Märklin CS3による自動運転を前提としたレイアウトセクション”終着駅Großfurra”の紹介(1):レイアウトの概要

このレイアウトセクションは以前15回にわたりこのブログで「自動運転を前提としたレイアウトセクション」として製作過程を紹介させていただいたメルクリンCS3による自動運担を前提としたレイアウトセクションです. この度 ”終着駅Großfurra”として一応の完成を見ましたので改めてその概要と自動運転プログラムの一例を紹介させて頂きます.

<レイアウトの概要>
このレイアウトセクションは以前このブログで紹介させていただいた機関区のジオラマ ”ALTENHOF機関区” の自動運転時の機関車の待機線線の部分に制作したレイアウトで,ALTENHOF機関区と対向する形で設置しています. その全体写真を下図に示します. 

手前が今回製作の”終着駅Großfurra”, 奥が”ALTENHOF機関区”

<線路配置>
今回のレイアウトは以前作成し、このブログでも紹介させていただいたジオラマ,”ALTENHOF機関区” の自動運転時の機関車の待機線線の部分を利用しています.その線路配置を下図に示します. このレイアウトでは図の上側2本の待機線は目隠しして下側の2本の待機線みを使用しています. 線路はメルクリンのKトラック,分岐器は#22715/#22716(Wide Radius Turnout)を使用しています.なお,一部の分岐器はFrog可動式の旧製品#2272/#2273も使用しています.

RailModeller Proで作図した線路.RailModeller ProはMAC用のアプリで欧米42種類のProduct Lineに対応

 下図はレイアウト全体写真上に線路配置を線で記入したものです. 黄色の部分が今回のレイアウトに使用した部分の線路, 水色の点線部分が目隠しした機関区の自動運転用の待機線, オレンジの部分が”ALTENHOF機関区”の線路で, 今回はこの機関区部分を自動運転用の車両待機線として使用します. 水色の部分はコの字型のBoxで目隠しし, 手前の壁に背景を作成, 上部は車両の展示台としてあります.

水色点線で示した部分は”終着駅Großfurra”の自動運転には使用しない

<制御装置>
このレイアウトはメルクリンデジタルシステムを使用していますのでコントローラーはMärklin Central Station3(CS3)です. なお, 写真右側のPCはCS3に接続した無線ルータを介してCS3と接続することのより, CS3のディスプレイ上の画像を表示させています.

CS3とPCの接続はPCのウェブブラウザにCS3に表示されるIPアドレスを入力する

自動制御用のデコーダーは分岐器制御用にm83デコーダー(#60832)を2台, Uncoupler動作用にm83(#60831)デコーダーを1台, 照明制御用にm 84デコーダー(#60842)を1台使用しています。また列車検出はLink S88(L88)デコーダー(#60883)1台で行なっています. 列車検出ポイントは機関区側を含め15箇所あり, 今回の自動運転ではそのうちの11箇所を使用しています. 写真右側の白いBoxはデジタル信号機のシグナルデコーダーです. これらのデコーダーはレイアウトの足の部分に設置しています(一部はベース板裏面にも設置しています).

<主な駅設備とストラクチャー>
主な駅の設備とストラクチャーを下図に示します. 建物は信号所にVollmerのキット(#5731)を用いた他は全てプラ板, ペーパー等を用いた自作です. 信号機は出発信号機が入れ替え作業許可現示を備えた4現示のHome Signal(#76494), 場内信号機が3現示のHome Signal(#76493)です. ホーム照明灯,  街灯等の電灯類はチップLEDを用いた自作品、建物の屋内照明は12Vの米粒球を電圧9Vで点灯させています.

レイアウトセクションnの駅舎側
レイアウトセクションnの機関区側

<自動運転用設備>
CS3の画面表示により自動運転用時に列車検出を行うコンタクトトラックの位置を下図に示します.

