えてコテ先にコーティングがあり作業中に酸化被膜ができないためコテを当てた時の半田の流れが常に安定しており快適に作業することができました.また,部品をつける際,位置ぎめに時間がかかってもコテ先の過熱を気にすることがなくストレスなく作業をすることが可能でした.ただ,コテ先温度を高く設定しているせいか作業時に材料の熱膨張による変形が多少気になりました.この辺点は今後設定温度の最適化を行う必要がありそうです.コテ先は購入時装着されていたものをそのまま使用しています.なお,補強アングルはエコーモデル製の床板アングル(品番2151)を使用しました.

今回使用した温調機能付きのハンダゴテ
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真鍮板から車輌を作る -(3) :ヤスリがけ-

糸鋸により真鍮版を切断したら次はヤスリ(棒ヤスリ)を使用して部品を罫書き線通りの形状に仕上げていく工程に入ります.この工程までくれば前回の最後に述べたような設計に起因する大きな問題がなければ窓抜き作業のような一瞬のうちに今までの努力が水泡に記すようなインシデントの発生確率は低くなります.そのヤスリ作業は適切な形状と粗さのヤスリを選択すること,真鍮板はやすりは押すときのみに削れることに留意すること,通常はヤスリを真鍮板に対して垂直に保持しながら削ることに注意すること,罫書き線を超えて削りすぎないことの留意すれば時間はかかるものの作業は終わります.

下回りも含め基本部分の組み立てを終え,小パーツの取り付けを開始したキハ25とキハ52

一方,やすりがけには今までの工程にない難しさがあります.それはこの工程の良し悪しが作品の出来栄えに直接影響を与えると言うことです.極端に言えば,罫書きを部品の裏側に行う限りは罫書き線をいくら間違えて描き直してもも作品の出来栄え(外観)には影響しません.また四角い窓を糸鋸で丸く抜いても,それが罫書き線を逸脱していなければヤスリがけ作業の終了後にはその履歴は作品には全く現れません.しかしヤスリ仕上げはその仕上げが罫書き線にどのくらい忠実に行ったかが作品の出来栄えに直接影響を与えます.

それではまずは使用した工具を紹介します.

やすりがけの工程に使用した工具.写真のドライバーは先端を研いでキサゲとして使用しています.


1.精密ヤスリ・・・精密ヤスリで作業のほとんどを行ないます.私はバラキットを組み立てた時に使用していたヤスリをそのまま使用しています.ヤスリは品質も値段もピンキリですが私が使用しているヤスリはメーカー不詳で有名メーカーの高級品ではありません.ただ,糸鋸による作業が下手なせいもあり車体を自作する場合にはヤスリがけの工程が非常に多くの時間を占め,その使用頻度も使用時間もバラキットの修正や小部品を製作するのに比較すると非常に多いので,今後本格的に本格的に真鍮製車体の製作を行なう場合は買い替えたいと思っています.ほとんどの外形仕上げ作業は平ヤスリと丸ヤスリで行いますが,角・三角.先細やすりも穴の拡大,線材の切断等に使用しますので用意しておいた方が良いと思います.
2.その他のヤスリ・・・タミヤ製のベーシックヤスリセットの細目と中目を用意していますが前面の”オデコ”の整形や,糸鋸であまりにも内側を切りすぎた窓の荒削りに使用する以外はほとんど使用しません.これらのヤスリで真鍮板の表面を削ると塗装後まで傷が残ってしまったり傷の除去に非常に手間がかかる場合がありますので要注意です.
3.ステンレススケールとノギス・・・作業中の寸法測定に使用します.
4.耐水ペーパー・キサゲ・キサゲ刷毛・・・作業により発生するカエリの除去に使用します.

・ 実際の作業
私の経験ではヤスリがけの留意点は冒頭でも触れたように ① 切削中は板とヤスリを垂直に保持して作業する ②ヤスリが金属を削るのは手前から奥にヤスリを押すときのみであることに注意する(ヤスリを引くときはヤスリを板に強く押し付けない)③ 切削時には常の罫書き線を認識しながら行う ということではないかと思います.これは学校の技術家庭科の授業で習ったのかもわかりません(私は覚えていません).また私は機械工学科出身ですので大学の実習でヤスリがけ作業の実習も行なったはずですが,何を教わったかは全く記憶にありません.多分鉄道模型愛好者で過去今回のヤスリがけ作業で要求される精度でのヤスリでの仕上げ作業を学校以外で経験している方は非常に少ない(殆んどいない?)のではないかと思われます.しかしヤスリがけは上記に注意して作業を行えば比較的簡単に鉄道模型製作に必要な程度のやすりがけ作業の「コツ」は掴めるような気もします.以下,私の行なった手順を実例で紹介します.

ヤスリ作業中の客用ドア.

上の写真は客用ドアをヤスリ仕上げしている途中の写真です.上の2枚が糸鋸で抜いた状態,下の2枚が最終仕上げ直前の段階です.その手順は ①丸ヤスリを用いて窓の隅R部分を罫書き線ギリギリまで削る(罫書き線の部分は削りません)② 角のRとスムーズに繋がるように平ヤスリで直線部を削る(この状態で罫書き線の内側に沿った形で窓の外形が仕上がります).ここまでできたら以降 ③仕上がり状態をチェックの上罫書き線がほぼ消えるまでR部を削り込む ④ R部とスムーズに繋がるように直線部を削り込む という手順で,上の写真の下段は③と④の間の状態です.
作業中の注意点としては,切断作業と同様,常に罫書き線を確認しながら作業を進めることです.材料には削り込みに従って外周にカエリが発生し,そのカエリは表面と裏面両方に発生します.そのため作業中はカエリを確実に除去し,常に罫書き線がどこにあるかを認識しながら作業することが必要です.光源の位置によっては発生したカエリは光に反射しますので,罫書き線の位置や実際に削られている位置と罫書き線の位置関係がよくわからなくなったり,カエリの反射を罫書き線と誤認する場合もあります. 繰り返しになりますが糸鋸による切断と同様,罫書き線が認識できなくなったと思ったら即作業を中断してかえりを除去し,罫書き線を確認することが必要です.罫書き線を強めに付けてあれば表面を耐水ペーパーで軽く擦ってかえりを除去しても罫書き線は残りますので最終段階での確認の際はこの作業を行なった後で削り量が適正であるかを確認しても良いかと思います.そして作業が終わったら最後に板を裏返して反対面(外観となる面)からチェックし,外形に乱れがなければ終了です.やすりがけ作業は糸鋸作業に比較すれば失敗の確率は低いものの,時間おかかる集中力のいる作業であり,集中力が途切れないように休みながら行う必要があります.また完成と思ってもしばらく時間をおいてチェックするとエラーに気づく場合もありますので一晩経ってから再チェックを行うのことも効果的です.ちなみに下記のドア4枚(穴16箇所)を仕上げるのに要した時間は約2.5時間でした.なお窓部以外のヤスリがけ作業もほぼ同じ手順で行いました.

窓周囲の仕上げがほぼ終わった側板(外観面).写真で黒っぽく見えるのはヤスリ作業で発生したカエリです.

