When is your realism level good enough?:Zゲージレイアウトのrealism level(ストラクチャー)

街中の高架線を走るTEE Rheingold. 牽引機はスイス国鉄のRe460広告塗装機

これまで、車両製作からZゲージレイアウトを製作することを決断するまでの経緯についてご紹介してきましたが、何分レイアウト製作は初めての経験であり、いざ製作を始めようとすると全くどこから手をつけてよいかがわからない状態で、日曜大工の経験も乏しくレイアウト作成を決めた時点では製作法に記されているような作業の経験は全くと言っていいほどありませんでした。ただ、幸いなことに鉄道模型趣味(TMS誌)を1970年ごろから購読していた私は、その頃のNゲージ黎明期に編集部により解説されていた線路の敷設法、プラスターによる地形の製作、配線等の基礎的な技法に関する記事が掲載されたバックナンバーを保管していましたのでそれらを全面的に参考にすることができました。これらの記事はNゲージレイアウトの製作例でしたが、これらはZゲージでも工作法にそれほど差はないと思われましたので、今回。まずはこの記事のとおりに製作しようと決めました。具体的には台枠はフラットガーターのフラットトップ、勾配はクッキーカッター方式、地形はプラスター成形、運転方法はデュアルキャブコン方式等です。余談ですがこの種の記事は最近の雑誌にはあまり掲載されていません。当時のTMS誌のEditorである山崎主筆はTMS誌を「参考書」と言う言い方をしてこのような記事はマンネリと言われようと繰り返し掲する必要があると述べていたようにいたように記憶しています。時代が変わったせいか現在の日本の模型誌にはこのような基本的な製作技法の解説記事はほとんど見られませんが最近の方は情報をどこから得ているのでしょうか。私の最近のレイアウト製作法の情報源はModel railroder、M¨arklin Magazine等海外の雑誌で、特にModel railroder誌にはシーナリーの製作法等が比較的頻繁に掲載されます。Model railroderはネットから定期購読を申し込めば洋書店で購入するよりかなり安く、メール便で毎月届きます。

レイアウトのテーマは、比較的大きな駅(ドイツ語でいえばHauptbahnhof)がある都会をイメージしたものとしました。前述のように私はレイアウトの製作を始める前に車両工作をしており、主に北海道仕様の列車を制作し、その中で特急列車からローカル線の列車まで各種の車両(列車)を製作しましたが、完成した車両をお座敷運転レベルで運転する時には程度長編成の列車の方が面白く、そのような運転に慣れ親しんでいたこと、私が東京出身の東京在住者であまり地方で暮らしたことがなく、鉄道模型を始めた頃から鉄道模型のレイアウトは長編成列車の走る都会の風景をテーマとしたレイアウトと言うイメージがあったことが理由です。もしかしたら初めて見た神田須田町の交通博物館のレイアウトのイメージがそのまま頭に焼き付いているのかもわかりません。また、実際に接した海外の鉄道も都市の鉄道が殆どですので、海外の風景も地方より都市の風景の方がイメージしやすいのではないかと思ったこともその理由です。このようなテーマのレイアウトをHOゲージで製作することは私にとってはスペース的にまず不可能ですが、今回はZゲージを採用しますのでスペース的にもなんとかできそうです。私が鉄道模型を始めた頃はまだNゲージはあまり一般には知られていませんでしたが、しばらくした後初めてNゲージ(当時は9㎜ゲージと呼んでいました)を見た時に、その小ささに驚いたものです。そしてこのゲージはレイアウトのためのゲージであると言う説明には大きな説得力がありましが、Zゲージ(1/220)は寸法比でNゲージ(1/160)の約0.7倍ですので同一レイアウトを作成するための面積は約半分になります。これはA3の用紙とA4の用紙の大きさの差に相当しますのでNゲージでA3サイズに収まるような縮尺比で描いたレイアウトプランはZゲージではA4用紙の大きさに収まるイメージとなります(A3サイズの書類をA4サイズに縮小コピーするイメージです)。この差は意外と大きいものです。メルクリンはZゲージのスケールを決めるにあたり同じ線路配置のレイアウト面積がNゲージの半分になると言うことを意識したのでしょうか。

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