基本構想に続いて3回目の今回は線路配置について紹介します.今回も仕様書の記載項目に沿って説明を進めたいと思いますが,まずは駅を通過する列車の動画をご覧ください.
2.線路配置
駅は3線構造とし通過線1線,発着線2線とする.駅ホームに対向する機関車留置線は3線とし,そのうち1線は機関車2両の留置を可能とする.停車可能な列車の長さは通過線がUIC-X客車5両+機関車,発着線がUIC-X客車6両+機関車が発着できることを目安とする(UIC-X客車はMärklin製の全長284㎜の客車を想定)
言葉ではわかりにくいため,実際の線路配置を示し,この線路配置とした理由を説明します.下の図の青い部分が今回製作したレイアウトセクションで,赤部分はセクションに繋がる線路(セクション外)になります.非常に細長いセクションのため,モバイル端末では図が小さくなり非常にわかりにくいと思いますがご容赦ください.

このセクションは設置場所のスペースの関係上長さは3,400㎜以下とする必要があります.また収納の関係上レイアウトは数個のモジュールに分割する必要があり,これが線路配置を検討する上での最上位の制約条件となります.当然分割したレイアウトをどこに収納するかも重要です.また収納場所まで移動させるためには重量に制約もあります.私は今までレイアウトセクションを何種類か製作してきましたが,その経験からいうと分割したモジュールの取扱性に関してはモジュールの幅が重要であると感じます.鉄道模型のモジュールは一般的には長さは長くなりますが,同じ長さでも幅が違うと取り扱い性に大きな差がます.例えば私が以前製作した市街地のレイアウトセクション(ALTENHOFのクリスマス)の幅は450㎜,最近製作した日本型の北海道の機関区のレイアウトは300㎜ですが,両者の取り扱い性には大きな差があります(長さはいずれも1300㎜前後です).幅が大きくなれば当然重量も増えますし,収納場所(棚等)から下ろす時の取り回し性も悪化します.わずか150㎜の差ですがその差は寸法以上に大きいと感じますし,取り回し性(設置性)は使用頻度(運転頻度)にも影響します.概略検討の結果,今回のレイアウトの最大長は1500㎜強になると思われため,保管場所のスペースも勘案し,幅は機関区セクションより狭い280㎜に決定しました.この280㎜幅のスペースで主要駅(Hbf)の雰囲気を出すことは容易ではありませんが無理をして途中で製作を断念したり完成後に取り扱いに困っては元も子もないのでこの寸法に決定しました.
280㎜幅ですとプラットホームの幅を確保した上で敷設できる線路は3本が限界ですのでそれを前提にして考えると次に決定すべきことは通過線を2本にするか3本にするかですが,私は通過線を1本としました.理由は停車できる列車の長さが発着線の方が長くできること,比較的大きな規模の駅ですので駅でのすれ違いや列車交換はあまり気にしなくて良いと考えたためです.頭端式のホームでは当然到着した客車列車の折り返しをどうするかが問題となりますが最近では機関車牽引の長距離列車でもプッシュプル方式の列車が増えていること,プッシュプル列車ではなくても到着列車はホームに対向する位置にある機関車の待機線で待機する機関車と機関車交換が可能になることも通過線は1本で良いと判断した理由です.私は実際に見たことはありませんが欧州の頭端式の駅では頭端側で機関車を解放したのち反対側に別の機関車を連結し,列車発車後の開放された機関車がその後を追うように発車し待機場所まで戻るという例があるようです.そこでプッシュプル方式ではない機関車牽引列車の折り返しはこのような手順を想定し,発着線には開放ランプを設置してすることとしました.分岐器は分岐側半径902.4㎜の大型の分岐器とダブルスリップスイッチを使用し,線路間隔は並行する線路が57㎜,島式ホームを挟む部分が102㎜としています.この102㎜という寸法は使用するKibri 39565(Platform hall Bonn)に付属しているプラットホームの幅に合わせて決定しました.発着線の出口はダブルスリップスイッチを配して発着線で客車を解放した機関車はこのダブルスリップスイッチを通って待機線に向かう配線としました.ダブルスリップスイッチは欧州の駅では多用されており,スペース上も有利であるため欧州のレイアウトプランでは多用されています.今回のプランでは小規模の駅となるためダブルスリップスイッチは1個しか使用していませんが欧州の比較的大きな駅の雰囲気を出すには不可欠?のアイテムのような気がします.また下の写真にもありますが,日本ではほとんど見かけることのないクロッシングもよく使用されているのを見かけます.なお,2線式のダブルスリップスイッチはフログの極性の切り替えが複雑になりますが3線式の場合は何もする必要はありません.