・ヤスリがけの精度
ヤスリがけの工程は手作業ですので精度には限界があります.私の参考にしたTMS誌”キユ25の作り方”では切断と同様”罫書き線が消えるまでヤスリがけする”と簡単に記載されています(上に紹介した手順と同様まずR部を先に仕上げることにも言及されています).ただ色々な条件によるとは思いますが私が行なった実際の作業では私の引いた強めの罫書き線の幅をヤスリの1ストロークで一気に削り込むことはできませんでしたので,慎重に作業を行えばヤスリ作業で大幅な寸法逸脱が発生することはなく,時間と集中力は必要なものの切削時のヤスリの当て方に慣れてしまえば形状を罫書き線どおりに仕上げるのはそれほど難しい作業ではないと思います.
具体的にいうと仮に罫書き線の太さ(幅)が0.1㎜とすると,罫書き線が削られ始めて削り取られるまではの削り量は0.1㎜になりますが,上記のように精密ヤスリを用いて軽めの力をで削る場合にはその罫書き線を消すまで材料を削り込むためにはヤスリを数ストローク動かす必要がありますので,罫書き線が削られ始めた後罫書き線が見えている間に作業を終了すれば誤差は0.1㎜以下となります.このように考えるとヤスリ作業は慎重に行えば結構よい精度で仕上げることが可能です.また見方を変えれば実物を縮尺した寸法で正しい形状の部品ができるか否かは設計と罫書きに殆んど依存しているいうこともできます.なお,窓抜きに関してはこの後窓の周囲にテーパーをつける作業が発生しますが,私はこの作業は組み立て後行いましたのでそれについてはまた項を改めて紹介します.

最後までお読みいただきありがとうございました.次回は側板の曲げと組み立ての手順を紹介したいと思います.

真鍮板から車輌を作る -(1) :製作のための環境整備と罫書き-

製作中のキハ52とキハ25.窓周りのテーパーはヤスリ仕上げとしました

このブログには過去に私が製作したペーパー車体の車両を多数紹介させていただいていますが,その経験を踏まえ,誰かに「ペーパー車体の製作と真鍮版からの車体製作とどちらが簡単か?」という質問をされたら私は「単純に比較することは難しいが,ペーパー車体に比較して真鍮製車体のほうが作りやすい面も多数ある」と答えます.沸きらない答えで恐縮ですが,そう考える大きな理由は①半田という”可逆性瞬間接着剤”が使用できること,②製作中に各部の形状の修正(ヤスリ作業)や一度取り付けた部品の交換が簡単に行えることで,特に①に挙げた半田付けによる組み立てでは部品の取り付け取り外し(位置の微修正)が何度もでき,また部品をを瞬時に接合できるという大きなメリットがあります.
一方,私が『バラキットの製作とペーパー車体の製作とどっちらが簡単か?』と質問されたら間違いなく「バラキット組み立ての方が簡単」と答えます.理由は部品があらかじめ用意されていることもありますが,一連の組み立て作業をほとんど上に述べたメリットがある半田づけで行うことができるということがその大きな理由です.ペーパー車体の製作では接着(乾燥),目止め(塗装,乾燥,やすりがけの繰り返し)等,段取りの異なる作業が混在するとともに待ち時間が多く,接着剤も塗料も可逆性があるものではないためある意味各工程が「一発勝負」となり失敗すると最初からやり直すか修正に多大な労力が必要になります.もちろん真鍮車体工作でも失敗するとその瞬間に”GAME OVER”となる工程はいくつかありますが,その工程は割と限定されておりそこでの失敗防止の対策をしっかり行ない自分なりの手順を確立して何両か車両を製作して行いコツを飲み込めば失敗の確率はかなり低くなると感じます.(具体的には手順の紹介の中で説明します).乱暴に言ってしまえば真鍮板からの車体制作の難易度はペーパーによる車両製作の難易度と同等と言っても過言ではないと思います.
それでもバラキットの組み立て経験のある方が真鍮板からの車体製作を難しいと感じるのはその「最初のとっつきにくさ」と「時間がかかる.特に途中で失敗するとそれまでの苦労が水の泡」というイメージが大きいからではないかと思われます.確かにバラキットの組み立てに比べれば真鍮車体工作は「バラキットにアソートされている部品の製作」に今までにない作業環境と多くの時間を要しますが,上述のように一部の工程に注意すれば失敗は防げますし,金属車体とペーパー車体で車体の基本部分が完成してディテーリング作業が開始できるまでの時間を比較すると,車体が箱状になるまでの時間はペーパー車体の方が短いものの下地処理の時間を含めて考えるとその時間と失敗の確率はそんなに変わらないような気もします.ただ,最初にあげた「とっつきにくさ」という面では,真鍮車体の製作にはペーパー車体の製作やバラキットの組み立てとは異なる作業環境の準備が必要ですのでまずはその環境を作ることが必要になりますので,まず私の作業環境を紹介したいと思います..

・作業環境の整備
真鍮車体の工作はペーパー車体やバラキットの組み立てのように,ライティングデスクの上で,それまで使用していたPCや本の代わりに作業台を置いてすぐに作業を始めることはできません.大きな違いは特に板の切断(窓抜きを含む)作業で,加工する真鍮版の加工箇所の上下(特に下側)にある程度のスペースが必要になること,また加工に伴って発生する多量の切粉の飛散に対する対応をが必要となることです.具体的には真鍮版を切断する際に切断箇所で鋸刃を真鍮版に対して垂直に保持して上下に動かしますので板の切断箇所の下方には糸鋸の鋸刃を真鍮版に垂直に当てた状態で糸鋸を上下に動かせるスペースが必要です.加えて切断地点からは切粉が発生し下方へ落下しますのでその切粉を飛散させない対応も必要です.ちなみに私が今回行った方法は下記の方法で,真鍮版を置く作業板(9㎜厚のシナ合板)をCクランプで机のエッジからオーバーハングさせて固定し,その下方の机の引き出しを開けてその上に板を載せて切断時に発生する切粉を集めています.

糸鋸作業を行なう作業台

この辺りの詳細は以前機芸出版社から発売されていた菅原道雄氏著の「鉄道模型模型工作技法」に詳しく解説されています.この本が発行されたのは1983年で,私もこの本の記載内容をかなり参考にさせていただいていますが,記載内容は本格的なもので最初からこの本に記載されているとおりにやろうとすると,結構大変です.私はこの記事の内容に比較するとかなり「ズボラ」な方法で工作をしています.作品の出来栄えがイマイチなのはそのせいかもわかりませんが,過去にバラキットを製作したことがあり,製作に必要な工具が一通りあれば上記の環境を作り,少しの工具を買い足せば作業は始められますのでまずはこの程度の作業環境で始めてみるのも良いかもわかりません.なお,切粉に関して特に注意が必要なのは近くの電気製品の近傍への切粉の飛散で,その中でも特に注意が必要なのは電気接点が露出しているテーブルタップ近傍への切粉の飛散です.

