<線路配置>
今回は第2回目として、基本構想とそれに基づく線路配置、用意したアクセサリについて説明させていただきます。
下記はジオラマ”ALTENHOF機関区”のMärklin CS3による自動運転のための線路配置ですが、今回使用するのはこの図の右半分のコンタクトトラックC5-C8 が接続されている分部の赤枠で囲まれた部分です。
この部分は機関区からでた線路を4線に分岐してありますが、ローカル線の終着駅として4線は多すぎますので、そのうちの2線を隠し、手前側の2線を使用したレイアウトセクションを製作することとしました。その最初に書いたイラストが以下のものです。
その1で記載したように、自動運転によりシーケンシャルに動く車両を「ぼーっと」見ていることはそれはそれで面白いのですが、その際感じたことはそこに車両以外の動きがあるとさらに動きが面白くなるのではないかと言うことです。実際に車両の動きだけですと、車庫に出入区する車両をいつ来るか来るかと眺めている「鉄ちゃん」のような視点でレイアウトを眺めることになりますが、そこに車両以外の動きが加わると視点が広がり、さらに機関車の出入区のシーンが生き生きしてくると言うことは実際に出入区する機関車を見ると容易に想像ができます。昔模型雑誌で紹介されていた海外のレイアウトではいわゆる「ギミック」が仕込まれているものがあり、その存在が紙面上で話題になっていた記憶がありますが、現在Viessman等の海外メーカーが動くフィギュアを発売しているのもその流れかもしれません。いわばレイアウトを眺める視点を「鉄ちゃん」の視点からもう少し広げると面白くなるということではないかと思います。
<信号機の設置>
と言うことで、まず車両以外に視点を設けるという意味で、信号機を設置することとしました。幸いMärklin Dogotal Systemの中には簡単に設置できる高機能の信号機が用意されているので、その信号機(色灯式)を採用することとしました。信号機を色灯式にするか腕木式にするかは迷ったのですが、手持ちに数台の色灯式信号機があったこと、腕木式だと信号機を動かすテコや線路脇に配置する動作用のワイヤーの製作が必要で、ドイツにおけるそれらの資料が充分集められるか自信がなかったため色灯式としました。しかし動きの視認性という点では腕木式の方が良かったかもわかりません。車両を製作しているときには信号機の切り替え制御を行うことは思ってもいませんでしたが、<その1>で述べたMärklin Magazineの信号機の使用方法の解説には信号機を設置する際の注意事項として「信号機は実物通りに建植せず(建植する必要はなく)、運転する場所からの視認性を考えて配置せよ」というような記述がありました。文章を読んだときにはその重要性は理解できませんでしたが、実際に信号機を設置してみるとまさにその通りです。加えてその際正面からしか点灯状態が見えない色等式の信号機は配置の際さらに制限が加わるということは、実際に配置してみると非常に重要な留意点であるということがわかりました。
<アンカプラーの設置>
最初は上記の構想図に示した形で構想を進めておりましたが、その中でふと<その1>に記載した「惣川の工臨」の記事を思い出し、この駅で何か簡単な入れ替え作業をやってみるのも良いかと思い、引込線を1線追加することとしました。また、その際の貨車の連結、解放のために各引込線にアンカプラーを設けることとしました。Märklinの同職車にはTelex couplerを装備した車両もあるので、それらの車両を用いればアンカプラーは不要と思われますが、Telex couplerの使用を前提とすると使用する車両が限定されるため各々の分岐線にアンカプラーを装備しておくこととした次第です。
<その他のアクセサリ>
その他の具体的なアクセサリはこの時点では考えませんでしたが、建物の照明や踏切警報機の制御等何らかの「ギミック」を動作させることを考慮し、負荷制御用のm84デコーダーとm84デコーダーに外部電源を供給するユニバーサル電源を手配しました。
<車両>
車両製作を行っているときには線路はいわば「運転場」のような物ですが、このようなレイアウトを構想する際はこのレイウトに走らせる車両も同時に構想することが必要となります。駅はローカル線の終着駅で、列車は折り返して行きますので列車は双方向に走ることが可能な列車になります。ということで、構想の際には上記条件に当てはまる手持ちの車両の、レールバス(VT98 :Item # 39978)、BR218+Silverlingのプッシュプルトレイン(Item#39180+43820)、SNCF の蒸気動車XDR10103”Kittel” (Item # 37258)の使用を想定しました。さらに完成までには支線用のタンクロコも準備しようかと考えています。
このような考えで描いたイラストが下記のものです。下手なイラストで恐縮ですが、構想時にはこのようなイラストを描きながらイメージを膨らませて行きました。駅舎はネットをいろいろ調べてドイツにあるgrossfurra 駅をプロトタイプとして作成することとしました。Googleでgrossfurra bahnhofと検索すると画像が出てきますので興味のある方は検索してみてください。
それでは次回以降さらに具体的な構想と製作手順について説明させていただきます。