駅のホームに対向する機関車の待機線は3線あります.仕様書では3線のうち1線に2両の機関車2両を留置可能と記載しましたが,このレイアウトはデジタル制御ですので待機線に留置できる機関車は留置線の有効長と機関車の長さのみで決まります.ここでの2両が留置可能という意味は3線のうちの1線にはs88コンタクトを2箇所(他線は1箇所)設け,自動運転プログラム(Eventプログラム)で2両の機関車を留置可能にするという意味になります.
続いてシーナリー.ストラクチャーの構想は仕様書に以下のように記載しました
3.シーナリーとストラクチャー
a) 地面は起伏のない平坦面とする.
b) 主要駅の雰囲気を出すためプラットホームにはドーム状の上屋を設ける.またホーム上には行き先案内板や売店 等, 主要駅に相応しい設備(施設)を設ける.
c) 駅と信号所の境界付近に信号所と付帯設備の建物を設置する.留置線は機関車の留置のみを行なう施設として照明灯以外の機関車の整備作業を行う設備は設けないこととする.
d) 路線は電化路線とし,架線柱,タワーマスト,クロススパンを設置するが架線は省略する.
このレイアウトの性格上いわゆるシーナリーと呼ばれるものは地面の表現のみとなります.一方,ストラクチャーは主要駅の雰囲気を出すためにプラットホームはドーム上の上屋(Bahnsteighalle/Plathorm hall)を持ったものとします.この上屋はFrankfurt HbfやHamburg Hbf等非常に大きな構造物もありますが,このセクションはそのようなものではなくもっと規模の小さなものとし,この上屋はViessmann社Kibri ブランドの#39565(Plathorm hall-Bonn)を使用を前提に線路配置を構想しました.

このキットはキット名のとおりBonn Hbfの上屋を模したものです.私の世代は学生時代地理を学んだ時点でまだ東西ドイツは分断されており,当時の西ドイツの首都はボン(Bonn)でした.このBonnはベートーベンの生誕地であり,またシューマンが最晩年を過ごした街で浪漫派のクラシック音楽の愛好家には有名ですが,現在ではあまり話題になることはないようです.また当時も暫定首都という位置付けでした.そのせいか駅舎は立派ですが構内の規模は首都という割には小さい感じです.ただかつては西ドイツの首都であったため各方面に向かう列車が通る駅となっており今回のようなレイアウトセクションのイメージを構築するには参考にするには好適な気がします.私はBonnには行ったことがないのですがWEBサイトに掲載されているこの駅の多くの写真を見て自分なりのイメージを構築しました.下の写真はDuisburg HbfのPlathorm hallの写真です.Bonnの人口は約40万人,Duisburgの人口は約40万人で,東京では世田谷区や八王子市の人口と同程度ですが,もちろん人口密度はことなるものの,この程度の人口を要する都市にもPlathorm hallを持ったHbfはあるようです.

またc),d)に記したように待機線と駅の間には信号所と建物をを設けることとしました.また手元にある車両には電気機関車や電車も存在するためレイアウトは電化路線として架線柱,タワーマスト,両側のタワーマストを結ぶクロススパンを設けますが,架線は省略することとしました.

以上で線路配置・シーナリー・ストラクチャーの構想の紹介を終わります.次回からは使用した製品等,より具体的にこのレイアウトセクションの紹介をしようと思います.
最後までお読みいただきありがとうございました.