・設計
バラキットとは異なり,車体を自分で製作する場合には当然加工用の「図面」が必要になります.ただ,これはペーパー車両を製作する時にも必要で,真鍮工作であるからといって特別な図面は必要ありません.私はペーパー車体も含め,車両製作時に一般の人が思い浮かべるような「図面」は製作していません.罫書きのための寸法は鉄道雑誌等に掲載されている図面に1/80の寸法を記載して,それを用いて製作しています.少し乱暴な言い方ですが,製品の製造時に規格に則った厳密な図面を用意する目的は一言で言うと「設計者が意図したとおりのものを他人がばらつきなく(一定のばらつきの中で)大量に作るため」です.そしてそのために図面は内容を一義的に解釈できるように製図規格に則って製作のための図面を作成することが必要です.また加工時の誤差(ばらつき)を最小限にするために加工方法に応じて適切に寸法を指示することも重要です.そのため図面を出図する際にはこれらの観点で図面を複数のレビュワーでレビューします.しかし車両の製作ではそもそも製作するのは自分ですし,罫書き線を基準として加工をどれくらいの精度で加工するかはいくら考えても自身の裁量と技術に依存する(必要な場合は自分で治具を作る)ので,図面は将来自分が同じものを作りたいと思った時に以前に作った車両を製作した際の寸法が分かれば様式は後日自分が理解できるものでよく,ペーパーでも金属でもこの状況はかわりません.私は原寸大の図面を書くこともありますが,それは寸法を記入するというよりは原寸大の図面により全体的な形状のバランスをチェックするためで,模型雑誌や図面集に実物大の図面が掲載されている場合は作成していません.ただ今回製作したキハ20系の気動車は,手持ちのスタイルブックに1/120の図面が掲載されているものの実物大の図面がなかったため実寸大の図面(外観イラスト)を作成し,そこに寸法を記載しています.自宅には1970年頃から故.なかお・ゆたか氏作成の折り込み図面が掲載されたTMS誌と1974年に発行された”日本の車両スタイルブック”がありますが,なぜかどちらにも当時の国鉄でメジャーな存在であったキハ20系やそれと車体形状がほぼ同じであるキハ55系の実物大の図面は掲載されておりません.当時実物界では一世を風靡していた20系客車も同じ状況です.

今回作成したキハ25の原寸大の”図面”です.特に2段窓の車両では模型の実物大の図面が入手できない場合,窓の横桟の位置を自分が作成した実物大の”図面”で検討する必要があります.

・材料への罫書き
作業環境が整って図面ができたら材料への罫書きを行います.私が罫書きに使用しているのは以下の工具です.なお,罫書きの段階では糸鋸作業はしませんので上記のような作業環境は不要です.

真鍮版の罫書きに使用する工具

1.300㎜のステンレススケール・・・車体の全長等をチェックする時等に使用します
2.150㎜のステンレススケール・・・寸法測定のほかスプリングデバイダーに寸法を設定する際に使用します.表面が梨地仕上げの方が目盛りの視認性は良好です
3.スコヤ・・・比較的小型のものを使用しています.私は全長75㎜のものを使用しています.あまり大型のものは使いにくいので小型のものが良いと思いますが,以下に説明する方法で罫書きを行う場合全長50㎜以下のものは使用できません(理由は後述).
4.罫書き針・・・ホビー用として市販されているもので好みのものを選択すれば問題なく使用できます.真鍮は柔らかいので高価な針の硬度が高いものは不要です.
5.スプリングデバイダー・・・正確な罫書きを行うためには必須の工具です.金属加工用向けの製品が必要で製図用のスプリングでバイダーでは正確な罫書きはできません.私は40年ぐらい前に購入したドイツ製のものを使用しています.購入当時はあまり選択肢はありませんでしたが現在ではAmazon等で同じような製品が多数販売されています.ただ選択肢が広がった分中には粗悪品もあるようですので購入にあたっては実物を見て精度チェックした上で購入した方が良いと思います.私は足が75㎜まで開くものを使用していますが足がこの程度開けば特に支障はありません.
6.ノギス・・・直接罫書き作業には使用しませんが,寸法の測定時にあると便利です.
このほかにマーキング用の油性ペンが必要です.

・罫書き
工具が揃ったら真鍮版上への罫書きを行います.まずペーパー車体と異なるのは罫書きは裏側(曲げた時に内側になる面)に行うということです.左右の側板の窓配置が異なる車両でここを間違えると完成時に表面に罫書線(傷)が残りますのでこの時点でGAME OVER,作り直しです(傷をある程度許容すれば継続可能ですが).
私は車体には厚さ0.3㎜,幅100㎜の真鍮版を使用しています.私が幅100㎜の真鍮板を用いるのには理由があり,それは小型のスコヤで罫書きを行うためです.具体的にはまず真鍮版の長手方向に中心線を引き,その中心線上に窓寸法を罫書き,左右の窓の天地方向の罫書きは並行度が保証されたエッジにスコヤを当てて片側ずつその中心線に罫書いたマークを基準に行います.このような方法を採用した理由は片側の辺からの白湯の側板への罫書きは大型のスコヤが必要で取り扱いにくく,万一エッジの突き当て面にゴミがあったり押し付け時にわずかな隙間が開いていたりすると基準から遠いところの誤差が大きくなるためです.この方法で今回製作したキハ52の罫書きが終了したものが下の写真です.

罫書きが終了した側板

・マーキングの方法
図面の寸法をでバイダーに設定し,それを真鍮板上にマーキングしていく手順については少し検討の余地があります.先ほど自分が作るので図面はいらないと言いましたが,この段階でマーキングの際に誤差が累積しない方法を少し考える必要があります.罫書きにおいてスケールからデバイダーに寸法を移しとる際,デバイダーを用いて真鍮版上に位置をマーキングする際,マーキングに従って罫書き線を引く際には必ずなんらかの誤差が生じます.例えば全ての位置を端面を基準に積算寸法で各部をマーキングしていくと,誤差の累積で少し離れた同じ大きさの窓の幅が微妙に異なるというようなことも発生します.また車体幅全長を同一の基準からマークすることは実質不可能であるためどこかの位置で基準点を移動する必要があります.これらを勘案して上記のキハ52の場合私は以下の方法で罫書きを行いました.要点は同一寸法の部分は寸法をデバイダーに設定する作業を極力一回としてばらつきを防止することです.
1.左右の端面から客用ドアの端面側をまでの寸法をデバイダーに設定してマーキングする
2.1を基準にドア幅をデバイダーに設定してマーキングする
3.客用ドアからサッシ窓までの寸法をデバイダーに設定してマーキングする
4.サッシ窓幅+窓柱幅をデバイダーに設定してマーキングする
5.4を基準に窓幅をデバイダーに設定してマーキングする
6.Hゴムで支持されている窓部分の寸法をデバイダーに設定してマーキングする
ただ,恥ずかしながら上の写真のように設定を間違えて修正が必要になってしまいました.この修正の場合は間違った線を同一基準で明確に訂正しておくことが重要です.切断時に間違った罫書き線で窓抜きを行うとこの時点で車体は修復不可能となりGAME OVERになります.
実は私は妻板(前面)を製作する段階で曲げの基準として引いた罫書き線と運転室窓の罫書き線を間違えて窓を抜いてしまい,作り直しています.そのため2回目に製作した際は窓位置にXを罫書きました.修正の場合には上の写真のようにマジックペンを使用するよりはこの方が確実で,間違いを避けるため窓には全てX印をつけておいた方が良いかもわかりません.

罫書き線(窓の位置)の誤認対策の例.

なお,話が前後してしまいますが側板の罫書きにあたっては事前に車体断面形状と同じ板を製作し,側板の幅を算出しておくことが必要です.

側板幅を算出するために製作した部品

・罫書き線の引き方について
中心線上にデバイダーでマーキングした位置は罫書き針の先端の感触でわかりますのでその地点からスコヤにケガき針先端を押し当てて線を引きます.線は罫書き針を強く押し当てると溝幅が広くなりますので正確な位置を表すためには弱く当てた方が望ましいのですが,あまり弱い(傷が浅い)と切断時に罫書き線が目立たなくなります.切断時に罫書き線を見失い鋸刃が罫書き線の外側にはみ出すとこれも即修復不能な失敗になりますので,私は傷を浅くするより,線の太さが一定になるように一定の力で罫書き線を引いています.そして切断後に罫書き線に沿って他擦りがけを行う際,その傷の太さが極力一定となるようにヤスリがけを行っています.なお,前回窓周りについているテーパーの話をしましたが,実物の形式図も模型設計図もこのテーパーは無視して寸法が表示されているので罫書きの際はこのテーパーを気にすることはありません.