列車検出は在線時に両側のGNDレールの導通を検出するコンタクトトラック方式で行い, 検出地点は レイアウト全体に15箇所配置しています. また信号は4箇所, Uncouplerは3箇所に設置しています. なお, 今回の自動運転には線路が目隠しされている部分のC5,C6,C14,C15は使用しません. 今回の待機線には1本あたり2箇所のコンタクトトラックを設置していますがこれには停止位置を複数設けるという目的の他に待機線に進入した車両に停車前に各種動作コマンドを発効するという目的があります. このレイアウト製作前,機関区側の自動運転プログラムを作成したのですが,その際, 各線の終端部のみに機関車停止用のコンタクトトラックのみを配置しただけでは自動運転の際に,機関車が停車する直前まで汽笛吹鳴等の動作ができず運転が単調になりがちであるということがわかったため,この反省に鑑みて今回は各引込線に複数個のコンタクトトラックを設置しました, いずれ機関区側にもコンタクトを増設したいと考えたおります. Link S88デコーダー1台に接続できるコンタクトトラックの数は16箇所ですのでLink S88デコーダーは1台です. 今回のようにコンタクトトラックを複数個設けると必然的に走行電流のGRD側は片側車輪のみに接触になりますが,走行には全く支障はないようです. 実際に走行させてみるとむしろ終電不良はセンターレールの錆, センターレール上をスライドする車両の集電シューに付着したゴミに起因することの方が多いように感じます. また, 分岐器やUncoupler部分でセンターレール上をスライドする集電シューは上下に移動してGNDレールやカプラー開放用アクチュエータを乗り越ますので分岐器やUncoupler Trackの設置の際には捩れ等が無いよう取り付けの正確さに対して細心の注意が必要です.

<各部の紹介 >
以下,写真を主体にレイアウトの各部をご紹介させて頂きます.

旅客ホーム側から見たGroßfurra駅の駅舎.プロトタイプはドイツ中部のデューリンゲン州農村地帯に実在する小駅です(終着駅ではありません). 建物は写真より寸法を割り出してプラバン,Evergreen社製の型材,ペーパー等で自作しました。屋根はVollmer製の屋根板, 表示類は主にPCでデータを作成し熱昇華型プリンタで出力したものです.
旅客ホームの反対側から見た駅舎です.  入口灯はチップLEDを用いた自作品. 入口ドアはキットの余剰品を使用しました.
待合室は屋根と柱の周囲に囲いを設けた構造でドイツでよく見かけるタイプ.です. Evergreen社製の型材とプラ板で自作しました. 設計にあたってはウエブサイト(http://www.railfaneurope.net)に掲載されている写真を参考にしました. ホームの擁壁はEvergreen社製の型材を所望の断面となる様に積層し,目止め後糸鋸で切り込みを入れたものです .
2番線ホーム横には小さな池を配置しました. 石垣は待合室部分を含めてKibriのZゲージ用を使用しています,池は底面を着色後Liquitex 社製 GROSS POLYMER MEDIUM を流し込んで水面を表現しました. 橋はEvergreen社製の型材で自作しました.
信号機は取り付けベースも含めて製品をそのまま使用しています. ホームの照明灯はチップLEDを用いた自作品です. 開放ランプのソレノイド部はホーム擁壁に切り欠きを入れて設置しました.
バス停は上屋を設けずベンチと表示のみとしました. ベンチはFaller, 柵はPreiserのパーツを使用しています.
大きい樹木はエナメル線で幹を製作、その先端にオランダフラワー(Busch製#6801)の枝をつけスポンジを塗して製作しました.その際葉となるスポンジは複数色を使用し陰影を表現しています. 小さい樹木の幹はオランダフラワーの枝をそのまま使用しています. その他の草はWoodland Scenicsのフォリッジを使用,花や草木はBusch,Noch社製の製品をドイツから輸入して使用しました. 日本メーカーの製品はNoch製と謳われているKATOが販売する製品も含め色が明るすぎる傾向があるため使用を避けています. この部分の柵類はFaller,Busch製のもので以前製作したレイアウトに使用した余剰品です.
貨物駅のホームと上屋は自作品. ホームはプラバンとkibri,Vollmer製の石垣板で自作しました,路面はFaller製の歩道用板を使用して製作,ホーム上屋はEvergreen社製の角材とプラバンで自作しました. 塗料は全てHumbrol製を使用しています.Humbrol製のエナメルは日本製の塗料に比較して取り扱い性には難がありますが質感は日本製塗料にはない独特の雰囲気があります.ホーム上の小物とフィギュアはPriser製です.
フォークリフトは乗員も含めてNoch製です,その他のフィギュアはPreiser製を使用しました.

以上,簡単ですがレイアウトの概要を紹介させていただきました.次回は自動運転プログラムの一例を紹介させていただきます.