手持ちの台車を用いて自作したペーパー車両:番外編

20系客車のその後(自作車両とプラ製品の共存:カニ21)

KATO製Assy partsのボディーを使用して製作したカニ21

以前ご紹介した項題の”手持ちの台車を用いて自作したペーパー車両”ではペーパー製の165系電車と20系客車について紹介させていただきました。このうち20系客車については20系が最も輝いていた頃の面影を残す特急”あさかぜ”の殿様編成と言われたナロネ20、ナロネ22、ナロネ21、ナロ20が連なる編成を製作したのですが、電源車については屋上の冷却ファン周りの製作法の検討が必要であったため製作せず、以前製作した小高模型のペーパーキットを使用したカニ22を流用しておりました。しかしカニ22は荷物積載量の少なさから”あさかぜ”には殆んど使用されておらず、同様の理由でマニ20が運用を外れたのちは電源車は専らカニ21が使用されておりました。私が”あさかぜ”の殿様編成に接したのは70年代の終わりから80年代の初めにかけてですが、その頃はカニ22はマニ20とともにパンタグラフ(MG)を撤去して東北方面の寝台特急に用いられており、あさかぜをはじめとした東京駅を出発する20系寝台特急の電源車は全てカニ21が使用されていました。そのため上記の20系客車が完成したのち、カニ21を製作すべく屋上部分をどのように製作するかの検討は引き続き行っておりました。ただ電源車の屋上のラジエーター周辺はペーパーと木材のみで製作するのはかなり難しそうです。ラジエータファン部分のみをプラ材で作ることも考えましたがそれも接続部の処理が難しそうでなかなか製作に踏み切ることができませんでした。現在でも小高模型のペーパーキットを取り扱っている模型店もあり、そのキットの屋根パーツを使用することも考えましたがますがホームページを見ると何故かカニ21は品切れでした。また、車体の窓数が少ないため、思い切ってヤスリ仕上げという手法が可能な金属製にしようかとも考えましたが、たまたま手元にあった金属車体の20系客車の自作の作例を見るとやはり工作はかなり難しそうで、数十年前に数両の真鍮製車体の自作を行っただけの私の腕では完成できるか不安でした。ただ、色々考えるとこのような車両は意外とハンダという可逆性の瞬間接着剤が使用でき且つヤスリでの整形が可能な金属製の車体のほうがペーパー車体より作りやすいのではないかという気もしました。あくまでも金属工作に一定のスキルがある(技術を習得する)ことが前提となりますが。

そんな折、たまたま見ていたKATOのホームページでKATOから発売されている20系客車のカニ21のボディーがAssy Partsとして入手可能ことを知り、この車体を利用してカニ21を作成することを思いつきました。。KATOから発売されている20系客車の電源車は基本編成のセットに含まれており単体では入手できないと思っていましたのでこのパーツを発見するまではプラ製の車両のパーツを利用するという発想はありませんでした。ただ、プラ製の車体をそのまま使用した場合、その車体を違和感なくペーパー車体の編成中に共存させることができるのかという不安はありました。しかし、電源車とその他の車両は窓周りも出入り口も全く別の構造ですので両者の違いはあまり目立たないのではないかとも思え、もし違和感が大きいようであれば小高製のペーパーキット同様、屋根部分のパーツだけを利用して車体の他の部分をペーパーで製作すれば良いと考え、この車体の購入に踏み切りました。そしてプラ製車体を使用して製作したカニ21とペーパー車体のナロネ20の連結部を撮影したのが下の写真です。この写真を見て皆様はどう思われるでしょうか?私は許容範囲と判断しました。

プラスティック車体のカニ21とペーパー車体のナロネ20の連結部. 実際に見ると想像していたより違和感は少ない.
カニ21とナハネフ22の車掌室部分の比較. “おでこ”の形状の差が気になるが窓形状が大きく異なるためか別々に見るとあまり差が目立たないため許容レベルと判断した.
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模型車両の紹介:奥羽本線のED75 700番台

