鉄道趣味を50年続けて思うこと(6) ~海外の鉄道模型と日本の鉄道模型の楽しみ方の差について~

今月届いたMärklin Magazine(2026/03(june|july)に日本の鉄道模型に関連する記事が掲載されていました.

記事は”Märklin instead of a mini bar(直訳するとmini bar の代わりにメルクリン)というもので,内容はドイツのある鉄道模型ファンが自宅のspare bed room(Guest room?)にMärklinの小型レイアウトを製作したという記事なのですが,この中で私の興味を引いたのは記事の中でこれを,作者の家の中に日本の鉄道模型の文化の一部を取り入れたいう説明があることでした.この記事はその文体から察するに多分Märklin magazineの記者(スタッフ)が製作した方(ドイツの測定機器メーカーに勤める工学博士)を取材して執筆したものと思われます.Märklin magazineは欧州の一鉄道模型メーカーであるMärklin 社が発行する雑誌で,いわばMärklin 社の宣伝誌です.ただ,私はドイツに居住したことはないものの,出張のおりに都市部の書店の雑誌コーナーではよく見かけた雑誌で,一般にも販売されている雑誌でのようです.私は今まで海外の模型人が日本の鉄道模型の楽しみ方をどのように感じているかについての文章に触れる機会はありませんでしたが,その正確性はともかく,この記事は少なくとも欧州を代表する鉄道模型メーカーが日本の鉄道模型ファン(メーカーからの観点で言えば日本の鉄道模型市場)をどのように見ているかについての一つの参考となるように感じましたので今回紹介してみたいと思った次第です.
 何故spare bed roomに設置したレイアウトと日本が関係あるかというと,それは氏が仕事でたびたび訪れる日本で知った秋葉原のホテルの”Train room”から着想したためのようです.
記事の中で日本の鉄道模型の楽しみ方についての言及もあります.その内容は「日本は”少なくとも”鉄道模型という趣味はドイツと同じくらいポピュラーな趣味であり,多くの博物館(大宮の交通博物館,京都の鉄道鉄道博物館,横浜の原鉄道博物館)には大きなレイアウトがある」ということを述べる一方,「日本人のアパート(和製英語のマンション?)では彼らが模型を楽しむスペースはドイツに比較して圧倒的に少ない(much less space in their apartments than we do in Germany)」ため「彼らが”home Layout”が製作できる機会は少なく,そのため日本のファンは車両の収集のみを行ない,列車を走らせる場合には料金を払って専門店のレイアウトで車両を走らせている」というものです.この内容は日本の鉄道模型の楽しみ方を少し表明的に捉え,両国の楽しみ方の違いを強調し過ぎているとも思いますが,氏はレンタルレイアウトで料金を払って車両の運転を楽しむ鉄道模型ファンの究極の姿がホテルの”Train room”のレイアウトで車両を運転して楽しむファンであると感じたのかもわかりません.上述の日本は”少なくとも”鉄道模型という趣味はドイツと同じくらいポピュラーな趣味であるという文章(the model railroad hobby is at least as popular as it iis in Germany)の中の”at least”という語句の中には作者(雑誌編集者?)が日本の鉄道模型の楽しみ方と自身の楽しみ方に距離を置いているようにも感じます.また記事の中にhome layoutという言葉が出てきますが,氏がGuest roomに設置したレイアウトは”his own private layout”と記載され,彼らの間では一般的な”home Layout”とは異質のものであるということも窺わせます(日本のレイアウトは模型クラブのレイアウト以外は圧倒的に後者が多いのではないかと思われます).Märklin社が拡販のために日本の鉄道模型市場(模型ファンの実態)をリサーチしたかどうかは全くわかりませんが,欧米のメーカーはもしかしたら何らかの調査を行ない自国との鉄道模型の楽しみ方の違いをある程度認識しているのかもわかりません.

記事には秋葉原の街並み,模型店のレンタルレイアウト,ホテルの”Train room”の写真が掲載されていますが,これを日本の一般的な鉄道模型の楽しみ方だと解釈しているのあったらちょっと違うかなという気もします.街並みの画像処理(色合い)も「異世界」を強調しているような気がします.

外国型と日本型の模型を楽しむ私は兼ねてからその楽しみ方には違いがあるということはよく感じるとところです.昨年は戦後間もなく創刊された機芸出版社発行の雑誌,「鉄道模型趣味」が通巻1000号を迎え,創刊号を含め初期の紙面がPDFファイルで公開されました.その中で主筆の山崎喜陽氏は戦前の国策にも利用された車両工作中心のModel Engineeringを脱却し,車両をレイアウトをトータルで楽しむModel railroaderになることを提唱していますが,現在でもどちらかというと車両工作と収集が主体であることは変わらないような気がします.そしてその最大の理由は上記の記事にもあるような日本の家屋のスペースの圧倒的な狭さではないかと思われます.かつて日本の家屋は諸外国から木と紙でできたウサギ小屋と言われたこともありますが,木と紙でできたというのはともかく,広さという意味では特に都市部(東京)においてはこの当時より悪化しているような気さえします.私が前回まで紹介したレイアウトセクション(組み立て式レイアウト?)による運転でも,現在の日本家屋は昔のように襖や障子を開ければ(外せば?)大きなスペースを確保することが困難であり,スペースという観点で昭和の時代より難しくなっているような気もします.一方,当時の雑誌記事を読んでいると記事は車両の製作記事と米国のレイアウト製作に対する細かい技法の説明が主体です.この時にもしModel railroaderになることを提唱した山崎氏と編集スタッフがこのスペースの圧倒的な不足に対し,組み立て式レイアウトという安易な解決手法に走らずに自ら雑誌の読者がスペース不足という困難な課題を克服してでも思わず製作してみたくなるような米国でいうところのDoor Size のPortable Layoutを製作し,読者に提示していれば多少事情が変わったと思ったのは私だけでしょうか.

創刊初期のTMS誌を読むと,当時主筆の山崎氏が日本の鉄道模型をどのように導いていこうとしていたかがよくわかりますが,それと同時に「模型マニア」が作る雑誌の限界のようなものも多少感じました.

また,最近読んだ社会学者の辻 泉氏が執筆した『鉄道少年たちの時代ー想像力の社会史ー (2018  勁草書房)』では昨今の日本のNゲージまで及ぶ車両の細密化について,日本の国鉄の分割民営化の影響を指摘しています.それによるとかつては日本の鉄道(趣味の主な対象である在来線)は当時の少年たちにとってまだ見ぬ地(戦前は「大陸」も含まれていたようです)への夢を与える「想像力のメディア」であったのに対し,国鉄分割民営化以降は彼らがその拠り所とした夜行列車の廃止等もあり鉄道(在来線)が全国を結ぶネットワークという地位を失ない単なる地域間の交通手段となった結果,少年たち(かつて少年だった大人)はかつての鉄道黄金?時代を想像し,当時を再現しようとして細密モデルを求めるようになり,さらにその想像の対象は個人によって異なるためそこにアニメを主体とする「オタク文化」(コミケなどでみられる二次創作)との親和性が生まれたと解説しています.趣味の楽しみ方は人それぞれであり,オタク文化についても十分理解しているとは言えないため,私はそれについて何かコメントすることはできませんが,特急「こだま」に時代から現在に至る国鉄(JR)の変化を自ら体験した私にとって実物の鉄道の質的な変化は氏の指摘するとおりであると感じました,それに比較すると欧米の鉄道は現在でも当時からの「地位」はあまり変化しておらず(米国は貨物輸送という意味で)欧州のターミナル駅には各国から乗り入れる各国の「フラッグシップトレイン」が見られ,食堂車や寝台車も健在です.もしかしたら私が外国の鉄道に興味を持ったのはそのせいかもわかりません.欧米で鉄道車両は”coach”とか”carridge”という語句で呼ばれることがありますが,この言葉は馬車に由来しているという意味では鉄道は人々の間に根付いた「文化」であるということも感じます(そういう意味では自動車のセダンやクーペも馬車由来です).なお,この件についてはいずれ私の思うところをより詳細に述べたいと思っています.

今回参考にした社会学者辻泉氏の書籍.我々の世代の鉄道ファンの行動が時代ごとに客観的に分析されており,なかなか興味深い内容でした.

一方記事に紹介されているレイアウトはベッドサイズの半分ほどのスペースのレイアウトですが,中央にターンターブルと扇形機関庫を配し,その扇形庫に留置した機関車を周回させる自動運転プログラムが組み込まれたまれたなかなか魅力的なレイアウトです.日本ではこの程度のスペースのレイアウとですとまず情景を細かく作り込むことに重点を置くと思われますが,こここにも鉄道模型の楽しみ方の違いが現れているような気がします.私が製作してこのブログでも紹介した自動運転レイアウト”終着駅Großfurra”はどちらかというと日本のレイアウトに近く,自動運転も単純な往復運転ですが,この記事を読んでいつかはこのようなレイアウトも製作してみたいと思った次第です.

私の製作した自動運転レイアウト”終着駅Großfurra”, 奥が”ALTENHOF機関区”


現在私は以前紹介したZゲージレイアウトの全面的な改修(線路やストラクチャーを再使用しての新作)に取り組んでいます.いずれ形になってきたらまた紹介したいと思っておりますが,下の写真はそのレイアウト上で比較したHOゲージとZゲージの大きさの比較です.鉄道模型の縮尺の違いを車両単体で比較した写真はいろいろなメディアでよく目にしますがこのようなレイアウト上で大きさを比較するとレイアウト製作の場合のZゲージ(小スケール)のスペースの有利さが一目瞭然です.鉄道模型用に十分なスペースを確保できない日本の一般庶民が,幹線をイメージした固定レイアウトを製作しようとした場合に,その解決策は小ゲージの採用が一番手っ取り早いような気がします.

レイアウト上でHOゲージとZゲージの車両を比較するとレイアウト製作におけるZゲージのスペースの有利さがよくわかります.

以上,Märklin Magazineの記事をきっかけに色々思うところを書いてしまいましたがあくまで個人の見解としてお読みいただければ幸いです.
最後までお読みいただきありがとうございました.

レイアウトセクション・ALTENTAL HBFの紹介(12) -情景7(LEDを組み込んだアクセサリ(最終回) )-

前回の記事から3ヶ月以上が経過してしまいましたが引き続きレイアウトセクションお紹介を続けたいと思います.前回までで列車の運行に必須の設備で,計画していたものはほぼ作り終えましたのでその他のアクセサリの製作に入ります.具体的には駅の旅客向けのの設備(案内板,柵等),職員用の設備(照明灯,線路脇に置かれた保守用の資材,作業時の注意表示等),職員及び乗客のフィギュア等になります,その中で今回はその中の旅客用の列車案内表示器や照明灯等,LEDを組み込んだアクセサリを紹介します.これらのアクセサリは表面実装型のLEDの普及により以前に比較してよりスケールに近いものができるようになりましたが,LEDへの給電方法に工夫が必要で事前に構想と詳細設計を確実に行う必要があります.

今回紹介するLEDを組み込んだアクセサリ.照明の制御はm84デコーダーで行なっています.

まずは駅を出発するBR111牽引のLufthanza Airport Expressの動画をご覧ください.

