レイアウトの製作:自動運転を前提としたレイアウトセクションの製作 <14>

前回は貨物ホーム上屋とその照明について説明させていただきました。今回はレイアウト上のその他の照明について説明させていただきます。前回記したように貨物ホーム上屋の照明には12Vに米粒球2個を使用しましたが、今回はその他の表面実装型チップLEDを使用した照明について説明します。

<チップLED>
使用したLEDは表面実装型のLED(チップLED)で、optosupply社製のOS**0402C1Cというシリーズの製品で、サイズは1.0×0.5㎜、厚さ0.4㎜のものです。以前は同じ会社のOS**0805C1C(2.0×1.25㎜、厚さ1.1㎜)を使用していましたが、今回からより小型の物を使用しました。色はホームの照明灯にはYellow、街灯、待合室の照明灯にはWarm Whiteを使用しました。

<リード線のはんだ付け>
まずはLEDにリード線をはんだ付けします。写真のように、まずLEDを両面テープで固定し、その両端に予めハンダメッキをしたリード線をはんだ付けします。リード線はAWG #36 を使用しました。使用したハンダゴテは20Wのものです。LEDの端子にリード線を接触させてハンダを溶かせば比較的容易に固定することが可能です。取り付け時リード線の先端に無酸ペーストを塗布していますが、なくても大丈夫です。熱についてはあまり気にする必要はないようで、今回のはんだ付けでは加熱時間等、特に気を使わず数十個をはんだ付けしましたが、熱による破損は皆無でした。ただ、固定時にリード線に力をかけると、端子がベースからリード線ごと取れてしまうので、その点は注意が必要です。

端子の片方にリード線を取り付けた状態です

片方のリード線がはんだ付けできたら、今度はリード線とLED両方を固定した状態でもう片方のリード線をはんだ付けします。完成したのが下の写真です。リード線の色と極性を合わせはんだ付け後にもチェックします。万一間違えると試験点灯の際一発で破損しますので注意が必要です。

写真の状態で先端部をエポキシ系接着剤で固めれば、LEDへの配線は終了です。

<ホーム照明灯>
配線が完了したLEDを使用してホームの照明等を作ります。今回は支柱には外径1.6㎜のパイプを使用しました。今までのレイアウトでは照明灯の支柱は2㎜を使用していたのですが、太すぎる印象がありましたので今回は外径1.6㎜としました。街灯灯も同じ径です。街灯は違和感がないのですが、、ホーム照明灯は照明灯が等間隔で並ぶので目立ちやすいため、もう少し細い径でも良かった気もします。まずリード線をパイプに通して形を整えます。この段階までに点灯することを確認ししておきます。

シェードはプラ材で作成しました。Evergreen社製の角材、帯材を組み合わせて接着し、固着後整形します。

シェードを支柱に取り付けて、塗装をすれば完成です。塗装時はシェードを一度黒で塗装し、シェードからの光の透過を防ぐことが必要です。私はHumbrolのMatt Blackを塗装しましたが、他の塗料でも同じ効果があるかは確認が必要と思います。

<街灯>
街灯の構造もホーム照明灯と同じです。ただし支柱の途中に穴を開けて、そこからLEDのリード線を差し込んでいます。

こちらのシェードは、丸みを持たせるため、プラ材の貼り合わせではなく、プラ板を加熱して湾曲させたものを使用しました。

支柱にシェードを取り付け、塗装をして完成です。

<駅舎の入口灯>
こちらは以前も説明しましたが、今回再度説明させていただきます。照明灯・街灯との構造上の差は、支柱となるパイプが細いため、リード線1本をパイプに通し、片方のリード線は支柱にはんだ付けしたことです。街灯等に今回の作例より細い径のパイプを使用する場合には、この方法が使用できます。入口灯の支柱には固定用の割りピンをはんだ付けして建物に取り付け後、建物の裏側からリード線をはんだ付けして配線します。以下にその手順を写真を用いて説明します。

まず太めのリード線をパイプに通してパイプを曲げます。

パープからリード線を抜き、曲げたパイプにリード線を1本通します。パイプはエコーモデルの外径1㎜、内径0.8㎜のパイプです。

もう片方のリード線は被覆を除去して支柱にはんだ付けします。

端子兼駅舎への取付用の割りピンをはんだ付けします。

駅舎に取り付け用の穴を開けます、下側がリード専用、上側が割りピン用です。

シェードを取り付けて塗装した入口灯を建物に取り付けて割りピンにリード線をはんだ付けします。

取り付けと配線が完了しました。

入口灯の完成です。手前は今回説明した街灯の製作手順で作成した街灯です。

このほか、ホームの待合室に照明を取り付けましたが、こちらはパイプ等を用いずに本体にリード線を直接取り付けて配線し、プラ板を曲げて作ったシェードを取り付けてあります。

以上でレイアウトの照明が完成しました。次回はその配線とm84デコーダーを使用した照明の制御について説明させていただきます。