今回紹介する車両は奥羽本線を走ったED75700番台の模型です。しなのマイクロの車体キットを組み立てた作品で1979年ごろの作品です。

ED75は電気暖房を使用する線区で使用される交流機のいわば標準機といった存在で、勾配区間である奥羽本線福島米沢間、亜幹線の磐越西線、仙山線以外の東日本(50Hz区間)で使用されていました(300番代は除く)。そんなED75の中で700番台は奥羽本線用に製造された最終グループになります。この最終グループの機体は他のED75とは異なり、屋上機器を室内に移すとともに下枠交差型のパンタグラフを採用しており、車体前面の運転台窓下の飾り帯が塗装となり光沢が無くなったこともあり、比較的遠くからでも割と容易に識別が可能です。この700番台は製造当初は奥羽本線のみで運用されていましたが1980年ごろから東北本線でも運用されるようになりました。ただ配置両数は少なく、民営化の少し前までは奥羽本線内での運用が主体でした。

東北本線南福島駅付近を旧型客車で組成された普通列車を牽引して走るED75700番台(1985年ごろ).

車体はしなのマイクロ製の車体キットで製作時期は1979年ごろです。当時しなのマイクロからは電気機関車のキットが数多く発売されており交流機はこのED75をはじめED77,ED78,EF71,北海道で活躍したED76 500番台と、東日本(50Hz)区間で活躍する形式は全て発売されていましたが、このED75はその中では比較的後期に発売された形式だと記憶しています。これらのキットはほぼ同一の構成になっており、私はこのED75を製作する前にED78,EF71を組み立てていましたので組み立てはスムーズに進みました。ただ、これらのキットは貫通扉、エアーフィルター等が肉厚のドロップ製ですのでハンダを流すためには固定したい部分(パーツ)をハンダを盛った100Wのハンダゴテで十分加熱して十分熱を与えることに注意が必要でした。この加熱ではただコテ先で熱を与えるのではなくパーツとコテ先の間に溶けたハンダを介在させて接合部にに十分熱を与えることが重要です。


車体はキットをほぼそのまま組んであり特に細密化は行なっておりません、別に購入したパーツはロストワックス製の電暖表示灯、エアーホース程度です。なお、電暖表示灯は縦長の台形形状をした新型タイプです。なお、パンタグラフは製作当初はフクシマ模型のPS103をつけていたのですが破損してしまったため最近入手可能であったTOMIX製のPS102に交換しました(実機はPS103です)。今までのパンタグラフは碍子とアングル状に曲げられたパンタ台を挟んでネジとナットで固定していましたが、今回使用したパンタグラフはネジ穴がなく取り付け部には固定用の軸が出ているだけでしたので、その軸に今まで使用していた碍子と軸を挟み車体のネジ用の穴に差し込みエポキシ系接着剤で固定しました。この際、接着で固定することには多少の抵抗があったのですが下手に追加工するより綺麗に仕上がると思い、製作当時と異なり今は実物の車両のドア等にも接着が多用されているのだからという屁理屈をつけて接着で固定してしまいました。

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模型車両の紹介:北海道のC57のその後 −ユーレイ解消のための補重の実施−

以前、このブログで ”模型車両の紹介:北海道のC57(+ユーレイ)”というタイトルで北海道仕様のC57を紹介させていただきました。このタイトルにもあるようにこのC57は、牽引を想定した北海道の夜行急行列車をイメージした真鍮バラキット組み立ての客車7両編成を牽引力不足で牽引することができず、やむなく”ユーレイ”を急遽増結せざるを得ませんでした。今回そのユーレイ解消を目指し、C57にウエイトの補重を行いましたのでその顛末を紹介したいと思います。まずはユーレイなしでC57が7両編成の急行列車を牽引する動画をご覧ください.