Altental駅を出発するLufthanza Airport Express


以下,今回製作したアクセサリを紹介します.
<列車案内表示器>
現在のドイツの列車案内表示はLED化され,青色のベースに白で文字を表示している例が多いようですが,今回製作したものは一昔前の機械式のタイプで白色のパネルに発車(到着)時刻,列車種別,愛称,行き先等が表示されるタイプのもので,反転フラップ式と呼ばれるタイプ(いわゆるパタパタ式)です.日本ではこのタイプは見られなくなってしまいましたが,漢字がなくキャラクタ数が少ない欧米では文字数が少ないためまだ稼働しているところがあるようです.
その構造を下図に示します.表示器の支柱は真鍮製で柱の2㎜の角パイプと横梁の2㎜の丸パイプをはんだ付けで組み立ててあります.この組み立ての際には角パイプの中にリード線を通して接続部に設けた角パイプの切り欠きから線を横方向に出しておきます.リード線はAWG#32を使用し,表示器が2機の場合はパイプの中にリード線を2本通して両側に出しておきます.LEDは白色の表面実装型のLEDを使用し,細長く切断した1㎜厚の片面銅張基盤(パターンなしの基板)のパターンをPカッターを使用して図のような形状に剥がし,その絶縁部を渡す形で2個のLEDが直列接続となるように取り付けます.表示器を1本の支柱に2台取りつける場合,カソード側を共通としますのでリード線をLEDのアノード側に,支柱に接続する側のLEDがカソード側となるように取り付けます.
基板が完成したらこの基盤を支柱横梁の所定位置に接着し,パターンの片方を支柱を通したリード線に接続し,反対側のパターンを細い銅線で支柱に接続します,これで支柱部の加工は終了ですのでこの後LED部分をマスキングして全体を塗装します.
表示器本体はプラバンとペーパー製です.枠体は細い枠になりますので金属での製作も考えたのですが近傍に電極がありショートのリスクがあり,万一発生すると場所の特定に時間がかかることが予想されましたのでプラ製としました.枠体は図に示すように上部にLEDを取り付けたベースをはめ込む開口部を設け,取り付け前にその部分からガラスとなる透明プラバンを入れて枠体に接着し,中央部に表示板を取り付けます.表示板は2枚重ねとしてフラップ式の表示を表現しています.表示板の文字はワープロソフトで製作し,コンビニのプリントサービスでラベル紙に印刷しました.このような細かい文字は家庭用のインクジェットプリンタでは解像度不足であるとともに線の周囲にはインクの飛び散り(サテライト)が生じますのでこのような用途には適しません.なお,このような細かい文字で表示を製作する時は活字の1ポイントが0.3514㎜であることに留意すると所望の大きさの文字が比較的簡単に製作できます(これはJ ISの値で外国では多少違うようですが違いは僅かで誤差範囲です).プリンタで正確な寸法が印字されるわけではありませんが大きさを変える際,何ポイント変えればどのくらい喧嘩するかの予測がつけやすくなります.完成した表示器はホーム上に約280㎜間隔で配置しました.なお,この製作したような照明のついた設備はあまり数が多くなるとかえって目障りになりますので最終的には実際に設置しながら間隔や個数を決める必要があります.この時足りなくなると大変ですので私はこのようなアクセサリを製作する際は部品は多めに用意することとしています.

製作中の写真を以下に示します.
本体(支柱)は真鍮製ですが,正確なT字型とする必要がありますのでベーク板を組み合わせたジグを使用してはんだ付けにより組み立てます.

支柱の組み立ては簡単なジグを製作して行います.

はんだ付けによる組み立て前にはリード線(耐熱電子ワイヤー.AWG #32)を支柱に通しておきます.角パイプの切り欠きを大きめにとってリード線がパイプに密着しないようにすればはんだ付け時にリード線の被覆が解けてしまうことはことはありません...

はんだ付けによる組み立てが終了した支柱部分

LEDはPカッターで筋彫りして3つのエリアに分割した銅張基板上に取り付けます,2個のLEDは直列接続としますので極性に注意して取り付けます.

完成後基盤をそ定位置に接着取付け後に配線,塗装を行います.この基板に表示器を取り付けますのでその際基板が傾いているとも見苦しくなります.そのためこの取り付けにもベークライト製ブロックによる簡単なジグを使用しました.

ジグを使用した基板の接着

点灯試験中の支柱です.リード線がLEDアノード側に接続されますので制限抵抗はリード線側に取り付けます

点灯試験中のLED.電源は9VのACアダプタを使用しています.

列車案内板の文字はレーザープリンタで出力したものを使用します.両面に角穴を開けたラベル紙を貼り付けますので4枚重ねとなります.

レーザープリンタで文字を印刷した表示板

列車案内表示器の枠はプラバンから製作し外側を塗装します.塗装は筆塗りで行いましたが内側は塗装せずプラバンの地色をそのまま生かしますので塗装時は塗料が内側に付着しないように注意が必要です.

塗装中の案内表示器の枠

完成した表示器本体です.この後支柱の基板に接着し,完成となります.

完成した列車案内表示器


<時刻表・列車編成表.広告掲示板>
ドイツの主要駅ではホームに時刻表と優等列車の列車編成表が掲示されている駅が多くありますが,その案内板にもLEDにより照明を組み込みました.こちらもLEDは細長い銅張基板に固定していますが,こちらの2個のLEDは並列接続とし,給電は両端にはんだ付けした真鍮角パイプで行なっています.時刻表はWEBの素材を利用しましたが,文字は細かくて判読不能です.ただ時刻表は出発時刻を表示しているものと到着時刻を表示しているもので色が異なります(発射時刻は黄色)ですので2枚の時刻表の色を変えるとそれらしく見えます.なお幅の広い案内板はLEDを直列接続で複数個設けてあります.並列接続ではLEDのばらつきにより両者を流れる電流が異なり輝度差が生じる可能性があると言われていますがこのような使用方法では全く認識できませんでした..

組み立てを終えた本体です.この後塗装するとLEDの曲製がわからなくなりますのでレイエウトに取り付け後に配線する場合を考慮して左右の足の長さを変えてあります.

はんだ付けにより組み立て中の表示板枠体

中央部にプラバンをはめ込んだ後基板をEvergreen社製のチャンネル材で覆って完成です.

表示板と基板カバーを取り付けた案内板,このあと塗装を行って完成となります.

同様の構造で広告の掲示板も作成しました.
<照明灯>
聡明等はT字型のランプが支柱の両側にあるタイプを製作しました.両側にある2個のLEDは直列接続としますのでLEDの取り付け方向には注意が必要です.支柱は直径2㎜の真鍮パイプを使用します.LEDを取り付ける銅張基板は3分割として中央部のパターンの中央部に穴を開けてリード線を通した後と真鍮パイプにはんだ付けします.そのリード線を片方の電極にはんだ付けし,反対側の電極とは太さ0.15㎜にの高密度ポリエチレン銅線で接続します.この際基板はガラス入りの素材ですのでドリルが摩耗しますので,注意が必要です.私はドリル刃を研ぐ技量を持っていませんので古めのドリル刃を損耗覚悟で使用しました.シェードはプラバンを箱状に組み立てて成形したものをゴム系接着際で取り付けました.

組み立てが終了した照明灯の外観です.

組み立ての終了した照明灯

シェードはブラバンを削って製作しました.組み立て後LEDの部分をマスキングして塗装し,完成となります.

プラバンから製作したシェードを取り付け塗装を行うと完成です.

表面実装型のLED各色とも1個10円前後で入手でき,ハンダづけ時の過熱に気をつければ特に取り付けにもぞかしいところもなく比較的簡単に製作できますが,白色やWarm White色のLEDは表示の照明に使用するには輝度が高すぎる感もありますので場所によってはトレーシングペーパーや薄いプラバンで覆う等して輝度の調整をした方が実感的になる場合があります.

以上でLEDを使用したアクセサリの紹介を終わります.この他表面実装型のLEDは,駅終端の車止めのランプの中にも仕込んであります.また,現在使用している照明制御用のm 84デコーダーにはまだ空きポートがありますので,今後駅ホーム上にProceed indicator(日本の出発反応標識)を設置し,信号機と連動させて制御することも検討しています.

これらのアクセサリの製作が終了すると,あとは配線等の”付帯工事”を伴わないアクセサリをレイアウト上に配置していく作業となります.これらについては運転を楽しみながら「気ままに」配置していくという作業となりますのでこの紹介記事はここでひとまず終了し,その進捗に応じて適宜(不定期で)紹介したいと考えています.
最後までお読みいただきありがとうございました.

レイアウトセクション・ALTENTAL HBFの紹介(11) -情景6(架線関連設備)-

前回の信号機に続き今回は架線柱をはじめとした架線関連設備を紹介します.これらの設備も信号機同様実物の電化区間では必須の設備ですが,模型の機関車や電車を列車を運転するのに必須の設備ではありません.一方今回のような固定レイアウトではない可搬式のレイアウトセクションでは架線関連設備はは非常に破損しやすい設備ですので取り付け強度等,製作にあたっては色々考慮すべき点も多くあります.今回はその辺りについても述べてみたいと思います.それではまず最初にクロススパンの下を撮って駅に侵入するDouble Deckerのプッシュプル列車の動画と架線下に停車する電機の写真をご覧ください.

タワーマストに吊られたクロススパンの下を通過するDouble Decckerの近郊列車
レイアウト上のBR193とBRE10.3.パンタの構造に関わらずパンタ上昇時の摺板高さはほぼ同一です.

仕様書には基本となる構造と使用する製品の名称,架線柱とクロススパンの概略位置,ブラケットやクロススパンの高さ等を記載しました.
d) 架線柱
架線柱,タワーマスト(アンカーマスト)はSommerfeldt製の製品を使用する.
ブラケットおよびクロススパンは真鍮線による自作とする.クロススパンは直径0.6㎜の真鍮製.ブラケットは直径0.7ミリの真鍮線を使用し,はんだ付けにより組み立てて後ラッカー塗装を行う.
架線は省略する
使用する製品と使用数は下表のとおりとする

架線柱の概略配置図を下図に示す.架線柱,タワーマストの感覚は360㎜前後として適宜配置する.またパンタグラフの摺板と高さ方向で干渉する恐れのある部材の高さはレール上面より78㎜以上とする.

レイアウトに用いる架線柱のタイプはドイツ鉄道(DB)で多く用いられているLattice-type(格子構造)のタイプとしました.最近の高速新線等の架線柱はコンクリート支柱が用いられているようですが,Era III~EraIVの時代の車両が走るレイアウトにはやはり緑色に塗装されたLattice-typeの架線柱が似合います.日本では鉄道に用いられている碍子はほとんどが白色ですが,ドイツの鉄道では茶色の碍子が一般的なようです.また,機能はよくわかりませんが,架線柱の中には1本の架線柱に同方向に延びる2個のブラケットが装着されているタイプもあり,日本に比較してブラケットが大型で架線の上下寸法も大きいため線路が輻輳している駅構内では日本より架線設備が目立つ印象を受けます..

一方,ヤードや複々線区間では線路脇に建てられたタワーマスト間に渡したクロススパンで各線路の架線を支持しているいるところも多く,こちらはタワーマストが外側の線路の脇に建てられているのみであり,線路間には架線柱がなく,架線を支持する鉄製の横桁もないため見通しがよく,広々とした印象です.

日本ではタワーマストとクロススパンで架線が支持されている例は多くありません.私が知る限りでは東北本線の郡山駅の一部や奥羽本線の東能代駅で見ることができました.ただし東能代駅ではクロススパンで鉄製の横桁を支持しており,欧州の一般的なクロススパンによる架線支持方法とは異なります(写真は80年代のもので現存しているかは不明です).そこで今回は欧州の雰囲気がより感じられるように待機線とホーム上屋の間の架線支持方式にはタワーマストとクロススパンを用いました.

