レイアウトの製作:自動運転を前提としたレイアウトセクションの製作 <13>

前回、貨物ホームの製作を行いましたので、今回は貨物ホームの上屋を製作します。
<プロトタイプ>
まずプロトタイプ探しから始めます。ドイツ等のヨーロッパではよくわかりませんが私の貨物ホームの上屋のイメージは木組みでしたので、まず木組みの貨物ホームの上屋をGoogleに”Gootershuppen”と入力して探してみました。するとでてくる画像は倉庫と一体となった貨物ホームが多く、イメージに合うものはなかなかみつかりません。Vollmer Kibri等のカタログにも、木組みのホームの上屋というものはあまりみあたりません。そこで対象を旅客駅の上屋にも広げていろいろ検索したときに見つけたのが、今回ご紹介する上屋のプロトタイプとなったNössenという駅の旅客ホームの上屋です。Nössenはマイセン地方の街で、ルネサンスの城が有名なようで、Wikipediaで検索すると街の説明が出てきます。また画像には駅のホームの上屋の画像も出てきますので、よろしければチェックしてみてください。

まずは完成時の写真です。

梁の構造は写真を参考に製作しました。プロトタイプに比較しホームの幅が狭いですので、あまり太い角材を使用すると印象がゴツくなってしまいます。角材はEvergreen社製のプラ材で、柱に1.5㎜角を使用するか2㎜角を使用するか悩みましたが、最終的にはメインの柱は2㎜角、補強部材は1.5㎜角、中央部のx型の補強は1㎜の角材を使用しました。いろいろなサイズの角材を組み合わせるとゴツさが和らぐようです。

製作は図面から所定の長さに切り出した角材を方眼紙上でプラ用接着剤で組み立てていきます。

さらに長手方向の梁と接着していきます。柱が完成しました。

屋根は木製ですので2×1㎜のプラ材の角を面取りした部材を貼り合わせて作成します。

出来上がった屋根板は0.5mのプラ板を裏面に接着、横梁、縁取りを追加して完成です。

これで上屋の完成です。接着で一体化するのは塗装後です。

貨物ホームに置いてイメージをチェックしているところです。

だいたいイメージ通りにできましたので引き続き塗装をします。使用したのはHunbrol Enamel で柱が#186:Brown、屋根内側が#224:Middle Stone、屋根が#224:Dark Slate Gray でいずれも筆塗りです。

これで貨物ホーム上屋の完成です。

完成した上屋はホームに取り付ける前に照明を組み込みます。照明は12Vの米粒級を使用します。以前も記載しましたが、LEDは輝度の調節が難しく(電圧等では調整できずカバーで調整することが必要)、また色合いも白熱電球とはやや異なるため、私は今回のようにスペース的な制約がなく、数も少ない(消費電力の心配がない)場合には、いまだに米粒球(フィラメントの電球)を使用しています。最近のTMS誌に国鉄の過去の色見本のない車体色の記事が出ていましたがいずれ本当の意味で「電球色(白熱電球の色)」は伝説の「色」になってしまうのでしょうか・・・。

米粒級への給電(屋根裏の配線)は真鍮線(今回は隣青銅線)で行い、その隣青銅線をホームの固定に使用するとともに、ホームしたでリード線と接続する構造とします。まずその部分を組み立てます。

出来上がった部材を柱部分に取り付けます。柱への隣青銅線の取り付けは割りピンで行います。

柱と屋根を接着し、電球の位置を調整します。

試験点灯を行い、感じをチェックします。9Vの点灯で満足できるイメージになりました。

意図通り仕上がったので配線の塗装をします。柱の底面にはφ0.5の穴を開けて真鍮線を差し込みホームに開けた穴に差し込んで固定します。

これでホームの上屋が完成しました。次回はホームの照明灯や街灯を製作し、レイアウトの照明を完成させたいと思います。