約60年前に鉄道模型を始め、車両の製作を主体に楽しんできた私が同じ鉄道模型とはいえ、30年ほど前に全く異なる分野の外国型Zゲージレイアウト製作に『転向』した経緯と、広く普及しているHOゲージ、Nゲージより小さいサイズでいいかに『実感的なレイアウトを制作するか』ついての検討結果については過去の記事で紹介させていただきましたが、照明の追加等の改修作業が終了しましたので改めて今まで紹介していなかった部分も含めたレイアウトの全体を写真を主体に2回にわたり紹介させていただきたいと思います。第1回目はレイアウトの概要の紹介です。写真は全て55㎜のマクロレンズを使用してレイアウトの外側から撮影していますので、写真はこのレイアウトの運転中に見ているレイアウトの風景に近いのではないかと思います。今までのこのレイアウトに関する記事の中で、このレイアウトについて、When is your realism level good enough? というキーワードでZスケールという非常に縮尺比の大きい(小さい)レイアウトで、小さいが故に運転性能等の観点から一部オーバースケールで作られているメーカー製の車両、線路等のシステムと、手作りで製作する周囲の風景をいかにバランスよく実感的に(それらしく)製作するかにという観点で、色々理屈を述べてきましたが、その一つの結果がこれから紹介させていただく写真になります。写真で見ると各部に工作力不足による乱れが生じており、お恥ずかしい限りですがZゲージのレイアウトに興味のある方の何かの参考になれば幸いです。なお、一部に今までご紹介した写真や説明と重複した部分があること、ご了承ください。
前回の記事、”Zゲージレイアウトの改修(途中経過):照明のLED化と街路灯の追加”では市街地への街路等の追加に対する構想と実際の作業について紹介しましたが、その作業がほぼ終わりましたので今回その結果を報告させていただきたいと思います。 今回の改修では市街地に約80本の街路等を設置しましたが、その他の部分はほぼ製作時の姿に修復してあります。思えば、このレイアウトを紹介するきっかけはModel Railroder誌のEditor’s columnに掲載されていた”When is your realism level good enough?”という記事がきっかけでした。このレイアウトを製作したのは今から20年以上前で、思えばその時から今まで自分が鉄道模型に対して私がgood enougと感ずるrealism levelは変化しているような気がするのですが、改めてその観点で全体の構成を大きく変えないという前提の元、各部の詳細を見てみると、その観点では従来の部分を”改良”できる部分はほとんどないと感じました。もしrealism levelの向上を”各部をより実感的にすること”と捉えると、その手段として第一に考えられることは”個々の部分の「細密度」を向上させる”ということになりますが、私のレイアウト製作技術が当時から進歩していないということもあり、従来の技法では効果のある細密化が難しく、もし行なってもその効果は乏しいと感じたからです。細密化に対しては3Dプリンタやレーザーカットという最新の技法を使用すれば何か方法があるような気もしますが、Zゲージの場合その対象が非常に小さいため、これを考えるとやはりZゲージでは、realism levelを向上させるためには個々の部分の細密化より今回の街路灯の追加のような大きい単位での改修が有効であるような気がします。このことはZゲージのレイアウトを構想する場合には構想段階で、線路配置を含め全体を見渡した際にいかに全体を”それらしく見せるか”を考えることがが重要であり、この構想段階での検討がrealism levelを good enoughにできるか否かを決めるのではないかと考えられます。
以前このブログの”When is your realism level good enough?:Zゲージレイアウトのrealism level”という記事で紹介したZゲージのレイアウトですが、その最終回に記載したように現在既存の照明のLED化、表面実装形LED(チップLED)を使用した街路灯の追加を行っています。今回その改修中の様子をお目にかけたいと思います。現在は一部の区画で街路灯の設置と建物照明のLED化を終了した状態で、その改修に伴って壊した(壊れた)部分はまだ修復しておらず、街路灯の傾き等の最終的な修正もしていませんが完成までにはまだ時間がかかると思われますので今回は中間報告として、街路灯追加の構想と実際に行った方法について紹介しさせていただきたいと思います。少しでもレイアウト改修の参考になれば幸いです。下は現在のレイアウトの夜景の写真です。街路灯は計画の8割程度を設置した状態です。