以上,今回私が行った罫書きの工程を側板を例に紹介させていただきました.この罫書き工程は罫書き面(曲げた際内側になる面に罫書きを行う)さえ間違えなければ致命的な失敗をすることはまずありませんが,間違った線の訂正方法や折り曲げ基準線と窓輪線の混同防止等,後工程での致命的な失敗を防ぐための対策は確実に行っておくことが必要です.

次回は窓抜き作業を紹介します.最後までお読みいただきありがとうございました.

レイアウトセクションの製作:蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(14) -アクセサリの製作(3:柵)-

前回の電柱に続いて今回は機関区(鉄道用地)の境界にある柵(フェンス)を紹介します. 前回の電柱と同様に柵はレイアウト全体に配置されるのでレイアウト全体のイメージを左右する重要なアクセサリです. 柵はレイアウト全体の比較的長い距離にわたって設けられるため鑑賞時には常に視界に入りますのでレイアウト全体のイメージに与える影響は電柱以上に大きいかもわかりません.
<プロトタイプの選定>
鉄道用地とそれ以外の土地の境界に設けられる柵にはいろいろなタイプがありますが、私のイメージでは蒸気機関車時代の柵は枕木を並べたものが多かったような気がします. このタイプの柵は1980年代はじめまでは(国鉄民営化の頃までは?)首都圏をはじめとして各地に見られました。

線路脇に設けられた枕木製の柵の例

その他の柵ではチャンネル状の鉄柱と棒を組み合わせたものや金網のフェンスなども使用されていた記憶がありますが近年でも見られるコンクリートの角柱と平板を組み合わせたものは少なくとも蒸気機関車が活躍している線区ではあまり見かけなかったと記憶しています.
今回のレイアウトセクションは北海道の機関区をイメージしていますのでこの柵を製作するにあたり北海道特有のものがあるか(あったか)を調べてみたのですがあまり参考になる情報は見つけられませんでした. あるとすれば積雪時に柵にあまり雪の重さがかからないものが選ばれているような気がするのですが, 北海道の雪はサラサラで柵にそれほど付着するとも思えず, それ以前に北海道, 特に大都市から離れた地域では機関区の周囲全体を囲む柵自体があまり設置されていなかったような気もします. とは言っても機関区の境界に柵を設けて施設内と施設外を明確にした方が視覚的にメリハリが出るため 今回は機関区の周囲に枕木を使用した柵を設けることとしました. 一年の半分近くの間雪にさらされる(特には雪の中に埋まってしまう場合もある)北海道でこのような木製の柵はあまり適さないのではないかという気もしましたがサビで腐食する鉄製の柵よりは良いのかもわかりません.
枕木を使用した柵のパターンとしては何種類かあるようですがそれを列挙すると (1) 上の写真のように枕木のピッチを狭くして人の立ち入りを防止したもの, (2)(1)の上部を水平方向に設けた枕木で固定して傾きを防止したもの, (3)枕木のピッチを広げて間に鉄の帯板を渡したもの 等があります. この中では一番簡単にできそうなのは枕木の本数が少なくて済む(3)ですが, 私の枕木を用いた柵のイメージは(1)ですので今回はこのタイプで製作することとしました. (1)の製作法を確立すれば実際に一部に設置してみてイメージに合わなかったら(2)や(3)への変更も容易に可能です.
製作にあたりまず枕木の実物寸法を調べてみると枕木の標準的な寸法は200㎜×140㎜×2100㎜であり, 1/80に換算すると2.5㎜x1.75㎜x26㎜となります. 私のイメージでは枕木の断面は正方形のような気がしていたのですが, 調べてみると枕木には橋梁用の枕木というものがありこちらは断面が正方形のようです. 枕木の全体形状という意味では普段こちらの方が見慣れているせいか, 私のイメージとしては枕木は断面が正方形ですので、今回制作する枕木柵の断面は正方形としました.
<製作手順>
素材は実物と同じ木製で製作しますが, 断面形状をスケールどおりとすると断面は2.5×2.5㎜となります. しかし市販されている檜角棒の規格品に2.5㎜角の角材はなく, あるのは2㎜角または3㎜角になります. 最初に思いつくのは3㎜角の角材を2.5ミリ角に削ることですが何分数が多い(角材の必要長が長い)ため, 手作業で均一に削ることは結構難しいと思われます. そこで今回は2㎜角の角材に厚0.5㎜の帯板を重ねて製作することとしました. この貼り重ね用の角棒は既成の0.5×5㎜の檜角棒(帯板?)を用意し, 下の写真位示すようにまず帯板を2㎜角棒の1面に接着し, カッターナイフで切断後隣接する面にも帯材を貼り付け, 貼り付け後サンドペーパーで仕上げることで2.5㎜角の角材を製作しました. 仕上げ時には多少角に丸みがついたり太さが変化してしまいますが, 正確に仕上げることよりも多少不均一であった方が実感的であるような気もします.

柵に使用する角材は2ミリ角の角棒と0.5ミリ厚の帯板を木工用ボンドで接着して製作しました.

柵の高さは17.5㎜としました。この高さは実物換算で1.45mです。実物の高さは不明ですが自身の記憶や写真から柵の先端は概ね顔の高さにあるという印象がありますので大体この程度の高さではないかと思い決定しました. 枕木の長さが2.1mですので地中には0.65m埋められていることになりますがこれは枕木長さの約1/3位となり, まあ妥当な(少なくともすぐには倒れない)量ではないかと思います. 切断には写真のようなジグを作成し4方向からカッターナイフで直角に切り込みを入た後切断しました.

角材はジグにより4方向から切り込みを入れて切断面を直角に切断します

切断後, 丈夫に面取りをつけました. この面取りの量はいろいろあるようですが少なすぎると遠くから見たときに目立たなくなるような気がしましたので少し量を多めにつけて先端を細目に仕上げました.

完成した柵の単体です

上部の面取りがつけ終わったら底部に取り付け用の真鍮線を埋め込みます. 真鍮線はφ0.7m㎜を用いています. ドリルで穴を開けて真鍮線の先端にゼリー上瞬間接着剤を塗布したのち穴の差し込み固定します. この後真鍮線を切断しますがこの際注意することは真鍮線を長めにしておくことです. ベース上にはプラスターの層が数ミリありますのでそのプラスター層を貫通してベースに達する長さにしておかないと固定後に柵に少し力を加えると柵がプラスターごと剥がれてしまうので注意が必要です.

完成した柵単体に取り付け用の真鍮線を取り付けます.

以上で柵単体は完成ですのでこの柵をレイアウトに取り付けていきます. 塗装は取り付け後に行うこととしました. . その理由は事前に塗装をしても取り付けの際穴を開けて差し込みむので穴あけ時にプラスターの粉が出て地面位付着するためどうしても柵を取り付けた後に地面の塗装(タッチアップ)が必要になること, 多くの”枕木”がレイアウトの長手方向全体に並びますので地面と異なる色とすると目立ちすぎる可能性があるため最終的には地面とほぼ同色とした方が良いと考えわざわざ取り付け前に手間をかけて一本ずつ塗装をする必要はないと判断したためです.地面に開ける 取り付け用の穴はピンバイスで開けますが取り付ける柵自体に太さのばらつきがあるため穴のピッチはそれほど厳密である必要はなくかえって正確に穴あけすると太さの違いが目立つような気もしましたのである意味現物合わせ, 具体的には1箇所穴あけして取り付けたのちその枕木とピンバイスのチャックが接触する位置に隣の取り付け穴を開けて枕木を取り付けていくという方法としました. 私が使用したピンバイスのチャックの直径が7㎜でしたでこれで取り付け穴のピッチは4.75㎜となり計算長の柵と柵の隙間は2.25㎜となりますが隣の柵とチャックは密着しませんので結果的に隙間はもう少し広くなり見た目柵の太さと隙間がほぼ同一寸法となります. なお, 角材に取り付けた真鍮線は必ずしも柵(角材)の中心に正確に位置しているわけではないので取り付けの際柵を回してピッチ(柵と柵の隙間)を微調整することが可能です. このような方法により柵を固定した写真が下記になります. ちなみのこのレイアウトで使用した柵は全部で244本でした.