Lattice-typeの架線柱とTower mastはSommerfeldt,Märklin, Vollmer(Viessmann)社等から発売されていますが,仕様書に記載したように今回使用した架線柱とタワーマストはSommerfeldt社の製品です.Sommerfeldt社は鉄道模型の架線システムとパンタグラフを主に発売しているメーカーで架線柱は各国の種々のタイプを製品化しています.一方各社とも架線柱はパンタグラフによる架線集電に対応させているため,ブラケット付きの架線柱を使用してそのままベースに取りつけると架線を張らない場合はブラケットとパンタグラフが干渉してしまいます.Sommerfeldt製のブラケット付きの架線柱には嵩上げ用の部材が入っていますがそれを用いると実感を損ねてしまいます.それでもSommerfeldt製の架線柱にはブラケットがない架線柱がありますのでブラケット部分を自作すれば架線を張らなくてもパンタグラフと干渉しない架線柱が製作可能です.またタワーマストも色々な高さの製品が用意されており,その中から製作するレイアウトに適した製品を選択することが可能です.一方この架線柱は他のメーカーの架線柱と異なり架線柱に下部に固定用のM3-M4のボルトがついており,ベースに穴を開けて裏からナットで固定することにより架線柱やタワーマストをベースに強固に取り付けることが可能です.また本体は金属であり,多少何かをぶつけても樹脂製の架線柱のように折れることはありません.

Sommerfeldt製の架線柱は柱に固定されたボルトとナットによりベースに強固に固定することが可能です.

これは今回のような可搬式のレイアウトでは大きなメリットになります.反面,取り付け部が強固であるがゆえに何かが柱に強くぶつかると変形してしまい,形状がLattice-typeであることと相まって修復が大変(最悪の場合は交換)になりますので注意が必要で,特に今回のような床面に置くレイアウトでは足を引っ掛けないように注意が必要です.Sommerfeldt製のタワーマストの高さは140,160,200㎜の3種類ですが,私はその中で一番高さの低い140㎜のマストを使用しましたが実物のマストの高さはかなり高く,タワーマストを左右間隔約250㎜で配置する今回のレイアウトではタワーマスト間に渡すクロススパンの上下寸法が実物の印象より小さくなり実物の印象と少し異なってしまいます.しかし高さが高いと取り扱に支障をきたし,破損のリスクが高くなるように感じたためあえてこの高さの製品を採用しました.一方架線柱に取り付けるブラケットとTower mastに取り付けるクロススパンはパンタグラフと干渉しない形状として真鍮線により自作しました.欧州では架線集電の際の架線高さと車両のパンタグラフの高さはNEM規格(Normen Europäischer Modellbahnen(独語),英語ではStandards for European Model Railroads)で規定されており,架線高さはNEM201: Power wire Location でレール上面から60-73㎜(標準値69㎜),車両のパンタグラフの摺板高さはNEM202:Pantograph with Oveehead Wire Operation でレール面上から60-75㎜と規定されています.実際に手持ちの車両の摺板位置を測定すると73㎜前後でこの規格に適合しています.ちなみにNEM202にはパンタグラフの摺板の幅も国に応じた2種類が規定されておりNEM201にはカーブでの架線の許容変異量から架線柱の間隔を求める計算式が記載されています.このNEM規格と実際の車両の摺板高さの即位亭結果からこのレイアウトではブラケット,クロススパン共にパンタ摺板位置の高さはレール面上から78㎜を基準として製作することとしました.その製作過程の写真は下のとおりで,方眼紙上に作図したブラケット,クロススパンの形状をベーク板状に罫書き,真鍮線をマスキングテープで固定してはんだ付けしました.真鍮線はクロススパンは直径0.6㎜,ブラケットは直径0.7㎜の真鍮線を使用しました.クロススパンに使用する真鍮線は280㎜程度の長さが必要ですが,最近模型店で販売されている袋入りの真鍮線は長さが250㎜前後ですので使用できず,長尺の真鍮線を販売している模型店で入手しました.なお,架線柱に取り付けるブラケットの形状は製品の架線柱に開いているブラケット取り付け用の穴に合わせて決めてあります.組み立てには温調タイプのハンダゴテを使用しましたが,小手先温度が一定のため各部をはんだ付けする際にハンダの流れが一定となり快適な作業が可能でした.

ベーク板状で組み立て中のブラケットとクロススパン

クロススパン,ブラケットは完成後ラッカーをエアーブラシで塗装し,碍子をはめて完成となります.碍子は茶色のSommerfeldt製のものを使用しました.

Sommerfeldt製の碍子.日本の碍子とは色も形状も異なります.

なお架線柱の間隔は360㎜を基準とし,適宜増減しました.基準寸法を360㎜としたのはMärklin製の架線の最長長さが360㎜であるためその寸法を基準値としたためです.ちなみにSommerfeldt社の架線の最大長さは500㎜です.発着線と待機線の終端には架線終端のアンカーマストを設置し,マスト間に0.6㎜の真鍮線で製作したワイヤーを渡してあります.最初の設計段階ではアンカーマストを建てるスペースをあまり考慮していなかったため,待機線側はマストを建てるスペースが十分取れず,アンカーマストは架線柱を利用したものとなっています.実物の写真からもわかるようにタワーマストやアンカーマストの根本部はかなり太いため,設計時にはその大きさを考えてベースの大きさや周囲の建造物の配置を考える必要がありますが,今回のレイアウトではその検討が不足していたことが反省点です.

またホーム上屋内には実物にならい架線を固定するバーに似せた形状の部品を真鍮線で製作しドーム内に取り付ました.

線路上に上屋がある部分では架線は横方向に渡したバーに固定されています(Düisburg).
ホーム上屋に設けた架線支持部材

日本と異なり欧州の車両はアナログ時代には多くの車両が架線集電に対応していたためもあり,NEM規格では架線システムに対する多くあり,今回も架線(ブラケット)高さ等の寸法を決めるにあたり,NEM規格が設計の根拠として参考になりました.日本では固定レイアウトが少ないせいか架線柱を販売しているメーカーはあれど架線システムを販売しているメーカーはありません.今回架線柱を製作するにあたり改めてNEM規格に目を通したのですが,欧州では各国のメーカーが標準寸法が異なる各国の車両を製品化しているせいか,それらの車両をレイアウト上で走らせるために多岐にわたる規格が制定されています.また架線の高さはNMRAもStandard(RP:Recomended Practiceではない)規定しています.一方日本の現状は,最も基本となるスケール,ゲージについて1/80で16.5㎜の線路上使用するという日本独自の規格を制定して以降,それに付随する規格(Standard)は存在していません.車輪の形状等はNMRA規格を適用することは可能ですが,架線システムは国や地域で仕様が大きく異なり外国の規格の流用はできません.DCCの普及により架線から実際に集電して走る模型は今後減少していくと考えられますが,今回のようなレイアウトを日本型で製作した場合,ブラケットのパンタグラフと最も近い位置に設ける部材の高さはどの値に設定すれば良いのかが少し心配になりました.私の手元には実物がないのでわからないのですが各社の種々の形式の車両を線路上に置いたときパンタの摺板高さは大体揃うのでしょうか.

SBBのCrocodileも摺板高さはDBの機関車とほぼ同一です.

以上がこのレイアウトセクションの架線システムの概要です.これで模型の運転には必須ではないもののレイアウトの情景としては必要である信号機と架線システムの紹介が終わりましたので次回以降は情景のさらに詳細な部分について紹介していきたいと思います.

架線柱の下に停車するBR110.3とBR189

以上,最後までお読みいただきありがとうございました.

レイアウトセクションの製作:蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(21) -最後に-

今まで20回にわたり私の製作したレイアウトセクションを紹介してきましたが,今回はその最終回としてとして私がレイアウトを製作しながら感じてきたことを記してみたいと思います.
⚫︎ レイアウトの細密度
最近の雑誌の自作車両の紹介記事ではキットを加工して細密化した車両の紹介記事が数多く見られます.その記事を見ると外観部分の加工のパターンの多くはキット部品の追加工による細密感の向上と部品の追加(細密感のある部品への交換)です.私もかつてキットの細密化を目指して加工を行なってきましたが加工箇所や交換・追加部品として何を購入するかは事前に計画を立てておく必要がありました(目論見が外れて余ったパーツも多数ありますが).「細密」の語釈は広辞苑によると ”細かいところまで行き届いていること.緻密,細密,綿密” と記載されています.ちなみにMuarklin社のカタログを見るとハイディテールのモデルには”Intricaate Model “や”fine detailed construction”という表記が見られます.

今回の私のレイアウトの製作過程を振り返ってみると最初にテーマ(北海道の機関区)を決めて建物等の構想を始めましたが車両を製作する時のように構想段階で細密度のレベルを考えるということはほとんどありませんでした.極力市販のストラクチャーやパーツは使わないという方針は立てましたがそれは類型化を避けるためであり市販品より「細密」にすることを目指したわけではありません.
一方,欧米では車両製作よりもレイアウト製作が主流ですが,私が毎月購読している米国の”Model Railroader”誌を読んでいると”realism”という単語が目立つような気がします.”realism”の和訳を「現実感」とすると,ここではrealismとは「レイアウト(+車両)を見て実感的に感じる」ということではないかと思います.一方車両の「細密化」は「車両を見て実物のように感じる」ようにするための手段で実現にはEngneering的な要素が多くそこに感情の入る余地はあまりありません.細密化は手段でrealismは細密化の結果です.それに対してレイアウトを実感的に仕上げるためのアプローチは多種多様であり,Engneering的要素の他に感性が必要で,造作の細かさはレイアウトを実感的と感ずる要素の一部でしかありません.そのために細密レイアウト(fine detailedなレイアウト)という概念は存在しない気がします.

⚫︎ レイアウトの「実感」とその限界?
レイアウトの設計にあたり特に気をつけたのは建物の大きさです.幸い日本家屋は”1間”という建物の統一基準がありますので横方向の寸法どりは比較的容易です.問題は高さ方向で基準はあまり明確ではありません.こちらはかつてTMS誌に掲載された荒崎良良徳氏執筆の”日本の木造家屋”という記事を参考に写真も参考にしながら寸法を決めました.ところが建物が出来上がって配置してみると何となく建物が小さく感じます.国鉄の蒸機の全高は4m弱ですので土台の低い機関区の建物は結構小さく見えるのですが,それでも想定より少し小さく,少し大きめに作った方が良かったのかと思いました.ただよく見るとどうも建物が小さく見える原因は線路の軌間の広さのような気がします.特に車両がいない詰所前でフィギュアが配置されているところを見るとその感が大きいように感じます.

建物とフィギュアに対してレール幅が広い印象ですが,”16番ゲージ”の場合これはどうしようもありません.

また蒸機が出区していくシーンを望遠マクロで前がちに撮影すると車両単体で見た時よりも「ガニ股」が気になります.私は今まで外国型のレイアウトを製作していたので当然のことながらこの辺りには全く問題を感じていなかったため余計気になったのかもわかりません.もしレイアウト上で細密機と調和する実感的なレイアウトをを製作したいと思ったらまず行なうことは13㎜ゲージの採用なのかもわかりません.

車両の細密化を行っても期間の広さはどうにもならず,実物の印象とはやや異なります.

