レイアウトセクション・ALTENTAL HBFの紹介(4) -台枠と線路-

レイアウトセクション・ALTENTAL HBFの紹介は今回から構想ではなくより具体的に各部を紹介していきたいと思います.まずは線路と台枠から説明を始めます.その前に待機線から駅に向かうBR182の動画をご覧ください.

待機線から駅に向かうBR182,SIEMENS社製インバーター装置の磁歪音も過去のものとなってしまいました.

線路と台枠について仕様書には以下のように記載しました.
3 詳細仕様
3-1 線路関係
a) 使用する線路はMärklin K Trackとする.レイアウトと他線路はC Trackで接続することとし,接続部に接続用線路を配置する.
b) 制御方式はMärklin Digitalとし,線路には車両留置用のギャップを設置しない.
c) 線路にはEvent制御および自動運転用のs88コンタクトを設置する.
d) 分岐器の切り替えは#75941 Electric turnout mechanism をベース上面に設置し,#60832 m83 Decoderを用いて制御する.
e) 駅の各ホームには#2297 Uncoupler trackを設置する.制御は#60832 m83 Decoderで制御する.
3-2 台枠
台枠は以下の3分割構造とする
a) Module1:車両留置部
b) Module2:駅ホーム
c) Module3:発着線ホーム終端部
・ 線路配置(使用線路型番)はFig1,台枠寸法はFig2を参照のこと

使用した線路はMärklin K Trackです.K Trackの発売開始は1969年ですのでかなり古い製品ですが日本の篠原模型店発売のフレキシブルレールや分岐器はそれより古い発売でメーカーは替われど現在も発売が継続されています.これらのレールの構造を見ると製造用の型は結構複雑そうですし,種類も多岐に渡りますのでMärklinのような鉄道模型メーカーとしては大きなメーカーでもシステムを全面的に刷新するのは容易ではないのかもわかりません.また,このレールの3rd Rail用接点は4箇所あり接続で接触不良を起こすことはほとんどないため,設計は古いものの信頼性のレベルは今でも高く,この完成度の高さがデジタル全盛時代になってもシステムの刷新には至らない一因なのかもわかりません.ただPC枕木のフレキシブルレールはあっても良いのではないかという気がします.一方このセクションはCトラックに接続しますのでa)項に記載したように接続用の線路が必要になりますのでそれを考慮した線路配置の検討が必要です.

K Trackの3rd Railは接続時互いの4箇所の接点で接続されます.C Trackは3rd RailもGND Railも接点は4箇所あります

線路配置が決定したら線路の敷設を始める前には線路の設けるギャップの位置を決める必要がありますが,それに関連した記述が上記のb)項とc)項です.このレイアウトはデジタル制御かつ3線式ですのでショート防止のためのギャップは不要です.デジタル制御でもStaging Yard(隠しヤード)等に車両留置用のギャップを設け走行用電流をON \OFFする例はありますがそのような部分はこのレイアウトにはありません.昔からMärklinの信号機は赤信号の時に車両を停車させることが可能であることが特徴と言われており,現在のDigital信号機の基板にも赤信号の際に一定区間の電流を遮断するリレーが実装されていますが電流を遮断するとサウンドも途切れますのでデジタル制御ではこの機能をそのまま使用することはできません,したがってここでギャップ位置を検討するのは自動運転や信号制御に関連するs88コンタクトの場所のみになります.またd)項のポイントマシンの設置位置ですが,外観的には当然ベースの下側に設ける方が外観上は望ましく,床下取り付け用のキットも発売されていますが今回はベース上面への設置としました.私も以前ポイントマシンのベース下へに設置を行ったことはあるのですが,当時のポイントマシンは他社製のものに比較すると非力でリンク機構を介して動作させると動作不良を起こしやすく,一度動作不良を起こすとベース上面からは手動では切り替えができず,調整はベースを裏返して行う必要があるという不便さがありました.このため最近製作したレイアウトはポイントマシンは全てベース面上に取り付けており今回もその方式を踏襲しました.e)項のUncoupler Trackは発着線上での機関車の交換手順を考慮して位置を決めました.これらを考慮して決定した線路配置が下の図(Fig1)になりますがそのまま掲載すると図が非常に小さくなるため別に3分割で掲載します.