レイアウト上への取り付けが終わった柵

取り付けが終了したら柵の着色を行います. 色は地面より少し明るめに茶色としました. 塗装は筆塗りで塗装後には地面を含めて再度塗装を行いますので特にマスキングはせず地面へのはみ出しは気にせず行いました. ただし下の写真のようにベースの縁に取り付けられた柵を塗装する時にはベースの塗装にはみ出さないようにマスキングテープでマスキングをを行います.

レリアウト上に取り付けた柵をエナメル系の塗料で塗装します

柵の塗装が終了したらエアーブラシで地面色を柵の根元に吹き付けます. 上の写真のように柵の周辺には取り付け穴を開けた時のプラスターの粉が残っており柵と掃除の塗料のはみ出しもありますのでまずこれらが目立たないように吹き付けます. 上述のように地面と柵はほぼ同色としますので吹き付けの際はテープでのマスキングはせずに厚手の紙で柵の上部を隠しながら吹き付けを行いました(当然建物は全て取り外します)そして根本部の白粉と柵の塗料のはみ出しが目立たなくなったらマスキング用の厚紙は使用せずに柵と地面が一体となるよう地面色を柵全体に吹き付け完成とします. この際塗膜を厚くしすぎると柵と地面が完全な同色になってしまいますので柵に事前に柵に塗った色と柵と地面の間にわずかな色調の差が出るように塗料の量(吹き付け時のガンの速度や回数)を調整することが肝要です.

柵単体への塗装が終了したら柵全体に地面色を吹き付けて色調を調整します.

以上で柵が完成しました. 次回からは所謂”小物”と呼ばれるアクセサリを紹介していきたいと思います. 最後までお読みいただきありがとうございました.

柵が完成したレイアウトの写真です.

鉄道趣味を50年続けて思うこと(5) ~Prototype Modeling~

昔から夏は鉄道模型シーズンではないと言われています.確かにエアコンが普及していない時代には暑い夏(と言っても昔は今ほど暑くありませんでしたが)に集中力が必要な細かい工作はあまりやる気になりませんし, 汗をかきながら動いている車両をじっくり眺める気にもなりませんでした.ただ現在の私は仕事をリタイアし, 会社の夏休みに合わせて混雑している場所に出かける必要もなければ子供をどこか旅行に連れて行く必要もありません. 家にはエアコンもあり, 昼間は暑すぎるためどこへも出かける気にならず涼しい家にいる時間が比較的多くなっています. それにもかかわらず模型を製作する気にならないのは単なる昔からの習慣でしょうか?

ということで模型の製作は一時休業で, 涼しい部屋の中で読書などをして過ごしています.
読書は以前読んだ小説を改めて読んだりしていたのですが, 最初に日常読んでいる鉄道模型関係の雑誌に興味深い記事がありましたので紹介してみたいと思います. 


ModelRailroader誌の9月号には米国カリフォルニア州にあるTehachapi Loopを再現したレイアウトが紹介されていました. このレイアウトは72x128feet(22×38.5m)のスペースに設置された複層式のレイアウトで,線路の総延長は1800feet(548m)に及びます, この長さは実物に換算すると実に47kmになり, このレイアウトを列車が走破するのには約1時間かかるそうです. 日本でループ線のある上越線清水峠の水上・越後湯沢間は約35kmで所要時間は約40分ですので, 清水峠をそのまま1/80に縮小したレイアウトを製作しようとするとこのレイアウトにほぼ匹敵するイメージになるのではないかと思います. このレイアウトは個人所有ではなく博物館に設置されたレイアウトで, 現在の姿になるまでには長い期間がかかったようですが現在は製作に携わった地元の鉄道模型クラブが運行しいます. 線路長が実物を縮小した長さであるため運転は過去に実在したダイヤで実時間による運転が行われているようです. 欧米では保存鉄道を愛好家が運転している例はメディア等でも数多く紹介されていますが, これはその鉄道模型版といったところでしょうか. 現在レイアウトはDCC化されているようですが運転には最大35名以上の人員が必要であるということで, 展示施設内のレイアウトですから好きな時に運転というわけにもいかないと思われますのでクラブは運営面でもきちんとしたマネジメントが必要になると思いますし, メンバーがこのような運転を整然と行なっていることもある意味すごいことであると感じます.
一方別の記事では実物の写真をベースとして製作したペンシルバニア州Port Royalの駅とその隣にかかる橋の写真から製作したレイアウト(ジオラマ?)が紹介されていました. この記事にはProototype Photoをベースとしたモデルがあったらその写真を実物の写真とともに投稿してほしいという編集部のコメントもついています.最近日本の鉄道模型雑誌では実物をの一部をそのまま縮小したようなレイアウト(ジオラマ)の記事が多数発表されていますが, 前者のTehachapi Loopを再現したレイアウトは別として, ある程度大きなスペースがあっても実物をそのままスケールダウンした風景をレイアウトに組み入れて運転を楽しむのは結構難しいと思われ, 列車を運転することが主流の米国では日本のように実物を縮小して再現したレイアウトセクションの製作はあまり行われていないと思っていましたので, 最初にこの記事と編集部のコメントを読んだ時は少し意外な感じがしました.
一方, 同誌の10月号には米国鉄道模型界の重鎮の一人, Tony Koester氏のコラム記事 ”Train of the thought” にPrototype Modelingについての記事が掲載されていました. この記事では実際の情景をレイアウトの中にどのように取り入れるべきかということが実例を交えて述べられおり, その内容は
・ プロトタイプ モデリングの目的は, 特定の場所の特定の時間における外観と雰囲気を再現することである
・プロトタイプ モデリングによるレイアウト製作においては上記のような場所を複数組み合わせて全体を一つの鉄道にまとめていくことが必要である.
・プロトタイプモデリングはその場所や線路配置をそのままスケールダウンする必要はないが, Prototypeの何を表現するかをよく考えること. その際にある程度の妥協は必要ではあるが, 再現したいシーンの本質を捉えて安易な妥協はせず, 鑑賞者ににもその場所や時代を感じてもらうことが必要である.
といったような内容でした.そして実際に同じ場所を複数のモデラーがどのように実物の情景をアレンジしてレイアウト上に再現したかが解説されていました.

上に記載したModelRailroader誌の記事

私がこの記事を読んで感じたのはここでTony Koester氏が述べていることは,以前このブログでもよく話題にした故・中尾豊氏の ”鉄道模型の造形的考察の一断面” のレイアウト版ではないかということです. 中尾氏の論じている対象は車両を模型化する際に車両が「実感的」であるための視点であり対象はレイアウトではありませんが, スペースの限られたレイアウトに実物の風景を再現しで実感を得るためにはこの記事とは別のアプローチが必要で, それが上記の記事の言葉に要約されているように感じました. この記事を読んで改めて9月号のPort Royalの駅の記事を見ると編集部のコメントは決して実物写真をそのまま再現したレイアウトの写真を募集しているのではなく, この記事のような形で製作したレイアウトとそのベースとなった写真を求めているのではないと気がづきました. 