この動画はエンドウ製ニューシステム線路の805Rカーブの出口の直線部分で撮影したものですが、機関車は全く進まないことはないものの、空転が激しく、牽引不能の状態です。ちなみに同一電圧での単機での走行状態は下の動画です。ちなみに両者とも電圧は7.5Vで7両牽引時の電流が0.21A, 単機での電流が0.16Aです。

市販の蒸機のキットがそのまま組み立てたのでは重量不足であることは昔から言われており、過去にはTMS誌上でもいろいろな補重の方法が掲載されていました。また初期の蒸気機関車の自作記事には機関車の重量を稼ぐためフレームやボイラー内に鉛を流し込む方法も紹介されています。

TMS特集シリーズ15 日本型蒸気機関車の製作に掲載されているなかお・ゆたか氏執筆の ”国鉄7850を作った話”より

このような牽引力を稼ぐための補重の重要性を解説した記事に過去接しながら牽引力を考慮することなくキットの細密化を行い、いざ牽引させようとした時に上記の動画のような事態が発生した時は過去TMSの山崎主筆がTMS誌上でおっしゃっていた”細密なだけでろくに客車も牽引できない機関車なんて・・”という言葉を思い出して結構落ち込んだのですが、それから30年、時間に余裕ができたところで気を取り直して再度ユーレイ解消にチャレンジしようと思った次第です。

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模型車両の紹介:北海道のC55(+When is your realism level good enough?)

前回ご紹介したC57に続いてご紹介させていただくのは北海道仕様のC55です。この機関車も以前ご紹介した北海道の寝台急行列車を牽引させるためにキット加工により製作したものです。製作時期はC57とほぼ同時期の1990年ごろで、レイアウト製作を始める前に制作した最後の蒸気機関車です。

この機関車のベースはカツミ模型店製ゴールデンシリーズの未塗装キットです。このゴールデンシリーズの発売当時の売りは主台枠の棒台枠の表現ですが、この表現が最も目立ち楽しめるのは動輪がスポーク動輪であるC55ではないかと思います。購入したのは消費税導入前の1987年頃です。当時は完成品やバラキットの他に車体は組み立て済みでドライバーと配線(半田付けが必要)のみが行われていない状態の未塗装キットや塗装も済ませた塗装済みキットも販売されていました。1989年の消費税導入前は鉄道模型には物品税がかけられておりました(贅沢品とみなされていたようです)。その際価格が一定以下の製品、その製品だけでは本来の目的を達成できない製品は無税のため、当時は上回りと下回りを別々にしたキットが比較的多く販売されいたということを聞いたことがありますがこのような未塗装のキットの場合はどうだったのでしょうか。子供の頃は工作の楽しさを体験させようとしてメーカーはあえてこのようなキットを販売しているのかと思っていましたが。
ちなみに現在関税適用のための物品を定義するHSコードにおいて鉄道模型のコードは95.03で「縮尺模型その他これに類する娯楽用模型(作動するかしないかを問わない。)」というカテゴリに属するようです。外国のショップから商品を購入する際、輸入時このHSコードに対して関税はかかりませんので受け取り時に消費税のみを支払いますが、その税額はみなし原価(販売価格から付加価値税を引いた額のの60%程度)に対して10%です(他に送料等がかかります)。海外のサイトに表示されている価格は通常付加価値税込みの価格(ドイツの場合税率は19%)ですので海外のショップから購入する際の値段を国内販売価格と比較する際にはこれらの税額にも注意が必要です。
それはさておき、キットの説明書はC 57,C55共通のものとなっており、ドライバーと配線用のハンダゴテ(+ハンダ)があれば完成させることができます。ただ未塗装ですので塗装は必要です。組み立ては比較的簡単ですがこのような大型蒸機の塗装をきちんと行うためにはそれなりの技術は必要ですのでやはり対象はある程度模型製作の経験のある人向けの製品だと考えられます。ただ、キットはいわば最終組み立て工程に進む手前の完成品と言えるもので、ネジで組み立てればそのまま普通に走りますので追加部品によるショートや塗装次の塗料の回り込みによる通電不良にさえ気をつければ走行に対しては大きな問題は発生しないのでその点は安心です。