⚫︎ レイアウトの作成にあたって留意したこと
このブログでたびたび触れてきた鉄道模型隅に掲載された記事に1951年のTMS誌に掲載され1971年に再掲された故中尾豊氏の”鉄道模型における造形的考察の一断面”という記事があります.この記事はTMS1000号に添付されたDVDの中の1951年1月号に収録されていますので読まれた方も多いと思います.その中で中尾氏は(以下引用)「我々が一般に「実感」と呼ぶものは,単に実物らしく見えるとか実物を彷彿せしむるのに充分であるとか言ったものとは多層趣きを異にしている.それはすなわち”我々があらかじめ実物に対して抱いている美的感動やそれに関する記憶や連想の基礎の上にモデルの鑑賞者としてモデルに接した時に感ずる思考の作用が一つの昇華作用を起こしてそれに一致する”ことである.」と述べておられます.私はこの言葉自体に全く異論はなく,モデルにおける実感はただ実物を正確に縮小して製作しても得られないということは忘れてはならないことだと思います.ただ,この記事を読み進めていくと中尾氏は「車両の模型」を念頭に述べているように感じます.実際に風景を1/80に縮小したレイアウトを製作することは不可能ですし前述のDVDの中に収められている創刊間もない頃のTMS誌を見るとレイアウトの紹介記事はほとんどなかったことからもそのように推察されます.一方これも過去に触れましたがModel Railroader誌の2024年10月号にTony Koester氏がTrain of Thought というコラムで“The look and feel of the place” と題した記事を執筆されています.この中で氏はPrototype Modeling(実物を「縮小して再現」するレイアウト?)についての留意点述べておられます.それを要約(意訳)すると① Prototpe Modelingは実物を厳密に縮小しなくても良い.どのように再現するかについて熟考し,無謀な朝鮮はすべきではないがすぐには諦めないことが必要である.② Prototpe Modelingの目的は特定の場所,特定の時代の雰囲気を再現することである ③最終的にレイアウトにするためにその「特定の場所」を繋ぎ合わせてリアルな鉄道として完成させる ④ レイアウトの製作にあたっては再現する場所の縮尺図を入手し、選択した縮尺に合わせて正確な位置にレールを固定する必要はない.それよりシーンの本質を捉え、その場所と時代を鑑賞者に伝えるための重要な特徴がそこに存在するように製作する.という内容です.これを読んだ時この内容は上記の”鉄道模型における造形的考察の一断面”のレイアウト版のように感じ私は常にこの言葉を意識しながら製作していました.
⚫︎ 「それらしく作る」ということの楽しみ
上にModelrailroader誌に「realism」という文言が多い印象があると記しましたが私が子どもの頃読んでいた「小供の科学」や「模型と工作」等の科学雑誌に掲載されていた車両の作り方の記事には「それらしく作る」という文言が多かった印象があります.フレーズとしては「xxはyyを利用してそれらしく作ってください(作りました)」というようなフレーズで,鉄道模型の専門誌であるTMS誌にもこのフレーズは見られたように記憶しています.パーツの充実等もあり現在では車両工作記事でこのフレーズを見かけることは殆んどありません.ただ,レイアウトでは山も樹木も「それらしく」作るほかありません.今の時代,車両製作で細密機を製作する場合「パーツを購入して半田で取り付けておしまい」という工程が数多く,制約条件の中で色々工夫して工作し実感的な車両を製作するという楽しみがなくなっているような気がします.レイアウトの製作ではこの「制約条件の中で工夫して作り上げる」という楽しみが数多く残されており,「それらしく」作ったものがレイアウト上で「実感的」に見えた時には達成感を感じ,車両製作とは違った鉄道模型の楽しみ方を味わえるような気がしました.またレイアウト上を走る車両も厳密に実物の形状を再現しようとせず「それらしく」作ってもそれほど実感を損ねない場合もあるようです.冒頭の写真のC12もそうですが,私の製作した711系モハ711では変圧器や半導体の冷却装置はホワイトメタル製の気動車エンジンと客車の冷房電源用のディーゼル発電機を利用して「それらしく」作ってあります.それでもレイアウト上ではそれほど違和感はありません.

床下機器にDC用のホワイトメタルパーツを使用したモハ711.左の機器の空気取り入れ口は103系車体のモーター冷却風取り入れ口パーツをを流用しています.

以上,レイアウト完成後に私が思っていることを記載させていただきました.内容の中には過去に記したことと重複している部分もありますが,それらの思いは今回のレイアウトを作った後でも変化がないことの印としてお許しください.
以上をもって本レイアウトの紹介を終わります.最後までお読みいただきありがとうございました.

レイアウトセクションの製作:蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(20) -レイアウトの製作を終えて思うこと(レイアウト上で実感を得るための車両の細密度)-

私が機関区のレイアウトを製作し製作しその中で機関車を運転して感じたことは実感を感ずるためにはある程度以上の細密度不要でより重要なのは全体のプロポーションであるということでした.一方最近の雑誌の車両工作関連の記事を見ていると自作(キット組み立て)車両の細密化には目を見張るものがあり,その細密化は運転のためのゲージと言われたNゲージにも及んでいます.当初私はレイアウトの完成後レイアウトをDCC化しようと考えており,その選択肢としては今のところ市販のDCCに対応した蒸機を購入するしかありません,私は今まで私は車両は自作を行ってきたためあまり市販品の状況には関心はなかったのですが,改めてレイアウトに使用する車両を購入するという目で市販品をみると,DCC対応製品もそれ以外の製品も常時市場に多種の機種が在庫しているとは言えず欧州のメーカーのように向こう1年間の新製品がまとめて発表されるわけでもありません.またてい新製品が発表されても発売日未定の製品が少なくありません.レイアウトに似合う好みの車両を新たに入手する目処は全く立てることができないと言うのが現状です.

それはさておき私は以前の記事でレイアウト上で実感を得るための蒸機の細密度は老舗メーカーのダイキャスト製品ではないかということを述べました.そこで今回は市販品(量産品)の蒸機はどのような方法でその質感と細密感を出しているかについて調べてみようと思いました.とは言っても手元には日本型の製品はありませんので今回は各年代の製品が揃っているMärklin社製の蒸機で外国型の機関区セクションを用いて比較してみたいと思います.日本型レイアウトの紹介記事でありながら外国型車両の話になってしまうこと,ご容赦ください.

外国型レイアウト”ALTENHOF機関区”上に並ぶ入門機(手前側: BR03)とfine detail機(後方:BR50)

下の写真は1998年に発売されたDigital Starter Set (#29845)にアソートされていたBR03です.上の写真の手前側に停車している車両です.機番は1022号機で青色(Steel biue) 塗装の機体です.スターターセットの機関車ですのでディテールは最小限で,異なる機番の黒色塗装機は入門者向けの”HOBBY”シリーズで長年単体販売されていました.スターターセットにはこの機関車の他にディーゼル機(V160)1台,客車3両,貨車4両,レール,分岐器,トランス,デジタルコントローラー(#6021)が同梱されており,それらを別に購入するのに比較して非常に安価なセットです.この機関車の金型は1973年に発売していたBR003等と同じ金型ではないかと思われ方に彫刻されているロゴは旧ロゴで原産国はMade in West Germanyと彫刻されています.手すりや配管は全て型で表現されており別付けパーツは発電機,汽笛,ベル,コンプレッサ程度です.ただ,ダイキャストの肌面は塗装は現在の製品と比較しても遜色なくプロポーションも良好です.

ダイキャスト製BR03.第3動輪のスポーク部が完全に抜けていないのは動輪にギアが取り付けられているため.

余談ですが1974年頃,日本でもダイキャスト製のC62がマイクロキャストから発売されました.TMS誌のマイクロキャストの広告には三井金属の名称があり三井金属ブランドの製品もあるようです.構造は上記のMärklin製の蒸機に似た構造ですが当時のTMS誌の製品の紹介によると空気作用管が別付けであったりロストパーツも取り付けられていると記載されており,単に初心者向けの安価なモデルを狙ったわけではなかったようです.写真を見る限りではキャブ周りの印象が実機と少し異なりますが真鍮製蒸機と並んでレイアウトにいてもそんなに違和感はなかったのではないかと思います.価格は当時の真鍮蒸機と同等で決して廉価版というわけではありませんでした.当時は真鍮製蒸機に一部に樹脂製品が取り付けられていてもそれだけで拒否反応をおこすマニアも多かったため販売数量が伸びなかったのか,当時のSLブームから想定した新規鉄道模型愛好者の増加の目論見が外れ新機種の型投資が回収できなかったのかは知る由もありませんがC62以外の機種が発売されることはありませんでした.かく言う私も当時真鍮製のC62とこのC62のどちらを買うかと聞かれたら真鍮製を選んだ気がします.

下の写真は上記のBR03のレイアウト上のクローズアップ写真です.全体的なプロポーションには問題はないので遠目に見てあまり違和感はありませんが流石にアップで見ると後付け部品の多いBR50に比較して平面的に見えます.欧州の機関区の建物は日本の建物に比較してバロック風の装飾の多い建物も多く,使用するプラキットの線も割と太いため建物に比較しても少し平面的な印象です.余談ですがMärklinの2025年新製品カタログにはこのBR03と同じ(同等?)の型を使用した新製品がビギナー向けモデルとして掲載されています.もちろんDCCデコーダー(サウンド付き)を搭載しており23個のファンクションが装備されています,ただ現在Märklinの標準製品はMärklin Digital(mfx)とDCCの両方に対応していますがこのビギナー向けモデルはDCCには未対応です.リストプライスはVAT込みで329€です.ちなみに同じカタログに掲載されている標準品?のBR01のリストプライスは549€です.

手前側がスターターセットのBR03,奥側が2000年製のBR50

このBR03の各部の詳細を見ると,ボイラーの配管は全てボイラーとの一体成形です,ただ砂撒管元栓等一部ははかなり繊細な表現になっています.この頃の日本型真鍮製蒸機は砂撒管元栓を表現した製品はまだ少なかったと思いますので日本の真鍮製蒸機より細密です..

スターターセットのBR03の3度ドーム付近のディテール

ボイラーの配管もかなり細く表現されていますが外側の配管はボイラーから庇状に張り出しています.当時の日本の蒸機マニアの間ではオール真鍮製の蒸機以外の蒸機は鉄道模型ではないという風潮も少なからずありました.上記のマイクロキャスト製品のこの辺りの表現がどうなっていたかはよくわかりませんが,蒸機の模型はオール真鍮製一択と言う風潮であった当時の日本では「これはおもちゃだ」と感じた方も少なくなかったと思われます.ただ蒸機ではありませんが最近でも欧米ではファインディテールの象徴?として「手すりが別付け(The Locomotive has separaely Grab Irons)」という説明文がよくカタログに記載されています..欧米ではほとんど車両を自分で製作する方は殆んどおらず車両はメーカー製品一択ですがこの辺りの形態には不満を持っている方が少なくないのかもわかりません.

スターターセットのボイラー上の配管.別付けの配管はなし.

Märklin製蒸機の配管が別パーツ化されるのは今から四半世紀前の2000年前後であった気がします.下の写真は2000年に発売されたBR50ですが,金型を全面的に改修し,バルブギアも改良したモデルで新製品の目玉商品としてカタログで大きく扱われている製品です.このモデルではボイラーケーシング上を這っている配管以外は配管をほぼ別パーツ化しています.そのパーツは場所に応じて金属と樹脂が使い分けられており,ボイラーの全長にわたって取り付けられている手すりや配管が並行しているところは金属線が使用され,プラ製部品ではある程度避けられない手すりの波打ちを避けており,この辺りは遠目から見た時に実感を損ねる部分をよく心得て設計しているという感があります,

2000年製のBR50のディテール.自作品にこのレベルのディテールをつけたらもう細密機?

また下の写真のBR03.10(2010年製)の別付け配管では樹脂製のクランク状になっている2本の配管は互いに独立させず間に間隔出しの部材を設ける等,実機の細部の厳密な再現には拘わらない工夫も見られます.

2010年製BR03.10の配管.クランク状配管の垂直部分に両者を繋ぐ部材が見える

一方機種によってはボイラーに沿う配管がボイラーの上部にありますが,比較的新製品でも型抜き方向の関係上,そのような部分はパイプの上面が平らになっています.ただこちらも至近距離で観察しないと殆んど気づきません.

2018年製のBR39. 上部のボイラーに沿った配管はボイラーと一体で上面が平面.