車両はその実感を求めるためにその一部をデフォルメする事はあっても, 通常一部分のみスケールを大きく崩すということは行いません. しかしレイアウトの場合にはスペースのみならずカーブ半径ひとつとってもスケール通りに製作できないという根本的な矛盾を抱えており, これは上記のTehachapi Loopを再現したレイアウトでも同じです. そのため実物の風景を「実感的に」再現する場合には実物を構成している要素を分解して再構築するという 車両の模型化とは異なる結構創造的な作業が必要になります. そして私はそこがレイアウト製作の醍醐味であるという気もします. もちろん私は実物の風景をそのまま再現したレイアウト(ジオラマ)を製作する楽しさを否定するものではありませんが, 運転という観点では何かと制約が大きいように感じます. ジオラマの前後にエンドレスの線路をつなげて車両を周回させるだけでは運転は単調になりますし, 駅や機関区のセクションを実物通りの線路配置で製作しても駅に発着する列車や機関区に入出区したり機関区内を転線する機関車の運転操作は結構煩雑な作業になり動いている列車を鑑賞する余裕はありません. そのようなレイアウトセクションで列車が発着する風景をゆっくり鑑賞しようとするとDCCによる自動運転が必要になりますが, 自動運転である程度以上規模の大きな駅や機関区に出入りする複数の列車(機関車)を運転しようとすると, 列車(機関車)交換のためには結構大掛かりなStaging Yardをレイアウトに接続する必要があり, プログラミングも非常に複雑になると思われます. このように実物の一部をそのまま再現したレイアウト上で車両の動きをじっくり鑑賞しようとするとするとなるとそこには運転操作という面で色々な課題があると感じます.

ドイツの駅舎の写真からInspireされて製作したDCC(Märklin digital)による自動運転を導入したレイアウト”終着駅Großfurra”

最後に鉄道関係以外で読んだの本の話にも触れたいと思います. 今回は音楽と同様過去に読んだ小説を読み直してみました. 夏目漱石や川端康成の小説は20−30代の頃よく読んでいましたが, この年になって読み返すとその後人生経験を積んだせいか, また違った気づきがあり面白く読むことができました. また今回宮沢賢治の童話やサン=テグジュベリの ”星の王子様” も読んでみたのですがこのような童話でも昔読んだ時とはまた違った感覚を味わうことができました. 宮沢賢治の童話は銀河鉄道の夜や注文の多い料理店等が有名ですが, それ以外にも数多くの童話があり中にはこの年になって一読しても正直何を言いたいのかよくわからないものもありました. ただ氏の童話では童話の幻想的な世界と現実の世界を結びつけるものとして鉄道の音や光が効果的に使われているような気がします. また作品の中には ”シグナルとシグナレス” のように実際の鉄道から着想した作品もあります. 氏の経歴を見るとどちらかというと理系寄りの方のようですので鉄道には車両以外のシステムも含めて結構関心があったのかもしれず, そこからの着想がいろいろあったのかもわかりません. そしてもしかしてこれらの童話をじっくり読み込むと宮沢賢治の童話の世界をモチーフとしたレイアウトも製作できるのではないかとも感じました. また, このブログでは私が製作した北海道で活躍した車両や北海道をイメージした機関区を紹介していますが, 例えば北海道の出身である三浦綾子氏の小説「天北原野」は鉄道は出てこないものの当時の北海道の自然の厳しさとそこで暮らす人々の営みが描かれていますし, 「塩狩峠」は実際にあった鉄道事故をモチーフとした小説です. 北海道を訪れて初めて宗谷本線や天北線に乗った際には外の景色を見ていると思わずこれらの小説を思い出しました. 北海道をテーマとした車両やレイアウトを製作した際には実物の鉄道の資料を集めるだけではなくこのような小説を読むことは北海道の自然の風景や鉄道のイメージと共にそこで生活している人々を想像することにも繋がり, それがレイアウトのイメージを構築する時に何らかの影響を与えるような気もします.

海道の機関区をイメージして製作中のレイアウトセクション

以上、取り止めのないことを書いてしまいましたが最後までお読みいただきありがとうございました. やっと涼しくなってましたのでそろそろまた模型の製作を再開したいと思います。

レイアウトセクションの製作:蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(11) -機関区の建物(事務所・詰所等)-

今まで3回にわたって機関区にあるストラクチャーを紹介してきましたが、それらは全て蒸機機関車や気動車を動かすやめに水や燃料を補給するという機関区でいわば動力車とのインターフェースとなるストラクチャー(建物)でした。今回からはそれ以外の機関区にある事務所等のストラクチャー(建物)を紹介したいと思います。

建物を配置して細部仕上途中のレイアウト.

機関区にある建造物の実例を交えた解説は1980年代に機芸出版社から発行された”シーナリーガイド”や”シーナリー・ストラクチャーガイド”に詳しく解説されています。そこには各地の機関区の実例が多数紹介されていますが、それらの記事の中から機関区にある建物を列挙すると概ね以下のとおりです。
機関区事務所
乗務員詰所
線路班詰所
風呂場
外勤事務所
用品事務室
燃料係室
油庫
用品倉庫
蒸気機関車が活躍していた時代、これらの建物は大体が平屋建てで、線路の周囲に並んでいることが一般的でした。国鉄の機関区に小さな建物が多数あるのは一説によると縦割り組織であった国鉄がその組織ごとに建物を建設したからであると言われています。真偽のほどはわかりませんがそのような観点で建物の種類(名称)を見ると確かにそのような気もします。これらの建物は無煙化後も1980年ごろまでは各地で見ることができましたが、中には窓がアルミサッシ化されたり、屋根が葺き替えられている建物もありました。

奥羽本線赤湯駅の構内風景
山形駅に隣接する奥羽本線山形客貨車区の建物. 屋根はスレート葺きに改修されているようです。

それでは以下、建物の構想から完成までのプロセスを紹介させていただきます。
まず最初にどのような建物を製作するかを決定します。製作にあたり参考とした上記の”シーナリー・ガイド”には機関区と機関支区と駐泊所の差は敷地にある建物の数の差でわかるというような記載がありますが、これは感覚的には”言い得て妙”ではないかと感じます。この言葉に従えば機関区と称するためにはある程度以上の数の建物が必要ということになりますがレイアウトは当然?実際のスペースよりはかなり小さいため建物に数には限界があります。またあまり建物の数を増やすと狭苦しい印象となり、北海道の機関区の印象を損ねる気がします。そこでまずは製作する建物を仮決めし、モックアップ等で検討しながら実際に製作する建物を決めていくこととしました。その際最初に選択した建物は
機関区事務所
乗務員詰所
線路班詰所
風呂場
用品倉庫
です。まずは写真等の資料や過去の記憶を頼りにこれらの建物の方眼紙に建物の外観のラフスケッチを描きます。下の写真はこの時位製作した線路班詰所と用品倉庫のラフスケッチです。

最初に作成した建物のラフスケッチです. 最終的に製作した形状とは異なるところがあります.