取扱説明書は下の写真のようなもので全13工程で完成となります。C55とC57の説明書は共通で殆んど同じ手順となっています。組み立てに使用するネジが全てマイナスネジであるところは時代を感じます。購入したのは今はなき東急百貨店日本橋店のカツミ直営店でしたが、当時は各地のデパートに模型店があり、模型店で売り切れの製品でもこのようなところには在庫がある(売れ残っている?)ことがあり、ある種穴場のような存在でした。このC55もそんな製品であったように記憶しています。

キットのプロポーションはC57と同様に良好であり、形状を手直ししなければならないところはありませんでしたので完成している車体の基本部分を構成する部品を取り外して修正することは不要と判断し、加工は一部のパーツの交換とパーツや配管の追加としました。加工箇所、加工方法は前作のC57とほぼ同じですが、デフの切り詰めは行いませんでした。当初、C57との違いを出すためにそのように決めたのですが後で調べてみるとC55はごく一部を除いてデフの切り詰めは実施されなかったようです。また、今回もキャブの密閉化は行ってはおりません。
それでは各部を写真で紹介させていただきます。

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模型車両の紹介:北海道のC57(+ユーレイ)

今回は北海道のC57を紹介させていただきます。この車両は以前ご紹介した北海道の急行寝台列車の牽引用に製作したもので客車とほぼ同時期(1990年ごろ)の作品です。

この車両はカツミ模型店発売のゴールデンシリーズ・C57一次型のイージーバラキットを組み立てたもので、特定ナンバー機ではなく、キットをベースに蒸気機関車が終焉を迎える1975年ごろに北海道で見られた機関車の特徴的な形態を再現すべく各部に加工を施したものです。

キットの組み立て説明書

ナンバーは83号機ですが、これはキットの付属していたナンバープレートから選んだものです。実際の83号機は主に西日本で活躍していた機体のようで北海道に配置されたことはなく、1969年に名古屋機関区で使用されたのを最後に廃車されていいるようです。私が鉄道に興味を持ち写真を撮り始めた頃、首都圏では鶴見、新小岩・八王子等にわずかな数の蒸気機関車が残るのみでしたが、当時北海道にはまだ数多くの蒸気機関車が活躍していました。しかし当時の中高生にとっては北海道はあまりにも遠く、私はそれらが実際に活躍している姿を実際にみることは叶いませんでした。しかし北海道が蒸気機関車の最後の活躍の地であったことから交通博物館のC57をはじめ、首都圏には数多くの北海道仕様の機関車が保存展示されており、現在でも比較的多くの北海道仕様の機関車を見ることができます。当時釧網本線で活躍していた戦後型のC58 は羽村動物公園に保存されていますし、上野の国立科学博物館入口展示されているD51も北海道仕様の機体です。C57は前述のように交通博物館に最後の旅客列車を牽引したC57 135が非常に良い状態で保存されていましたので製作にあたってはそれを参考とし、他に雑誌等に掲載されている北海道仕様の機関車の写真を参考にして好みの形態に仕上げてあります。余談ですが、大宮の鉄道博物館に展示されている車両の一部は壁際やプラットホームを模したような台の横に展示されている車両が多く、社内の見学には良いのですが模型の資料として写真を撮影する際には非常に撮影しにくい展示となってしまっています。

製作にあたって交通博物館で撮影したC57 135の写真(一部)


