今回はGroßfurra駅の駅舎を紹介させていただきます。建物はイメージに合うプロトタイプをWEBサイトの検索で選びましたので、プラキットはありません。必然的に素材からの自作となります。
<Großfurra駅>
前述のように、この駅舎を選んだのWEB SITEを色々検索した結果なのですが、イメージを膨らませるためにこの町と駅のことを少し調べてみました。地図アプリでGroßfurraを調べると街はドイツの中部にある農村地帯のようです。DBの乗り換え案内でGroßfurra駅へのアクセスを調べてみると、この駅は日本からの飛行機の到着地として日本人にも馴染みの深いFrankfurt駅からIECで1時間ほどのKassel駅で乗り換えてLeipzigからHalle方面に向かうRegio Expressで約45分、Wolkramshausenという駅から10分ほどのところにあります。時刻表を見ると朝5時30分からほぼ1時間おきに列車が発着、終電は23時すぎのようです。終着駅ではありませんが、偶然にもイメージはぴったりです。最近は上記の程度の情報であればgoogleやDBのウエブサイトで容易に検索でき、また地図アプリで上空からの写真や周辺の写真も見ることができます。便利な世の中になったものです。
<駅舎の製作>
下図は製作にあたり書いたイラスト(図面)です。この図に従って政策を進めましたが、製作時に少し変更した部分もあります。図面の製作のあたっては、KibriやVollmer等の余剰パーツのドアや窓と写真の印象より建物の寸法を割り出して図面を作成しました。これらのメーカーの建物の全体的な寸法も参考にしてあります。素材はタミヤのプラ板、厚さ0.5㎜と1.0㎜です。また、屋根にはVollmerの#46032を使用しました。
<建物の製作>
まず建物の外壁を作成します。外壁の素材は厚さ 1㎜のプラ板です。この建物は窓の部分が奥まっていますので、窓部分はまず1㎜のプラ板を2枚貼り重ねて糸鋸で窓を抜き、さらに1㎜のプラ板を貼り付けて窓の外周より1㎜内側に窓を抜き、さらに0.5㎜のプラ板で窓枠を作成しました。
この建物は2階部分が1階部分より張り出していますので、まず1階部分を箱状に組み立てた後、厚さ0.5㎜のプラ製の帯板を2枚挟んで2階部分を組み立てます。
屋根は屋根板をくの字型に組んで、頂点には細く切断した屋根板を整形して取り付けます。パテで隙間を埋めたのち塗装します。
一階に張り出した部分を追加します。これで建物の外形が完成しました。
ドアは厚手のケント紙とラベル紙で作成します。ケント紙に板張りを表現した筋をつけた後、枠となるように切り出したラベル紙を貼り付けて塗装します。
壁はRevell colorのつや消し白(#5)、屋根はHumbrolの茶色(#186)で塗装しました。塗装前に壁の周囲の縁取りをラベル紙を貼って表現してあります。窓の下には1㎜x1㎜の角棒を接着ました。また別途プラ板から作成した電話機を取り付けてあります。屋根は帯板で周囲に囲いを設けた後、Kibriの建造物キットの余剰品の雨樋を取り付けました。写真は被せた屋根がずれてしまっています・・。
<煙突の製作>
煙突はKibriのプラ製壁板#6910を使用します。所定の形状に切断の上端面を45度に削って組み立てます。接着剤が固着した後耐水ペーパー等を用いて整形し、上部に0.5㎜のプラ板から作成した蓋を取り付けました。
<建物内装の製作>
ここから内装工事に入ります。内装はケント紙で、建物の窓部を表現した窓周辺の出っ張りの内側にはめ込む形で作成します。仮組み後建物に組み付けて確認し、塗装後組み立てます。
<照明の設置>