線路配置の全体図です
待機線部分の線路配置の拡大図です

レイアウト左側,待機線部分の線路配置です.下側の#24922がC TrackとK Trackを接続するための線路でこの先にC Trackを接続します.

プラットホーム部の線路配置の拡大図です

駅のプラットホームの部分です.一番下の通過線にも待機線との渡り線を設けました.上側の発着線にはUncoupler Track(#2297)を配して待機線に待機している機関車との機関車交換が行えるようにしてあります.2本の発着線の線路間隔は使用するプラットホームに合わせて102㎜としました.通過線と下側発着線の線路間隔は57㎜です.なお,線路型番の後ろに(-)が付与されているものは,型番通りの長さではなく短く切断してあることを示します(Flex Track(#2205)を除く).

駅の発着線終端部の線路配置です

発着線の終端部です.上から2板目の発着線に機関車を先頭に入線した列車はUncoupler Track(#2297)で客車から切り離されて列車の出発までホーム先端で待機します.こちらのC Trackとの接続部は#24922では長さが長すぎるためC Trackの#24172を短く切断してK Trackと接続するようにしてあります.

以上がこのレイアウトの線路配置です.なおこの作図にはRailModeller Proというソフトを使用しています.線路配置の作図ソフトはWintrackが有名ですがその名のとおりWindowsでしか作動せず私の普段使いのMacでは使用できませんのでこのソフトをApp Storeで購入しました.動作は安定しておりKATOやTomixの線路もリストにあり,最近もアップデートが行われたようですが現在入手できるかは不明です.

次は台枠について記載します.台枠は線路を敷設するベースになるため本来仕様書での項立ては線路配置より先に来るべきという気がしますが,今回の台枠は分割しますので線路配置が決まらないと台枠の寸法が定まらないため仕様書状への記載は線路配置の後としてあります.まずは全体寸法を下図に示します.台枠は仕様書どおり3個のモジュールに分割しています,全体の寸法は長さ3220㎜,幅280㎜です.ここのモジュールの寸法は以下のようになります.

台枠の全体図です(Fig2)
Module1の平面図です
Module2とModule3の平面図です

構造は厚さ9㎜のシナ合板の左右に厚さ12㎜,幅40㎜の杉角材を取り付けたコの字型の形状です.床面からの高さは以前製作した”ALTENHOFのクリスマス”の線路高さと同じにしてあります.そのため下の写真のように設置場所に並べて置くと待機線の奥に本線があり,その上に町並みがある情景を演出できます.

収納場所で待機線に停車するV220 の写真

Module1とModule2の接続はModule1の両側の檜角材の内側に取り付けたガイド板をModule2に差し込む事により行ないます.レールにはジョイナーを取り付けてありますが,ガイド板の差し込み部のガタを極力無くす事により調整なしでジョイナーは相手レールに嵌まります.

Module1とModule2の接続部

Module2とModule3の結合も同様のガイドで行いますがこちらはガイド部材として10㎜角の檜角棒を用いています.

Module2とModule3の接続部

これらのガイド部材を精度良く仕上げるにはModuleの素材を切り出した後,線路取り付け前のModule組み立て時にガイド部材を取り付ける事が必要です.この時モジュールを裏返した状態でガイドの摺動面をクランプで挟んで両側に取り付ける角材とガイド部を組み立てます.すなわち摺動部の隙間を予め確保して組み立てるのではなく,隙間0で組み立て,接着後もしはめ込みがきつかったらガイド部を紙やすりで削りながらスムーズに着脱できるようになるまで調整を繰り返すことでガタを無くします.欧州製の車両(NEM規格のフランジ形状の車両)はフランジが高いため正しく敷設された線路では脱線事故はほとんど起こりませんがこのようなモジュールでは足を引っ掛ける等で生じたモジュール間のずれに気づかずに運転すると脱線事故につながります.特にDCC車両は脱線によるショートでデコーダーを破損するリスクがあるためガイド部設計の際は片方のモジュールを多少動かしても接続したモジュールがその動きに追従するようにガイド部を精度良く製作し,脱線事故発生の可能性を極力排除することが必要です.

Module1とModule2の接続部,電気的接続に関しては次回紹介します

以上で台枠と線路配置に紹介を終わります.次回はモジュールの電気的接続方法等,電気的な仕様について紹介したいと思います.最後までお読みくださりありがとうございました.