車体の基本部分はキットをそのまま組み立てており、大きな加工はしておりません。晩年の北海道仕様のC57はキャブを密閉型にしたものが多く、C57135も密閉キャブでしたがキットのまま組んであります。これは改造に自信がなかったことと、キャブを密閉型にするとC57本来の精悍さが失われてしまうのではないかと考えたのがその理由です。後者の理由は自分の技術力のなさの言い訳のような気もしますが、やはりライトパシフィック機と呼ばれるC57の軽快で精悍なイメージを形作っているのは1次型等の開放キャブではないかと思います。
このキットはイージーバラキットいう名称のとおり、主題枠とボイラー、ランボード、キャブは組み立て済みで、車体の恋本部分は比較的容易に組み上げることができます。全体的なプロポーションも良好で特に加工が必要なところはありません、したがって加工はロストワックスパーツの追加とパイピングが主なものとなります。

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模型車両の紹介:北海道の急行用気動車(模型のウエザリングについての考察)

最近、いすみ鉄道に残るキハ28の最後の1両が定期運用を離脱したことが話題になり、TV等でも数多く報道されておりました。それに触発されたわけでもないのですが、今回は北海道の急行型気動車キハ56、キロ26を紹介させていただきます。いずれもフェニックス模型店製のバラキットを組み上げた製品で1990年ごろに製作した作品です。

キハ58をはじめとした急行型気動車はかつては全国の国鉄路線で急行列車から普通列車まで幅広く運用されており、運用上一般型気動車と混結して普通列車に使用されてもいましたが、その塗色は一般型気動車とは異なる塗り分けで編成中で目立つ存在でした。同じく数多く製造された101系、103系等が大都市向けの通勤輸送に特化された車両で見られる地域が限定されていたのに比較して、キハ58系をはじめとした急行用気動車はは全国津々浦々で運用されていたため全国各地でこの車両に接した方は多いと思われます。そのためキハ28の運用終了は全国のあまり鉄道に興味のない方々にとっても一つの時代の終わりを感じさせる出来事であり、話題になったのかもわかりません。

函館本線大沼付近を走る稚内行き急行”宗谷”.2両目にキロ26を連結.

<車両の紹介>

今回ご紹介する北海道向けの急行型気動車のデザインは全体的には本州の車両と同一ですが北海道仕様の車両の外観上の特徴は側窓が二重窓で窓の天地寸法が小さいことです。そのため稜線の目立たない張り上げ屋根の構造と裾の絞りにより相まって幕板部が非常に広く感じられるとともに車体の”丸み”が強調され印象的には本州用の車両とはかなり雰囲気が異なる感じがします。またグリーン車は本州用の車両の連続窓とは異なり普通車と同構造の二重窓が各座席あたり1個配置されており、普通車との外観上の大きな差異はなく、等級帯が廃止された後は普通車の中間車と言ってもおかしくないものでした。一方北海道の特急列車はキハ183系の登場以前は本州と同じ車両(キハ82系)が使用されており、急行列車に使用される客車も外観的には本州用の車両とほぼ同一でしたので、キハ183系の登場まではこれらの急行型気動車が北海道仕様の車両の外観の特徴が一眼でわかる唯一の優等列車用の車両でした。

モデルはキハ56が3両、キロ26が1両の4両編成です。北海道の急行型気動車の普通車は冷房車ではありませんので本州の冷房車で組成された編成とは異なり冷房用電源搭載車両とその給電可能な両数を考慮して編成を決める必要はありません。車体は冒頭に記載したようにフェニックス模型店製のバラキットで その他の主要パーツは台車(DT22)が日光モデル製、床下機器も日光モデルの製品です。また動力装置は天賞堂製のパワートラックGT−1を2両のキハ56に装着してあります。

余談ですが、90年代初めこの模型を製作したのち外国をテーマにしたレイアウト制作を始め、次にバラキットを製作したのは2015年ごろですので私のキット組み立て技術はこれ以降現在に至るまで向上しておりません。それでは以下写真を主体に各部を紹介させていただきます。

キハ56の全景.車体はフェニックス模型店製バラキットをほぼそのまま組み立て(改造点は後述)