火室からキャブ下に至る配管と運転室から各部への配管はバラキットを使用して細密化加工する際の「見せ場」の一つはですが,下の写真はその部分のBR03.10(2010年製Insider Model)の写真です.細密度としては自作で細密機を作る場合でもこの程度のディテールがあれば細密感は十分出せるような気がしますが,このモデルではそれらの配管は全て樹脂製です.この部分を詳細に見ると見るとエアータンク周りの赤色の配管はエアータンク前方の2本の配管の後ろの運転台側に伸びる細い配管を除いて一体で成形されています.キャブから出る配管も運転台側に伸びる4本の配管を除いて一体成形の部品です.つまりこの部分の配管群は2個の樹脂製パーツで構成されていることになります.樹脂製パーツですのでさすがに線は太いですがレイアウト上ではあまり気になりません.一方それに比較すると全体的に配管が平面的なのが気になりますがレイアウト上で実感を損ねるレベルではありません.最近読んだMärklin MagazinによるとMärklinでは設計時に別付けパーツの取り付けに要する時間(工数)を決めてそれに適合するように別付けパーツを設計しているようです.このようなモデルを見るとメーカーは設計者とレビュアーが模型に要求される細密感と部品の製造における制約事項と許容できる組み立て工数のバランスをとってコストを意識しながら設計していることが感じられます.以前の記事でレイアウト上で実感を得るための細密度は内外の老舗メーカーのダイキャスト製品ではないかと述べましたが「内外の老舗メーカー」と記したのは長年鉄道模型を設計製造販売している老舗メーカーはレイアウト上で実感を得るための細密度とコスト等生産上の制約のバランスをうまく取るノウハウがあるように感じたためです.

最後はテンダーの写真です.BR50のテンダーはプラ製ですが引けは殆んど見られず塗装の艶の調子も揃っていますので違和感を全く感じません.側板の平面製はダイキャストや真鍮製のテンダーに引けをとりません.またこのテンダーのアンダーフレーム(赤色の部分)と台車は未塗装です.また上の写真のエアータンク周りの部品は全て未塗装である一方,ランボードの赤は塗装となっていますがその差はほとんどわかりません.また台車等の未塗装部品には樹脂の質感を感じさせず樹脂の質感を目立たなくする(樹脂の引けを目立たなくする?)何やら微妙な梨地となっています.この辺りもメーカーのノウハウなのでしょうか.

上の細部写真の製品はBR50は2000年に型を改修した製品(完全に新規型ではない),BR03.10は2010年のMärklin Insider Modelで完全な新規型,BR39は2014年に新規型を起こしたM¨arklin Insider Modelの流れを汲む2018年の製品です.これらを見ると多少の差はあるものの2000年に発売されたBR50のレベルでレイアウト上の機関車の細密度は十分ではないかと考えます.Märklinも最近の製品ではさらに細密度を追求するのではなくドラフトと同期する発煙装置や集電不良に伴うサウンドの停止を防ぐためのキャパシタの追加等,細密化ではなく走行時の機能や走行性のアップに注力しているようにも感じます.日本でもこの程度の細密度を持ちサウンドデコーダーを装備したDCC対応の蒸機が各種発売されるようになれば私の製作したレイアウトもDCC制御で大いに楽しめる日が来るのですがそれはいつの日になるのでしょうか.

機関庫前ののBR01(2007年製)とBR39(2018年製)
炭水線のBR03.10(2010年製)

日本型レイアウトの記事が外国型の車両の紹介記事になってしまったこと,ご容赦ください.次回,全体的なまとめを記してこのレイアウトの紹介記事は最終回としたいと思います.最後までお読みいただきありがとうございました.

レイアウトセクションの製作:蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(19) -レイアウトの製作を終えて思うこと(運転という観点で)-

前回はレイアウト上の機関車の細密度がレイアウトを見た時の「実感」にどの程度影響を与えるかについての見解を記載させていただきましたが今回は私がこのレイアウト上での車両の運転した際に感じたことを記載してみようと思います.

レイアウト上のC12.この車両は1980頃ににカツミ模型店のシュパーブラインシリーズのキットを組み立てたものでモーターは当時蒸機に一般的に用いられていたDH−13を使用しています.

私が以前このブログで紹介したMärklin Digitalを使用した機関区のレイアウトセクションの製作を開始したのは2010年頃でしたがこの時点で今回製作した日本型のレイアウト上で走らせようと思った蒸機は一部を除いて殆んど存在していました.それでも当時私が今回製作したような日本型のレイアウトを製作せず外国型のレイアウトを製作した理由は車両の ”走り” でした.当時手元にあった日本型の蒸機は全て1960年代から使用されている駆動機構でモーターも解放式の横型モーターと言われるモーターで走行性能や走行音は満足とはいえない状況でした.それに対し当時手元にあった外国型のデジタル制御の蒸機はコントローラーのノブ位置に応じて車両速度が変化しスロー運転も問題なく行なえます.また2線式のような車両留置用のギャップの設置と切り替えも不要で機関車の駐機も場所を問いません.当時私はそのような点に大きなメリット感じ,”運転を楽しむならこれしかない”と考えて製作したのが最初に製作したレイアウトセクションである”ALTENHOF機関区”でした.その後のMärklin Digitalを含むDCC制御の発展は凄まじく,製作当初は予想していなかった多彩なサウンドやライトの制御が可能となり,その後導入した自動運転機能と相まって狭いレイアウトセクションでも充実した運転が可能になりました.
今回日本型レイアウトの製作に当たっては手持ちの車両で果たして低速でのスムーズな走行が要求される機関区をテーマとしたレイアウトセクション上での運転が楽しめるのかは製作当初から懸念点として把握しており,このレイアウトの一連の紹介記事の冒頭にもその旨は記載させていただきました.そして実際にレイアウト上で手持ちの車両を走らせてみると想像どおり機関車の走る周囲の情景は機関車の走行性能の悪さをカバーするものではなく,このレイアウト上での運転はサウンド付き車両のDCC運転に比較すると残念な結果でした.改めて調整を行っても私の技術力不足もあってかなかなかデジタル制御のような”全速度域での”Silkyな走り”には近づけられません.これは結果的にレイアウト製作前に想定したとおりの結果でしたが,そうは言っても自分が苦労して製作した機関車がレイアウト上で動くのは見ていて楽しく,それはそれで充分楽しめます.ただこれはあくまでも私の私の感覚ですが,機関区のレイアウトセクションでの運転という観点ではレイアウトという舞台を用意して昔苦労して製作した思い入れのある機関車が動くのをレイアウト上で眺めてもそれはデジタル制御での運転の楽しみを凌駕するものではないと感じました.

レイアウト上を走るD H-13モーターを搭載したC62.異音はゴムジョイントの劣化による振動のようです

私が現在使用しているパワーパックはMärklin社のZゲージ用のパワーパックで1995年に購入したもの(ロゴ以外の形状は1972年に初めてZゲージ用として発売されたものと同一)ですので出力が小さくどこまで平滑な直流が出力されているかは不明です.このパワーパックを使用しているのはい今まで使用していたパワーパックが故障したためで,最新のパワーパックやPWM制御のパワーパックを導入すれば少しは現状が改善されるのかもわかりませんが.アナログ運転機器にこれ以上投資する気にもなりません.現在所有している蒸機をDCC化することは駆動系全体の大改造が必要と思われ,私には資金的にも知識的にも技術的にも不可能で,残された方法は既成の日本型DCC車両を導入するしかなさそうです.私の外国型レイアウトを走る車両は全て既製品で自作の細密機ではありませんがそれでも運転は充分楽しめることは経験済みですし前回の記事のようにレイアウト上の運転で実感を得るのに細密機は不要ということは確認できましたので,市販品を購入して運転を楽しむことも考えました.手元にあるMärklin Central Station3はDCCにも対応していますので制御システムのインフラは整っています.しかし一般の(資金力の乏しい?)鉄道模型愛好者が購入できる価格でDCC対応を謳う製品を発売しているメーカーはごく一部(1社?)で常時多くの機種が市場に在庫してはおらず,これから日本でメーカーや雑誌の発行元がが主導してDCCを推進していこうという意欲も全く感じられません.機関車から音を出すだけであればPFMサウンドやカンタムサウンドもありますが,どちらもパワーパックが機関車1台に1基必要でこの世王なレイアウトでは現実的ではありません.このレイアウトの製作を開始した時にはレイアウト完成後,このレイアウトを何らかの形でDCC化しようと考えていたのですが,レイアウトが完成してあらためてDCC導入に向けて検討を開始てもこのような状況は以前と全く変わっておらず,仕事をリタイアし鉄道模型に投資できる金額も限られる中,正直日本型のDCC対応車両を購入する気が起きません.残り少ない人生で今後も鉄道模型を運転という面から楽しもうと考えた時,日本型HOスケールの鉄道模型をDCC制御でPlug & Play的に気軽に楽しむことは少なくとも現時点ではもう諦めた方が良いのではないかとさえ感じている今日この頃です.かつて鉄道模型趣味誌の主筆であった山﨑喜陽氏がご存命であったら今の状況をどのように思われるのでしょうか.

外国型の機関区セクションを走るBR39(制御方式はMärklin digital). バックグラウンドのノイズは発電機のタービン音手動でOn/OFF可能)です.対向するBR01はランニングギアの点検灯を点灯させています.

苦労して製作したレイアウトセクションのまとめとしてこのようなネガティブなことを書くのは正直気が引けたのですが少なくてもこれが現時点における私の率直な思いです.どこかのメーカーからサプライズ発表でもあればまた気が変わるかもしれませんが・・・.もちろん鉄道模型の楽しみ方は人それぞれですので私とは異なった感覚を持つ方も多いと思います.あくまでも私の感じたこととしてお読みいただければ幸いです.
最後までお読みいただきありがとうございました.

レイアウトセクションの製作:蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(17) -アクセサリの製作(6:その他のアクセサリ)-

このレイアウトに配置したアクセサリを紹介するにあたり最初に”構想のプロセス”という項題の記事で製作するアクセサリを一覧表で紹介しました.その時はこの表に従ってレイアウト上のアクセサリを体系的に紹介しようと考えていたのですが,私のいい加減な性格が災いし次第に混乱してきてしまいましたので今回は”その他”と題してこれまで紹介していなかったアクセサリを紹介させていただきたいと思います.

これから紹介するアクセサリは上表のものですが,以下にそれらのアクセサリをレイアウト上に配置した時の写真と製作中の写真で紹介したいと思います.
⚫︎ 機関庫内部
下の写真は機関庫を取り外した機関庫内部の写真です.右上のロッカーと戸棚,左下の机は建物の室内に配置したものと同一でケント紙で作成しました.パレット,コンテナボックス,木箱はPreiser製のパーツです.作業台と脚立は自作で真鍮角棒と真鍮線,プラバンより作成しました,2段式の金属製の作業台は真鍮角棒と網目板をハンダで組み立てた自作品です,奥に見えるハシゴはエコーモデル製のパーツを使用しました.脚立は真鍮角線と檜角棒から自作しました.スペースにあまり余裕がないのでこれらを配置する際には車両との接触に注意が必要です.

機関庫内に配置したアクセサリとフィギュア

踏み台,作業台は檜角棒とスライスしたSTウッドで製作しました.ホワイトメタル製のパーツも発売されていますが木製の方が質感もよく費用も抑えられます.

組立てが済んで塗装を待つ木製の作業台

金属製の作業台は真鍮角線と網目板で製作しました.パーツもありますがキット加工等真鍮工作の経験があれば簡単に製作でき費用も抑えられます.

真鍮角線と網目板を使用して自作した金属製の作業台

⚫︎ 乗務員詰所の入り口付近
左から,水道蛇口はエコーモデル製パーツ,流しはケント紙製の自作品です.写真ではわかりにくいのですが流しと入り口の間にエコーモデル製の自転車が置いてあります.スノーダンプはケント紙と真鍮線からの自作品,防火用水の本体(ドラム缶)は檜丸棒とラベル紙帯からの自作,蓋はプラバンとプラ棒からの自作です.建物に立て掛けてある箒はPreiser社製の消防士のフィギュアの同梱品です.

乗務員詰所入口付近のアクセサリ

⚫︎ 砂煎り小屋付近のアクセサリ
物干しは真鍮棒,真鍮帯板,真鍮帯材を用いた金属製で竿は真鍮線,洗濯物はコピー用紙から作成しました.この写真のドラム缶はPreiser製のパーツ,その横の袋もPreiser製のパーツです.