完成した内装に照明を組み込みます。照明は今回12Vの米粒級を2個直列接続したものを1階と2階に分けて配置しました。これは照明をm84デコーダーで制御する際、1回を事務室、2階を居住(宿直)室にも立てて、電灯を別々に制御しようと考えたからです。また、m84デコーダーの供給される電源は走行用電源とは別にデコーダーに接続される18Vのユニバーサル電源ですので電球を2個直列接続としました。LEDの使用も考えましたが、以前ご紹介したALTENHOFの市街地のジオラマでに使用した米粒球と電球色LEDを比較するとやはり電球のほうが電球らしい(当然?)のような気がしたためです。LEDは安価で消費電力も少ないのですが、電球と比較するとやはり色合いが少し白熱電球とは異なります。ビールと発泡酒の違いと言ったら良いでしょうか。ただ、時が経てば白熱電球の色を知る人はいなくなると思われ、その差は議論されなくなると思われます。そこはビールと発泡酒の比較とは違うところかもわかりません。
<建物の外部アクセサリの製作>
次に建物の外部のアクセサリを作成します。まず時刻表を掲出しているボードを作成します。0.5㎜のプラ板に1×1㎜の角棒で枠を作り、緑色に塗装します。
時刻表は熱昇華型プリンタで出力したものを貼り付けます(詳細は後述します)。
<駅名標・時刻表の作成>
駅名標、時刻表は熱昇華型のプリンタで作成しました。手順は駅名標はExcel、時刻表はウエブサイトの画像をスクリーンコピーしたものをWORDにペーストし、熱昇華型のプリンタで出力したものです。サイズはあらかじめExcelで作成した格子を印刷し、その格子がプリンタでどのようなサイズに出力されるかを把握した上でサイズを決めると所望のサイズが作成できます。またデータを作る際、その前後で多少サイズをずらしたものもペーストしておくと失敗が防げます。これらは出力後裏面に両面テープを貼り外周切り抜き後建物等に貼り付けます。インクジェットプリンタで直接出力したほうが簡単ですが、以前それで作成した駅名サインやポスターはすぐに色あせてしまいました。それから熱昇華型プリンタで出力したものを使用していますが、インクジェットプリンタのインクよりは耐候性はあるようです。
<灯具の製作>
次に入口上に取り付ける灯具の製作を行います。使用するのは表面実装型のチップLEDです。
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まず両側にリード線をハンダ付けします。チップを両面テープで固定して、リード線(#36)を取り付けます。LEDの極性はデータシートを参照して、どちらの色がどちらの極かを確実に記録しておく必要があります。
ハンダ付けが終了したら、片方のリード線の被覆を除去して短く切断し、その先にエコーモデルの細密パイプ(内径0.8㎜、外形 1.0㎜)をハンダ付けします。ハンダ付けの際は被覆を剥がした部分のリード線にアルミの放熱クリップを挟んで、LED側のハンダが取れないようにします。
被覆が被っている側のリード線をパイプに通して灯具の形を整えます。盛り上がった半田はヤスリ等で除去します。
形が整ったらパイプを所定の長さに切断します。カッターナイフでパイプを転がして折り曲げると、リード線を傷つけずにパイプが切断できます。切断が終了したらパイプに割りピン状に整形した帯板をハンダ付けします。この部分が取り付け部兼片方の極になります。
次に0.3㎜のプラ板を折り曲げてシェードを作り、形を仕上げます。
塗装して完成です。
データシートを参照して抵抗を選び、点灯させてみます。抵抗値の算出方法はウエブサイトを調べれば電流値、電圧等を入力して抵抗値を計算してくれるウエブサイトは多数見つかります。実際に点灯させてみると駅の入り口の照明としては少し輝度が高い気もします。今後輝度減らす対応が必要になるかもわかりませんので、建物への取り付けは後回しとします。
これで駅舎の建物はほぼ完成です。建物内部の仕上げは細かい情景を作り込む際に行うこととし、次回以降、またレイアウトの地形の工作に戻ることとします。