車体キットの改造点は以下の3点です。

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手持ちの台車を利用して自作したペーパー車両(1)

165系”アルプス”と20系”あさかぜ”:今回製作する作品で目指すものとは

<はじめに>
これまでこのブログで紹介させていただいたペーパー製の電車はモハ54、70系電車等の所謂旧型国電と言われる電車と、711系、クモヤ791という新性能電車と言われる車両で、これらの車両はいずれも1両単位あるいは比較的短編成の電車でした。その製作を通じ、だいぶペーパー製車体の製作にも慣れてきましたので、手元にある台車等の部品を活用して比較的長編成の列車に挑戦することとしました。以下にその作品を紹介させていただきますが、今回は完成した車両の紹介に加え、私が今回車両を製作するにあたりどのような考えかたで製作に臨んだか(実際に工作の手を動かし始めるまでの構想と設計プロセス)についても今まで50年以上鉄道模型を趣味として車両を製作してきた時に感じてきた想いと共に記載させていただきたいと思います。これから何かペーパー車両を製作してみたいと思っている方の参考になれば幸いです。また、時々話が脱線してしまうかもわかりませんがお許しください。

<今の時代に車両を自作する意義について>
私が鉄道模型に興味を持ち、車両の自作を始めたのは約50年前ですが、当時少年向けに発行されていた”子供の科学”・”模型と工作”・”模型とラジオ”等の雑誌には鉄道模型の工作コーナーがあり、「〇〇の作り方」という記事が毎月掲載されていました。

また、大人(上級者?)向けの”鉄道模型趣味(TMS)”にも読者の作品の紹介記事だけでなく、編集部が執筆した車両の製作法の記事がよく掲載されていました。思うに、当時は実際に手を動かすかは別として現在よりも幅広い層が車両の製作に興味を抱いていた(実際に行っていた)のではないかと考えられます。その当時、Nゲージはまだ普及しておらずHO(16番 )ゲージの完成品は非常に高価でしたので比較的若年層のファンにそれらの完成品は簡単に手の届くものではなく、自分の好きな車両を手に入れるためには何らか自分の手を動かして車両を製作せざるをを得ないという事情もあったようにも思います。

一方、現在はHO(16番 )ゲージの真鍮製の完成品は相変わらず高価ですが、我々の年代には馴染みのあるJRに継承された旧国鉄の主要形式については比較的安価なプラスチック製の製品が多数発売され、その中間の価格帯にはサウンド付きのダイキャスト製品も発売されており、メーカーを横断的に見ると製品のProduct Lineの選択肢は増加しています。その一方でキット組み立ても含め車両を自作するモデラーが減少したせいか、所謂バラキットと称する部品の追加が前提の真鍮製車体キットは次第に数を減らしています。また比較的安価なプラスティック製の製品でもそれらは実物のイメージが的確に再現されており走行性も良好で、お座敷運転やレイアウト上で走らせるには特に問題はなく、そのため工作が好きな人を除き、わざわざ時間をかけて車両制作を行うモデラーの数は減少しているのかもわかりません。

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模型車両:ペーパー車体による新性能電車の製作 -クモヤ791と711系試作車-

以前10回にわたりペーパー車体による旧型電車の作成を過程を紹介させていただきましたが、今回は国鉄新性能電車の制作過程を紹介させていただこうと思います。

選んだ車両はクモヤ791と711系先行試作車です。

<実物>
クモヤ791は1959年に試験用として製造された交流電車で、20kV60Hzを整流器で直流に変換することなく、交流整流子電動機を直接回転させるタイプの試作車です。現在のドイツ鉄道の電化路線の電源電圧、周波数は15kV16.7(16+2/3)Hzという、商用電源周波数とは異なった低い周波数が使用されていますが、この周波数はクモヤ791と同方式の交流整流子電動機を駆動させることを意識した周波数であったようです。しかし日本では当初から交流電化は商用周波数で行うことが前提であったようです。当時交流電車の試作車はいろいろな方式の車両が数多製作されていましたが、それらの多くが旧型電車の改造車であったのに対し、この車両は完全な新製車でそのデザインは当時の153系に準じたものでした。前面は153系と同じパノラミックウインドウ(低運転台)、側面は外篏め式のユニットサッシとなっています。またパンタグラフ周辺の屋上に交流機器が搭載されています。