砂煎り小屋付近に配置したアクセサリ

組み立て中の物干しです,真鍮線,真鍮角棒,真鍮帯板を使用し,はんだ付けで組立てました.

製作中の物干し

⚫︎ 油庫・線路班詰所付近
線路班詰所に立て掛けてあるツルハシはエコーモデル製パーツ,その横の石(バラスト)の入ったカゴはPriser製のパーツ(マルシェのじゃがいも?が入っている籠)です.油庫前の消火砂はEvergreen社製の角パイプをスライスし中に砂を入れたものです.

油庫,線路班詰所付近のアクセサリ

⚫︎ 線路班詰所と倉庫の付近
ゴミ置き場の囲いは檜角材(底面はケント紙)による自作,木箱.コンテナ.パレット,ドラム缶はPreiser製のパーツです.その手前のゴミ焼却機はエコーモデル製のパーツを組み立てました,ゴミ置き場にある袋はPreiser製のパーツで,その他のジャンクはプラ角棒等から製作しました.

線路班詰所と倉庫付近のアクセサリ

⚫︎ 気動車燃料補給設備周辺のアクセサリ
消火用砂は油庫の前にあるものと同じものです.ドラム缶はPreiser製です.小屋の前の消火器はエコーモデル製,ポリタンクとホースリールはPreiser製の消防士フィギュアの付属品です.給油用ホースはAWG #30のリード線で先端にPreiser製の消防士フィギュアの付属品の中にあった放水ノズルを取り付けてあります.

気動車燃料補給設備回りのアクセサリ

⚫︎ 機関区事務所付近
機関区事務所付近にはスノーダンプ,ドラム缶を配置し,古枕木にエコーモデル製のハシゴを立て掛けてあります.

機関区事務所裏手に配置したアクセサリ

未塗装状態のアクセサリです.脚立はハシゴ部分を真鍮角線で製作し,台は木製です.机は建物の内部に配置したものと同一です.

完成して塗装を待つアクセサリ

ドラム缶は比較的多く必要でパーツを購入すると高価になりますので当初檜丸棒とラベル紙で自作していましたが,海外サイトのセール品の中にPreiser製のドラム缶がありましたのでそれを購入して使用しました.価格は30個入りで6.8€(VAT,送料別)でした.

Preiser製のドラム缶キット.付属しているデカールは未使用

日本ではPreiser社の製品はフィギュアが有名ですがそれ以外にも結構色々なパーツが販売されています.今回は以前製作したレイアウトに使用した時余ったマルシェのキットの野菜籠や野菜が入った袋を砂利運搬用の籠やごみ袋に流用しています.

砂利を入れた籠やゴミ袋はPreiser製のマルシェのキットを流用

⚫︎ 機関区入り口の門
機関区入口の門はEvergreen社製のプラ製角棒・丸棒から作成し,真鍮線と割りピンで作ったヒンジにより開閉可能としています.

機関区入り口に設けた門扉

塗装前の部品です.ヒンジは門側にL時に曲げた真鍮線,門柱側に割りピンをの受けをもけてあります.

Evergreen社製プラ素材で製作中の門扉

⚫︎ 機関区事務所入口付近
機関区事務所入口付近には植栽を設けてあります.低木はBusch製のオランダフラワーに緑色のターフを接着したもの,草木はNoch製を使用しました.Noch製の草木は日本ではKATOから販売されていますが少し色調が異なる気がします.写真で半分写っている入口のゲートは真鍮版と真鍮線で製作した自作品です.

機関区事務所入口脇の植栽

Busch製のオランダフラワーとNoch製の草木の写真です.これらは日本ではなかなか手に入らないので以前海外の模型店に発注したものです.ある程度数がまとまった場合海外からの購入の方が送料を入れても安価(税金は欧州のVATが非課税となり輸入時に原価(現地価格の6割程度)に10%の消費税がかかります)ですが昨今の欧州の物価高による値上げと円安によりその差は小さくなっています.

植栽には海外模型店から購入した素材を使用

⚫︎ 草木(雑草)
機関区の植栽以外の草木(雑草)は水を扱う設備の付近や人が立ち入らないところに配してありますがあまり荒れ果てた感じにならないように留意しました.

給水塔付近の雑草

⚫︎ 機関庫周り
機関庫と柵の間には車輪とドラム缶を配しました.国鉄の機関区では敷地内にあまり車輪のようなものが無造作に放置されていた記憶はありませんでしたがアクセントとして設置してみました.

機関庫横に配置したアクセサリ

⚫︎ フィギュア
フィギュアは一部にKATO製を使用した他はPreiser製の未塗装品を塗装して配置しました.私は#16325(Railway parsonnel and passengers)というアソートセットを使用しました.未塗装品は1パッケージに120体入っていますが全てが異なる形態ではなく,同一形態のものが同数入っているわけでもないようです.レイアウトには同じ形態のフィギュアを複数配置しています.塗料は主に色のりの良いHumbrol製のエナメル塗料を使用しました.Humbrol製エナメル塗料は色ノリがよく塗膜も丈夫ですが反面乾燥に時間がかかるため作業は気長に行うことが肝要です.Humbrol製のエナメルは使用前に十分に撹拌することが必要ですが棒状のものではいくら時間をかけて撹拌しても不十分で筆の穂先を容器のの壁面に擦り付けるような形でで十分撹拌することが必要なようです.

レイアウト上に配置したフィギュアは一部にPeriser製の未塗装製品を塗装して使用

塗装はまず肌の部分から開始します.

フィギュアの塗装はまず肌の部分から開始します

その後髪の毛(黒),ヘルメット(黄色),作業服(紺色),作業ズボン(紺色または濃灰色),シャツ(白),道具(黒,黄色等)の順に塗装していきます.以前一般人を塗装した時には洋服のカラーコーディネートに気を使いましたが鉄道員の場合は使用する色が限られているのでその点は簡単です.

道具部分の塗装を残す状態のフィギュア.ランナーから切り離すのは最後の工程

⚫︎ アクセサリの配置
以上でレイアウト上に配置したアクセサリの紹介を終わります.最後にこれらのアクセサリを配置する際に留意した点について述べてみたいと思います.
これらのアクセサリを作成する際,何個製作するかは実際にそれらのアクセサリを配置する場所を決めて数量を決めますが,製作の際には失敗時の予備を含めて多めに製作したものもあります.一方実際に想定した場所にアクセサリを配置すると違和感を感ずる部分もありました.このような時には構想にはあまり拘らずに適宜修正を加えました.また製作したアクセサリを全て使用することを優先することは絶対に避けた方が良いと思います.全てのアクセサリはそこに存在する必然性が必要であるということを忘れずに配置を決めていくことが重要だと考えます..

以上でレイアウト上に配置したアクセサリの紹介を終わります.今回でレイアウト各部の紹介は終了し次回以降はレイアウトを製作しての書簡等を述べてみたいと思います.
最後までお読みいただきありがとうございました.

レイアウトセクションの製作:蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(16) -アクセサリの製作(5:機関区の設備)-

蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(15)でアクセサリの一部を紹介した後,諸般の事情でこのレイアウトに関する紹介を長らく中断してしまいましたが,引き続き(16)としてレイアウト上のアクセサリの紹介を続けさせていただきます.今回は下の表に示す機関区設備のアクセサリを紹介したいと思います.

⚫︎ 構内踏切
踏切板は檜角棒です.幅は両側にレールを取り付けた時の幅がNMRAの規格(最小値)である14.4㎜より小さくなるように決定します.私は余裕を見てレール取り付け後の幅が12-12.5㎜になるように踏切板の幅を決めました.檜角棒は所定のサイズに仕上げた後ラッカー塗装し,Humbrol製のエナメルで塗装したCode70レール(IMON \Shinohara製)を取り付け全体をIndian Inkでウエザリングした後,ゴム系接着剤で所定位置に固定しました.接着は全てゴム系接着剤で行っています.

製作中の構内踏切用パーツ
完成した踏切板

取り付け後,踏切板が走行用レール高さより高くなっていないことを十分に確認します.問題なければ念のため踏切を通過する車両のKadee Couplerの解放ピンが踏切板と干渉しないことを確認して完成としました.

レールに取り付けた踏切板

⚫︎ 転轍器付近の目隠し
実際の分岐器は転轍機とポイントレールの間に切替用の動作機構が存在します.しかし模型の場合はその機構はダミーとなりますので省略し,網目板で製作した蓋を取り付けてあります.このような実例があるかどうかは不明ですが積雪地にはありそうではないかと考えてこの形としました..転轍機の反対側もポイントレールの可動部がレールの外側に突出しておりバラスト散布ができないのでその部分にはSTウッドで作成した蓋状のものを取り付けました.

ポイントレール転換機構の目隠し板

⚫︎ 防護柵
防護柵は2㎜x2㎜の檜角棒を用いて製作しました.踏切部の防護柵とそれ以外の場所の防護柵の違いは長さのみで,それ以外の構造は両者同一です.組立は木工用ボンドを使用しましたがはみ出すと塗装後に見苦しくなるので組立時にはみ出さないよう注意が必要です.取り付けは最も外側の角材の底面に真鍮線を埋め込んで地面に開けた穴に差し込んで固定しました.

油庫の前に設置した防護策

⚫︎ 古レール・古枕木
蒸気機関車が活躍していた頃の機関区では補修用でしょうか,線路際によく古レールや古枕木が置かれていました.古レールは檜角棒で台座を製作しその上に切断したCode83レールを並べてあります.枕木は2㎜x2㎜の檜角棒を使用しましたが少し細い印象です.レールはHumrol製のエナメル塗料,枕木はラッカーで塗装しIndian inkでウエザリングしました.

レイアウトに設置した古レールと古枕木

⚫︎ 運搬用トロッコ
物資運搬用のトロッコは2台製作し短く切断したレールの上に配置してあります.車輪はNゲージ用の車輪を用いて両端の軸を切断した後車軸を中央で切断しパイプを嵌め込んで期間を広げました.本体は1台を台枠のみとし,もう1台は台枠状に木製の床があるタイプとしました.台枠はEvergreen社製のプラ素材,床はSTウッドを用いて製作しています.台枠が露出しているトロッコの台枠上には古枕木を載せてあります.

短く切断したレール上に設置したトロッコ2種

⚫︎ 車両洗浄台
機関区にはディーゼル燃料補給小屋を製作したのでそれに合わせて車両洗浄台も製作しました。イメージは子供の頃から見慣れていた三鷹電車区の人道こ線橋から見える洗浄線の風景です.

参考にした車両洗浄台

洗浄台の構造は鉄製の脚部にコンクリートパネルを渡した構造としました. 脚部はEvergreen社製にのIビームとアングル材を使用してコの字型に組み立てました.

プラ素材で製作中の脚部

通路となる部分は1㎜厚のイラストボードで作成し,1㎜厚のイラストボードを所定寸法(長手方向は脚部の間隔)に切断後、切断前と同じ配列でラベル氏の上に並べ, あらかじめレイアウトに取り付けた脚部に接着しました. 組み立て前に脚部はダークグレー、通路はライトグレーに塗装してあります.

ケント紙で製作中の洗浄台

1960年台にはまだ三鷹電車区のような”都会の電車区”にも車両の自動洗浄設備はなく,洗浄台の上では多くの人々が手作業で車両の洗浄を行なっており,人道こ線橋上からはその作業を間近に見ることができました.この時のイメージを元に洗浄台上に各種のアクセサリを配しています.

製作したアクセサリは左よりホース掛け,水道蛇口と流し,モップとモップ置き.雑巾干しです.一部のホース掛けにはエコーモデル製のバケツをぶら下げてあります.水道蛇口はエコーモデル製ーのパーツ,ホースはAWG#30ケーブル,その他はEvergreen社製のプラ素材やケント紙で製作しました.また洗浄台の下側には真鍮線で製作した水道管を取り付けてあります.ハシゴはEvergreen社製のIビームとプラバンで作成しました.