これらの建物は実際にラフスケッチを描いてみるとは細かい差異はあれ全て木造下見板張りのトタン葺きで皆同じような外観になってしまいます。したがってこれらの建物を限られたスペースに並べると印象が少し単調になってしまうのではないかという気がしました。そこで変化をつけるため乗務員詰所と風呂場は間にトイレを挟んで建物を一体化してみることとしました。このような実例があるかどうかはわかりませんが、寒冷地で積雪の多い地域の機関区ではこのような構造もアリではないかと考えた次第です。この辺り、模型の世界では合理性がありそれらしければ(理由を説明できれば)あまり実物通りの形態にとらわれる必要はないのではと思っています。また上記書籍の解説によれば、北海道の建物では入り口に破風がある建物が多いとあり、実際の建物を見ても確かにそのような印象がありましたので原則入り口には破風を設けてあります。

乗務員詰所とトイレと風呂場を一体化した建物のラフスケッチです. こちらも入り口の位置等, 製作し建物とは異なる部分があります.

建物のアウトラインが決定したらケント紙でモックアップを作成し実際にレイアウト上に並べてイメージを確認します。

ケント紙で製作した建物のモックアップで建物の位置を検討しているところです.

建物はレイアウトを置いた時の壁側に並べ、手前側は機関区事務所のみとして車両を鑑賞する際の視線の邪魔にならないように配慮しました。なお、実際にモックアップで検討してみると乗務員詰所と線路班詰所の間のスペースが広すぎるように感じましたので、その空いたスペースに油庫を追加しました。決定した建物の配置を下図に示します。

今回配置を決定した建物を水色で示します. ()で示したのは紹介済みの建物です.

建物の大きさと配置が決まったら図面を作成しますが、今回は少し手抜きをして全ての建物の図面は作成していません。一般的に日本家屋は基本寸法が決まっており、窓や扉の大きさも建物による差はありません。そこでまず機芸出版社発行の”レイアウト・テクニック”に掲載されている各種記事を参考にして機関区事務所のみ”真面目に”図面を作成し、その図面で扉や窓の基本寸法、窓枠に使用する檜角材等の寸法を決めることにより、その他の建物の図面御作成は省略しました。基本寸法を決めたのは窓枠に使用する材料、建物への入口とその入口に接する半間の窓、建物の門部で接する窓部の構造、窓が連続する部分の構造等です。

細部の寸法を検討するために作成した機関区事務所の図面です. 既成の檜角材の寸法を考慮しながら細部の寸法を決めました(鉛筆で書いた部分です).

⚫︎建物の外観
設計が終わったら製作に入りますが、製作手順は今まで紹介してきた建物とほぼ同一ですので今回は完成した建物を写真で紹介させていただきます。
まずは上の図面に基づき製作した機関区事務所で、この機関区の中では一番大きな建物です。L字形状として一端に張出部(トイレを想定)を設けました。壁面はSTウッドを使用した下見板貼りで窓枠と扉は自作品です。トイレには昔よく見かけた風で回転する排気煙突を取り付けようと考えていましたが、構造が複雑で製作方法を思案中です。屋根の台形煙突はエコーモデル製のパーツを使用しました。

機関区事務所の窓枠の色は茶色にしました. 手前側の屋根の煙突はエコーモデルのパーツ(#254:台型煙突)です.

モックアップによる検討で追加した油庫はコンクリート製の建物としました。屋根はプラ製の波板(Kibri製#34143:Corrugated Metal)を使用しています。

油庫は給油小屋ど同様Drawing Inkでウエザリングしてあります。また給油小屋同様各種表示を貼り付けました.
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レイアウトセクションの製作:蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(5) -コントロールボードの製作と電気配線-

前回の記事で記載したように、私は30年ほど前にアナログ制御のZゲージレイアウトを製作した後は 3線式(Märklin)のDigital制御のHOゲージレイアウトを製作してきたため、線路敷設後の試運転時にも車両の走行性の確実な確認のためには配線、特に分岐器絶縁フログ部の極性を分岐器の切り替え方向に応じて切り替えることが必要ということを失念していました。そこで確実な試運転のために急遽コントロールボードを製作することにしたのですが、この時点ではアナログ制御時の運転方法について具体的な構想や設計をあまり真剣に考えていなかったというのが正直なところです。

レイアウトの台枠部分に設けたコントロールボード.

今回このレイアウトが完成したとしてもその時点での手持ちの日本型蒸機はアナログ制御の車両のみであり、しばらくの間はアナログ制御で運転します。現状では日本でデジタル制御が米国や欧州のような形で普及する見込みは全く立ちませんのでアナログ制御による運転方法も一時凌ぎではなく「真面目に」検討しなくてはなりません。また、現在手持ちの車両を将来も運転するためアナログ制御とデジタル制御を切り替え可能にするとともに最終的にはDCCに制御による自動運転にも対応できるようにしたいところです。実はこのレイアウトの構想時にはどちらかというといつ実現できるかわからないにもかかわらず頭の中ではDCC制御のことばかり考えており、そのために行うことは非選択式の分岐器を用いて一つのフィーダーでレイアウト全体に給電すること、自動運転に必要なフィードバックモジュールによる在線検知にS88プロトコルを使用する場合は検知にアナログ制御時の機関車留置用のギャップ(ブロック)を利用する(よってDCC制御による自動運転のためにに特別の加工は不要)という程度のことしか考えていませんでした。
レイアウトのコントロール方法は70年台のTMS誌には比較的高頻度で掲載されており、私もZゲージのレイアウトを製作した時に大いに参考にしたのですが、最近はまったくみかけません。今回も復習したのは50年以上まえの当時の記事です。レイアウトのコントロール方式には大きくブロックコントロール、キャブコントロール、デュアルキャブコントロールがありますが、方式の決定にあたってはまずこのレイアウトセクション上で同時に何台の車両を動かすかを決める必要がありますが、今回以下の理由によりレイアウト上で動かす車両は1台のみとしました。私は過去、ほぼ同一の線路配置でDCC制御(Märklin Dogotal)のレイアウトセクションを作成しましたが、このレイアウトはDCC制御ですので理論上は機関車を何台置いても個別に制御が可能です。私が製作したこのレイアウトセクションに接続したコマンドステーション(Central Station3)は、スロットルの数は2台ありますので実質的にレイアウト上で制御できる機関車の台数は2台となります。ただ、実際に運転してみるとこの規模のレイアウトセクションで一人で2台の機関車を制御するのは至難の技です。2台の機関車を制御しようとした場合、この線路配置では1台は機関庫側での機関車の転線、もう一台は整備線側での整備(給水、給砂、給炭、石炭柄の排出)と留置線への移動になります。ただこの制御を一人で行おうとすると作業が非常に煩雑で機関車の動きを鑑賞するどころではなくなります。それでも今回のレイアウトではコントローラーを2台接続できるようにしておくこともできますが、上記の経験からそれも不要と考え、このレイアウトで一度に制御できる車両の数は1台としました。そうするとキャブは1台になりますのでコントロール方式は必然的にブロックコントロール方式となります。ギャップについては今回のレイアウトは非選択式の分岐器を使用していますのでショート防止のためのギャップは不要で常時通電するブロックへのフィーダーは1箇所でOKですす。そうすると次の要検討項目は絶縁されているフログへの給電となります。当初、この極性切り替えには当初PECOやの極性切り替えスイッチ(PL-25)を使用する予定でした。ただ、どういうわけかドイツの模型店ではこのスイッチが品切れで今回は入手不可能でした。このスイッチはポイントマシンのアクチュエータで動作するスライドスイッチで、ポイントマシンの分機器の反対側に装着する構造です(そのためにポイントマシンのアクチュエータは分岐器の逆側のソレノイドの下部に突出しています)。そのため比較的簡単に後からでも追加することが可能ですし、入手不能の場合は自作も可能ではないかと考え、検討を先送りしていました。しかし、コントロールボードを製作するためにはこの切り替え方法をこの段階で決定しなければなりません。今回使用したPECO製のポイントマシンの動作力は比較的強力ですので自動切り替えスイッチは燐青銅線やバネ等で比較的簡単に自作できそうです。ただ考えてみるとフログの極性を自動的に切り替える必要があるのは自動運転の場合だけで、自動運転を行わない場合はDCC制御での運転でも経路(分岐器の切り替え)は手動で行います。このため現時点ではフログ極性の自動切り替えは行わず、より信頼性が高い手動切り替えとしました。そしてその方法は、ポイントマシンの切り替えには両側モメンタリーのトグルスイッチを設け、フログの極性の切り替えはその近傍に設けた一般的なトグルスイッチで行うこととしました。そしてこれらのスイッチをコントロールボードの路線図上に設けることにより、分岐器切り替え時にはこの2個のスイッチの操作を連続して行ないます。この方式では切替作は2アクションとなりますがこの方法ではフログ極性の切り替えスイッチで分岐器の分岐方向を示すこともできます。コントロールボードは台枠の一部を切り欠いて設置しますが、上下の幅が狭いため、一つの経路頭上に分岐器切り替えスイッチとブロックへの給電スイッチは別の経路頭上の設けることとしました。そのほか、コントローラーは内蔵しませんので接続用のコネクタには手持ちのマイクコネクタを使用し、ポイントマシンへの給電用と照明等への給電用にはACアダプタをが接続できるDCジャックを設置しました。また、照明との給電をON /OFFできるトグルスイッチを設けてあります。照明用の電源は9VのACアダプタ、ポイントマシンの電源は12VのACアダプタを使用することとしました。