一方711 系はその8年後、1967年に北海道の小樽ー滝川間の電化に際して開発された形式で、今回製作したのは先行試作車のクモハ711-901,クハ711-901です。先行試作車は同時にクモハ711-902,クハ711-902が製造されましたが、クモハ711-902,クハ711-902が側窓に当時の北海道用気動車と同形状の2重窓を採用しているのに対し、クモハ711-901,クハ711-901は複層ガラスを用いたユニットサッシ窓を採用していました。量産型はクモハ711-902,クハ711-902と同じ形状の側窓になりましたので、側窓がユニットサッシの711系はこの2両のみでしたが、その後も側窓は改造されることなく量産車に混じって使用されていました。このクモハ711-901,クハ711-901は形態的には折戸等の形状も合わせて、クモヤ791のデザインを踏襲しているように思えます。

新性能電車を製作しようとした際、今まで数多く製作してきた北海道形の711系を作成しようと考えましたが、今回新性能電車は初めての製作になりますので、711 系制作の前に先行的にクモヤ791を製作し、クモヤ791で各部の技法の確認をしながら711系を製作して行った次第です。また、今回ユニットサッシ、東海形前面の技法が確立できれば、153系以降開発された直流電車、455系等の交直流電車にも応用可能であると考えたこともこの試作車を選んだ理由です。
ただ、クモヤ791は60Hz用、711系は50Hz用の電車ですので、実物の世界では同じ線路は走れません。

以下写真を主体の製作過程を説明したいと思います。製作過程を動画にまとめたものも作成しましたのでよろしければこちらもご覧ください。

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模型工作:ペーパー製旧型国電製作記 その10(最終回)

この旧型国電製作記も10回目となりました。今回は最後の工程である塗装と細部の仕上げについてご紹介させていただき、この製作記を完結したいと思います。
下記にこれまでの説明をダイジェスト版の動画にまとめましたのでよろしければご覧ください。


塗装はエアーブラシによる吹き付け塗装で行いました。塗料は屋根とプラ製の床板を除きマッハ模型の鉄道調色塗料を使用しています。ペーパー車体ですので市販の鉄道スプレーも使用できますが、私は数十年前から金属、ペーパー車体を問わずこの塗料で塗装をしています。

私が塗装に使用しているエアブラシ機材は今から30年以上前にエコーモデルさんで購入したトーマスデラックスアートセットで、エアーブラシはタミヤスプレーワークスのノズル径0.3㎜です。購入当時使用したエアーブラシはエコーモデルでお勧めいただいたBADGER350で、最近まで使用していたのですが吐出の調整が非常に難しいため現在は使用していません。このエアーブラシは現在でもタミヤで販売されているようで、購入時バジャー のジョイントサイズに合わせた変換プラグも購入しましたが、この変換プラグとバジャーのホースはタミヤのスプレーワークにもそのまま使用できます。

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模型工作:ペーパー製旧型国電製作記 その8

前回までで車体の基本部分が完成しましたので引き続きドア上のウインドヘッダー、テールライト、耐寒型のタイフォン、パンタ台およびパンタ部のランボードでの取り付けを行います。これらのパーツは車体と隙間なく取り付けることが必要なパーツで、取り付け後必要に応じて車体と取り付けた部品との隙間をパテ等で埋める作業が発生するためまず最初に取り付けます。また今回は床板と車体側の床板取り付け板を作成し、台車、カプラー(ドローバー)を取り付けて線路上に編成状態で置けるところまでを行います。

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