洗浄台上に設置したアクセサリ

この洗浄台は地方の機関区の片隅にある設備でありそれほど使用頻度は多くありませんので台上にフィギュアは配置しませんでした.

完成した車両洗浄台

⚫︎ 車両への給水設備
洗浄台の反対側には気動車に給水する給水栓を設けてあります.駅にある給水設備は給水コックが地上付近にありますがこの機関区ではもう少し目立つものにしようと考えPreiser社製の消防士のフィギュアの中にあった消火栓を使用して作成しました.ホースは洗浄台と同じAWG #30のケーブルをHambrolのエナメル塗料で塗装したものを取り付けました.

Preiser製の消火栓を利用した給水栓

以上で機関区の設備の紹介を終わります.最近はレイアウトに設置するアクセサリパーツの各社から発売されており今回作成したものの中にもパーツが発売されているものもあります.当然自作したものよりも形が整っていますがパーツを利用するとレイアウトが何か没個性になるような気がしており,使用する気にはなりませんでした.
次回はその他のアクセサリを紹介したいと思います.
最後までお読みいただきありがとうございました.

真鍮車体とペーパー車体・自作における両者の比較(3)-まとめ-

前回までの記事ではペーパー車体と真鍮車体において主に各工程の技法の差と得られる印象の差について私の製作した車両を例に紹介してきましたが,ここではそのまとめとしてペーパー車体と真鍮車体を両者俯瞰的に見たときの両者の差と製作時留意すべき点を考えてみたいと思います.
<ペーパー製車体と真鍮製車体の全体的な印象の差>
真鍮製車体とペーパー製車体の間には製作の工程に大きな差があります.前回までの比較では触れていませんでしたが,それはペーパー車体のは塗装前の下地処理が必要であることです.下の写真はディテール加工中のクモニ83とクモユニ82ですがディテール加工開始時点で車体のパテによる隙間埋め,サーフェサーの吹き付けおよび耐水ペーパーによる表面の水研ぎは終了しており車体には真鍮車体でのラッカー塗装の塗膜以上の厚さの塗膜が形成されています.そのためこの時点で窓の周囲等のエッジには適度のRがついています,そのため私は今まで真鍮製車体のように窓等開口部の周囲に違和感を感じてテーパーをつける作業を行なったことはありません.

下地処理が終了しディテール加工中のペーパー製車体

しかし今までの記事で述べてきたように真鍮製車体は糸鋸による切断とヤスリ仕上げだけではエッジがシャープになりすぎる部分があるためエッジにテーパー加工が必要になります.

金属製車体の窓周りのテーパー加工

一方,実物の車体を見ると私が製作している国鉄時代の鋼製車両は鋼体の骨組みに鋼板を溶接し鋼板の接合部やエッジ等をグラインダーで仕上げた後,パテ埋め→下塗り→塗装という工程を経て車体を完成させますので湘南型前面の「鼻筋(pants crease)」のようにデザイン的に配慮された部分を除いて車体にエッジが形成されている部分は殆んどありません.よく車両製作法の解説で「塗装はポテっとならないように塗膜を薄く仕上げるように」という記載を見ますがこの記載の意図は実物で後からつけた部品等のエッジ(に近い)部分は塗膜でシャープさが損なわれないように塗装するようにという意図であると考えられます.ただ車体のグラインダー仕上げされた部分と後付け部品の綾部の状態(隅R,面取りの大きさ)は当然異なります(例えば下の写真の貫通ドア周りのエッジとテールライトケースのエッジ).この観点ではペーパー車体は全てのエッジはサーフェサーを塗装した時点で鋭いエッジとはなっていないためあまり意識しなくても結果的に車体のエッジは違和感がないレベルに表現できていると考えられます.またプレス加工が主体のバラキットではこのエッジをプレス加工のダレで表現していると考えられます.しかし自作した真鍮製車体ではエッジが鋭いため窓周囲のテーパー等にはヤスリによる言わば「エッジのコントロール」が必要になります.
<車体の製作法に応じたディテーリング>
上記のようにペーパー製車体と真鍮製車体では車体の全体的な印象に差があります.そのため実車に取り付けるディテールにもそれに応じた対応が必要になる場合もあるような気がします.下の写真は今回真鍮製車体で製作したキハ55の実物写真ですが,20系や55系気動車は正面ステップに比較し側面のドアの手すりは明らかに太い印象です.

キハ55の先頭部

今回金属車体の20系や55系気動車では正面のステップに直径0.3㎜の線材を使用したのですが,客用ドアの手すりにつける手摺りの線材の直径について結構悩みました.上の写真に従えば手摺りはステップより太い直径0.4㎜の線材を選択するのが妥当であると思う一方,車体に0.3㎜の真鍮板を使用したためドア部の立体感が実物の印象より乏しく,直径0.4㎜の線材を使用すると手摺りの太さが目立ちすぎるような気がました.そのため手摺りには前面ステップと同じ直径0.3㎜の真鍮線を使用しました.その結果手すりが実物より少し細い印象となりました.ただ直径0.4㎜の線材を使用するとやはり少し手摺りが目立ちすぎる気もします.もし同じ車両をペーパーで製作していたら車体の印象がいわゆる「線が太い」印象となり金属製車体比較してドアと外板の段差も大きいため金属車体よりため直径0.4㎜の線材を使用しても違和感は少ないのではないかと思われます.実際に自作車体より厚い板厚の素材が使用され窓やドア周囲にプレス加工によるダレのあるバラキットのキハ22では手摺りに0.4㎜の線材を使用しても少し手すりが太いという印象になるもののもさほど違和感はありません.この辺り,実物の印象を的確に再現するには車体の全体的な印象に応じて車体に使用するペーパーや真鍮版の板厚や使用する線材の最小径を考慮して各部に使用する線材の線径を考慮するというような全体のバランスを考慮した設計が必要です.

客用ドア手すりに直径0.3㎜の真鍮線を用いた真鍮自作車体のキハ52と直径0.4㎜の真鍮線を用いたバラキットのキハ22

余談ですがこれは市販の製品にも言えると感じます.ここからは私の私見ですが,量産品を長年手がけてきた老舗メーカーは国内外を問わずこのバランスを考慮した車両の印象表現が上手いのではないかと感じます.下のMärklin製の蒸機の別付けのパイピング(樹脂製)の直径は実測で約0.4㎜と太いですがそれに応じて周囲のパイピングの線径も考慮されているせいか印象はやや線の太さを感じるもののそれほど違和感がありません.樹脂やダイキャスト製の車体では例えば窓の庇の断面部の厚さも実機より厚くなりがちですのでそのような部分とのバランスも考慮して設計されているのかもわかりません.広辞苑によると細密の語釈は”細かい描写で精密に対象を描く”ということのようですのでこの製品はいわゆる”細密モデル”とは言えないのかもわかりませんがレイアウトで走行させた時の印象は十分”ハイディテール感”のあるのモデルと言えると感じます.

Märklin製BR39のCAB周りの配管

またMuarklin製品では細密感を出すために,形状をそのままスケールダウンすることに固執していない部分(部品)も見られます.例えば下の写真のボイラーに別部品として取り付けられているサンドパイプは一見細く見えますがよくみると断面は円形ではなく奥行方向に厚みがあります.また写真ではわかりにくいのですが奥にボイラーと一体整形された作用管等の配管が通っている部分は各々のパイプの間に隙間があり下を通っている配管が見える一方,ボイラーに何もディテールがない下側の部分では各パイプの間の隙間がなく一体となっておりボイラー表面は見えませんがレイアウト上では全く違和感がありません.この辺りは量産性とコストを考慮した合理的な設計がされていると感じます.このように部品の実物通りの形状に拘らず全体的な印象としての細密感を上げる設計手法は自作する場合でも参考にできる点があると思います.市販品で広辞苑の語釈に近い細密モデルを作ろうとした結果が現在日本で市販されている一般的な会社員の月収に匹敵する(上回る?)価格の真鍮製モデルで,これはもう一般人が楽しむ鉄道模型の範疇を逸脱している気がします.

Märklin製BR85のサンドパイプ

<完成までに要する時間の比較>
次にペーパー車体と真鍮製車体で完成までに要する時間を比較してみます.完成までに要する時間を作業に着手してから完成までにかかる時間と定義すると両者の内訳には大きな差があります.完成までに要する時間を1台の車両が仕掛かり中である時間と考えるとその時間の中には製作者が窓抜き等で実際に作業している時間と接着剤の乾燥待ちのような作業は行なっていない時間があります.これを「加工時間」と「待時間」と呼ぶことにすると真鍮製車体とペーパー製車体では両者の比率が大幅に異なります.この比率はは工場で製品を生産する場合は生産の効率性を左右し最終的には製品原価に影響を及ぼす場合がありますが,個人が製作する模型ではこの比率を考慮する必要はありません.そのため純粋に時間だけで比較すると真鍮製車体は最終工程の塗装を除いて作業開始から完成までの時間はほぼ加工時間で占められるのに対し,ペーパー車体では各々の工程の間に待ち時間が発生します.例えば真鍮製車体の場合,罫書き→外形仕上げ→窓抜き(切り抜き・ヤスリ仕上げ)→曲げの工程のほとんどが加工時間であるのに対し,ペーパー車体では罫書きと窓抜きの後車体を箱状にする工程では,屋根板を使用した場合には屋根板の接着と乾燥乾燥待ち,パテによる隙間埋め後のパテの乾燥待ち(場合によっては複数回),サーフェサー塗布後の乾燥待ちと表面の水研ぎ(複数回)というように待ち時間が必要な工程が多数あります.

パテで隙間を埋めて木材の目止めを行っている途中のクハ711

このように各工程を待ち時間を含めた時間で単純に比較するとペーパー車体は金属製車体に比較して工程にかかる時間が長くなるのではないかと考えられます.勿論真鍮製車体の製作において罫書きから髷までを一気に行うことは理屈上では可能でも集中力が続かないという属人的な要因もありますし,ペーパー製車体でも待ち時間を夜間とすれば実際に感じる時間は短いと感じます.そう考えると1両の車両を製作する場合はどちらを短いと感じるかは単純に比較できず,時と場合によるというのが実際のところではないかと思います.ただ,電車の編成物等複数の車両を一度に製作しようとする場合は「待時間」は製作する車両数が増えてもほとんど一定です.そのため製作の効率は1台のみ製作する時より向上します.また罫書きや窓抜き等の「加工時間」はペーパー製車両は金属製車両に比較すると短い傾向にありますので,複数の車両を製作する場合には完成までの時間は短くなる(短く感じる)可能性があります.一方真鍮製車体は完成までに時間がほぼ加工時間のため,完成までにかかる時間は製作する両数にほぼ比例します.また真鍮製車体ではペーパー車体では待ち時間に充当できる夜間や仕事をしている時間は加工時間に充当できませんので短期間で車両を完成させようとするとかなりの集中力が必要で失敗の確率も高くなります.思えば真鍮製バラキットが発売されその利用が進む以前,車両を自作するモデラーの中では機関車は金属製,客車はペーパー製というような風潮があったような気がします.冒頭にひとまず効率性は考えないで比較すると述べましたがこれはもしかしたら多数の車両を製作するときにはペーパー車体の方が効率的に製作できると思われていたのかもわかりません.ただ当時は機関車に対して客車はディテールを簡略化してもよいという考えもあったと思います.しかし現在ではペーパー性車体に要求される細密感は当時よりも上がっていますので現在は決してペーパー製の車両が金属製の車両に比較して簡単に製作できるとはいえません.そのため結局どちらの製作法を採用するかはそれぞれの製作法の特性を踏まえて決めることが必要で,製作にかかる時間をどちらの製作法を採用すべきかという判断基準とすることはあまり意味のないことのように思えます.これは趣味に効率性の追求は不要であるという趣味の本質的な部分にも通じているように思えます.
<製作にかかる費用の比較>
次に真鍮製車体と金属製車体の製作にかかる費用について比較します.車体を車体(側板+屋根)と定義して費用を比較すると真鍮製車体は車体用真鍮板,補強用アングル,床板で¥2,000弱と思われます.屋根板を使用したペーパー車体では用紙は数10円,屋根板が¥700程度,下塗り用にエアゾール式のサーフェサーを一本用意するとそれが¥800程度ですのでプラバンで製作する床板を含めて費用は¥1,500強でないかと思われます.ペーパールーフでは屋根板を使用しませんので¥800強となります.すると両者の差は¥500-¥1,000程度になります.この差を大きいと見るか小さいと見るかは人それぞれと思いますが,真鍮製車体がペーパー製車体より何倍も費用がかかるということではありませんので通常費用の面から真鍮車体を諦める必要はないと思います.ただし工具等への初期投資は真鍮製車体を製作する場合少し高額になります(¥20,000程度?)
<最後に>
かつて市場に多数あったベーシックなバラキットはすでに製造されておらず,かつて販売されていたバラキットを入手するには市場で委託品や中古品を探すしかない状況でバラキットを使用して気軽に真鍮製の車両を製作することはなかなか難しい状態です.ただ市場にはまだディテールアップ用のパーツは数多く存在します.バラキットを組み立てた経験のある方でしたら金属車体の自作はさほどハードルが高いとは思いませんのでもし今後真鍮製車体の製作を諦めてペーパー車体の製作を検討している方がいれば真鍮製車体の自作も選択肢になると思います.その一方初期の気動車の”バス窓”のHゴム表現や急行型電車に代表されるユニットサッシの表現は自作車両では非常に手間がかかりまた技術力も要求されるため私もまだ手がつけられていない状況です.バラキットが通常ルートで手に入らない現在でもパーツメーカーからはいまだに細密化パーツが続々と発売されていますが,メーカーには細密化パーツの他に例えばエッチングを用いた気動車バス窓のHゴム,初期の気動車に用いられていた気動車のプレスドア,国鉄車両に幅広く用いられたユニットサッシの枠等真鍮板による車体製作のハードルを下げる(自作車両の製作方法の選択肢を広げる)パーツを販売してもらえたらと思います.