パネルの全体写真. 左側に分岐器切り替えスイッチ, 右側にブロック切り替えスイッチを配置. パワーパックの接続コネクタは手持ちのマイクコネクタ(7P)を使用していますが実際に使用しているのは2端子です.

コントロールパネル上で分岐器制御スイッチは路線図の分岐部に分岐方向切り替えスイッチ、その下流にフログ極性切り替えスイッチを設け、分岐器切り替え時にはまず分岐方向切り替えスイッチを切り替え方向に倒した後、フログ極性切り替えスイッチを動方向に倒してフログ極性を切り替えます。

この方法では分岐器の分岐方向をを切り替える際、2個のスイッチの操作が必要になります。私が以前製作したZゲージのレイアウトでも分岐器の切り替えは今回のレイアウトと同様、両側モメンタリーのトグルスイッチを使用していました。Zゲージの分岐器(Märklin製)は非選択式ですが構造上フログ部分に無電区間は殆んどなく、フログの極性切り替えは不要でったため、今回切り替え時に二つのスイッチを操作することは煩わしいのではと感じたのですが、実際に製作して操作してみると切替時は一連の操作になりますのでそれほど煩雑ではなく、またポイントの開通方向が目視でわかるということは意外と有益であることがわかりました。上記のZゲージ用分岐器やMärklinをはじめとした欧州製の分岐器にはスプリングポイント機能があり、分岐器の分岐側からは分岐器の開通方向に関わらず車両の侵入が可能ですが、今回使用したPECO製の分岐器はポイントレール側にロック機構があるためスプリングポイント機能がありませんので、車両を分岐側から分岐器に侵入する際も分岐器が侵入する分岐側に切り替わっていることの確認が必要です。これは分岐器を目視でチェックすればわかるのですが、運転する位置によっては建物等に隠れて開通方向が見にくい場合もありますので分岐機の開通方向がわかる今回の方式は操作は面倒ですが意外と便利であることがわかりました。
コントロールパネルの製作はまず2㎜厚のPET板より本体を作り、Letra Line Tape 製作した路線図ので所定位置に使用するパーツに応じた取り付け穴を開けてパーツを固定することにより行いました。Letra Line Tapeは30年近く前にZゲージレイアウトのコントロールパネルの路線図作成用に購入したものですが、今回問題なく使用できました。余談ですが、今回使用したトグルスイッチは秋葉原のパーツ店で1個¥100程度で入手できます。約30年前、Zゲージのレイアウトを製作した際はこの種のトグルスイッチは1個¥200-¥300であったような記憶があります。この種の部品は中国生産になった影響かもわかりませんが所詮模型用で信頼性はあまり問わないと割り切ればこの手の部品は当時よりかなり安価に入手できます。

パネルはパーツを取り付けたら台枠を切り欠いた取り付け部に固定して配線を開始します。配線にあたってはコントロールボードの近くに電源分配用の基盤を設け、そこからレイアウト各部に給電するようにしました。

コントロールボード近くに配置した配線用の基盤

基板はフィーダーN /フィーダーS/12V+/12V-/9V+/9V-の電源区画を設け、その区画ごとに各ホールを繋ぐ鈴メッキ線を半田付けし、さらに9V+の区画からはLED点灯用の1.5KΩの抵抗を介した端子(ホール)を設けました。そしてコントロールパネルのパワーパックとDCジャックからの電源をこの基板の各区画に接続し、そこからレイアウト各部に各部に配線していきます。なお、車両留置用のブロックからの配線は一方をこの基板に接続し、もう一方はコントロールパネルのブロックへの電源供給スイッチに直接接続してあります。レイアウトの各所からくるリード線は接続する電源区画のホールに半田付けしますが、その際、ホール上にあるスズメッキ線とともにハンダ付けけすることにより各電源と接続します。今まで製作してきたレイアウトでは端子台を使用する方法(Zゲージレイアウト・外国型機関区レイアウトセクション)、基板上に取り付けたターミナルブロックに取り付ける方法(自動運転を前提としたレイアウト)を採用してきましたが、配線は一度配線したら煩雑に取り外しすることはないので部品の削減(コストダウン)も兼ねてこのようなハンダ付けによる方法を採用しました。余談ですが、私が中学生の頃はこのようなスズメッキ線やリード線を使用したはんだ付け作業を学校の技術家庭科の授業でやった記憶がありますが、今はどうなのでしょうか。なお、コントロールボードのスイッチ周辺のような狭い範囲の配線には取り扱い製の面からスズメッキ線やビニール被覆の単線(捻り線ではない)を使用した方が簡単です。

配線用基板のアップ. 各電圧と極性のブロックを写真の縦方向に配置してあります. 各部からの配線は基板の各ホール部分にスズメッキ線とともにハンダ付けします.
基板には照明の一部にLEDを使用するため、9V+を供給するブロックに制限抵抗を介した端子を設けました.
各部からの配線は基板上の所定の電源区画にハンダ付けします.
レイアウトには電源供給用のBUS LINEは設けずに個々のブロックのコモン側の配線やポイントマシンへの配線は全て基板から配線しています。

なお、今回の車両留置用のブロックは両側のレールを絶縁して敷設し、片方のレール(Nフィーダー)からの配線をこの基板上でコモン化してあります。今回のレイアウトセクションはエンドレスを持ちませんのでどちら側のレールをNフィーダーとするかは一義的には決められませんので機関区側のフィーダーをNレールと定義してNコモンとして配線しました。配線が終了し、コントロールボードが完成したら試運転を行います。試運転はこのレイアウト上での運転を想定した手持ちの車両の中で最も終電用車輪のホィールベースが小さい車両(DT19を装備した気動車)と固定軸距が最も長い車両(D51)を主体に行って問題ないことを確認しました。試運転が終了したらレール側面と枕木の塗装を行いますが、この作業の紹介は次回にしたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。