自作車体のクハ711(前面はパーツ加工)とペーパー車体のクハ711 900番台

最後までお読みいただきありがとうございました.

真鍮車体とペーパー車体・自作における両者の比較(2)-細部の表現-

<先頭部(おでこ)の製作法>
私が製作しているいわゆる”国鉄型”の車両の先頭車の一部はいわゆる”半流線型”と言われる車両で先頭部には通称(俗称?)”おでこ”と呼ばれる曲面部があります.まずはこの部分の製作法について両者を比較してみたいと思います.ペーパー車体の場合,私はこの曲面部はバルサ材で製作しています.屋根板を使用した車体は屋根板の先端部を局面に仕上げる方法もありますが私はより加工しやすいバルサ材を使用しています.

前頭部の曲面をバルサブロックの成形で作成したペーパー製車両

上の写真はペーパー製の車両で前面の曲面は全てバルサブロックを接着して成形したものです.屋根は157系の車体のみペーパールーフで製作し,その他の車両は屋根板を使用しています.曲面部は157系のように曲面のみで構成される車両は比較的簡単に製作できますがクモヤ791やクハ711のようにヘッドライトや行き先表示板がある車両はバルサブロックに穴を開たり切り欠いたりして別パーツを取り付けた後隙間をパテ埋めして仕上げる必要があり手間がかかります.ただ最近では各種のパテが販売されていますのでその中から適切なものを選択すれば以前に比べれば比較的容易に製作することが可能です.

前頭部の曲面を加工中のクモヤ791

一方真鍮車体ではこの曲面はプレス製パーツを使用しない場合には前面側に設けて切り込みを入れながら曲面部を製作し,隙間をハンダで埋めて整形する方法で製作しています..ペーパー製車両に使用するパテとは異なり隙間に盛ったハンダは一瞬で固化してヤスリ加工が可能になりますので整形は比較的短時間で行うことが可能です.ただ展開時の寸法が適切でないとヘッドライト等の取り付け時にハンダが溶解して再成形することになり非常に手間がかかります.また気動車や機関車の曲面の形状は比較的単純ですが電車の前頭部は屋根の局面の開始点が気動車より後方にありますので展開寸法の決め方が複雑になります.私はまだ電車の前面の曲面を製作したことはありませんが,今後製作する場合には何らかの木型のようなものが必要ではないかと考えています.

前頭部を加工中のキハ52

.私が作成した真鍮製車体の先頭部の中には市販の前面パーツを使用した車両がありますこの方法は金属車体で先頭部を製作する場合,最も簡単な方法ですが,前面パーツは最近はほとんど入手が不可能です.車両の前面は作品を鑑賞する場合は最も注目される部分の一つですが市販のほとんどの製品が自社の完成品やキットのパーツを分売しているものですのでそこにパーツをそのまま使用すると,前面が市販の製品(キット)のイメージになってしまいます.

手元にある未使用の前面パーツ.EF65はつぼみ堂製,湘南型は多分いさみや製,東海型はカツミ製

今まで紹介した金属製車両(下の写真)ではキハ25とクハ711にパーツ使用しています.なおクハ711の前面は165系用を改造しています.

キハ25はフェニックス模型店製,クハ711はカツミ製を改造したパーツを使用して自作した金属製車体

パーツを使用する場合を除いてペーパー車体も金属車体も概略の形状を作成して削って形を整えていくという工程は変わりません,ただペーパー車両の場合にはヘッドライトの穴あけ加工を例にとるとば金属穴より精度は劣り周囲にめくれ(ささくれ)が出ますので結構細かい作業が必要で,仕上げ工程はパテ埋め→乾燥→整形の繰り返しになりパテの乾燥待ち時間も発生しますので結構時間と根気が必要な作業となります.
<屋根の加工>
国鉄車両のパンタグラフ搭載車の中にはパンタグラフ折りたたみ時の架線との空間距離確保,小断面トンネル内で本体とパンタ鍵外し機構との干渉を避けるパンタ上昇量確保を目的でパンタグラフ部分が低屋根構造になっている車両があり,この低屋根部分がある車両は屋根部の加工が必要となります.この加工に最も手間のかかるのは屋根板を使用した車両で,低屋根部分を所定の形状に削る作業が発生します.私は彫刻刀で屋根板を削り耐水ペーパーで仕上げていますが特に交直両用電車のような低屋根部分の長さが長い車両は整形に手間がかかります.一方ペーパールーフ車体では低屋根部にT時型の斬り込みを入れて屋根のカーブを変化させます.また金属製の車体では車体の曲げ終了後低屋根部分の屋根の平面となる部分を切り取って切り取った部分に別の板を張って低屋根部分を作成します,屋根板の削り作業と比較するとこれらの工程は比較的短時間で行なえます.

低屋根部分を加工中の屋根板

もう一つ屋根板を使用したペーパー車体で難易度が高いのは気動車屋上の排気管のように屋根板に細かい加工が必要な部分です.これも細かい木工作業が必要で真鍮製車体やペーパールーフ農式のペーパー車体より加工に手間がかかります.

金属車体の屋根に設けた排気出口

<その他のディテール>
その他,車体の直接加工が必要なディテールの加工法を比較してみます,まず車体の空いた点検口ですがペーパー車体の場合私は鉄筆の筋彫りで表現しています.一方真鍮車体の場合には点検口の部分を一度切り抜き裏打ち後蓋部材をはめ込んでいます.ただ私の作例ではハメ込み部の隙間がばらついており私の工作力不足が露呈しています.この作例は比較的大きな点検口ですが,さらに小さいドアエンジンの点検口や非常コックの蓋等はこの点検口より小さく難易度はさらに上がりますので私が製作した車体ではキハ55系の冷却水補給口の蓋も含めて社たの点検口は全て省略しています.
また下の写真のモハ711の機器室は,ペーパー車体では車体に鉄筆で筋をつけて周囲にペーパー製の枠を貼ってあります.一方金属車体では片方の稜に面取りを設けた真鍮角線を積み重ねて整形した部品を車体の開口部に嵌め込み0.1㎜の真鍮板で作成した枠をハンダ付けしてあります.こちらは工作力不足で線が乱れていますが金属製の方が立体的に感じます.また市販のパーツを使用する場合,パーツが真鍮製の場合,ペーパー車体の場合は瞬間接着剤で取り付け金属車体の場合はハンダ付けで取り付けます.ホワイトメタル製の場合はどちらも瞬間接着剤で取り付けています.また下の写真の号車札入れと列車種別表示板入れはどちらもエコーモデル製のパーツを使用していますががペーパー車体への取り付けはサーフェサーで行っています.サーフェサーの量には注意が必要ですが固着後塗装を行えば強度上は問題ありません.

ペーパー製クモハ711 901の車体ディテール
金属製モハ711の車体ディテール

モハ711の屋上機器はペーパー製車体はプラ板を積層したものやEvergreen社製のプラ素材を削り出して製作し,金属製の車体では真鍮版を曲げてハンダで組み立てたものを取り付けています.

金属製モハ711のパンタ周り
ペーパー製クモハ711 901のパンタ周り

上の写真で紹介した金属車体に使用した金属製の自作パーツはペーパー車体にも取り付けることは可能です.ただ私は過去製作してきた車体も含めてペーパー車体に金属製の自作パーツを取り付けたことはあまりありませんでした.その理由を振り返って考えてみるとこれは一連のペーパー車体の製作工程にある意味異質な金属加工の工程を持ち込みたくないという心理が働いていたようです.また金属車体とペーパー車体を比較するとペーパー車体では下地処理の際塗料を塗り重ねることによりエッジのシャープさに差があることは事実でエッジがシャープに仕上がる金属製のパーツの使用にあたっては全体的な印象も考えながら最適な製作法を検討した方が良さそうです.なお,ペーパーの材料特性上ペーパーは構造上ペーパーのエッジが露出するパーツや非常に小さな部品の制作には向きません.下の写真のモハ164の低屋根部のファンデリア用の空気取り入れ口は金属またはプラバンで製作した部品を使用した方がシャープに仕上がりますし,パンタ鍵外し装置のような細かい部品はそもそもペーパーでの製作は不可能です.

ペーパーで製作したモハ164の低屋根部分のファンデリア用ダクト
ペーパーで製作したモハ164のパンタ鉤外し装置

<まとめ>
以上,今まで私が製作してきたペーパー製車両と金属製車両を例に両者の比較をしてみました.今回の記事が車両の製作にあたって何かの参考になれば幸いです.思えば私が車両の自作を始めた1970年初め頃は子供(学生?)向けの模型雑誌の鉄農模型車両の製作法はペーパー製の車両だけではなく真鍮製の車両の製作法も掲載されていました.ただやはり金属加工のハードルは高く,金銭的にも時間的にも比較的手軽にできるペーパー車体の車両製作が主流であった気がします.

”模型と工作”に掲載されていた金属製車両の作り方(1970頃)

ただ,最近ペーパー製の車両と金属製の車両を製作してみて改めて思うのはペーパー製車両の製作はそれほど簡単なものではなく紙の加工だけでなく木工の技術や金属加工の技術もある程度のレベルの工作が要求され,一概にペーパー車体の方が作り易いとは言えません.どちらを作り易いと感じるかは工作力や経験だけではなく自身の性格も関係するような気がします.またどちらを選択するかにあたり金属加工時の切粉の処理や騒音,ペーパー車体製作時の下地処理用塗料の臭気等,周囲の環境や自分自身の身体への悪影響も配慮すべき項目です.シンナー等の有機溶剤は体に有害なものということは広く知れ渡っていますがハンダも鉛フリーハンダ以外は有毒ガスが出ますので注意が必要です.
以上,最後までお読みいただきありがとうございました.