今まで客車の模型として、北海道の急行ニセコ、夜行急行列車の編成を紹介させていただきましたが、今回はそれとほぼ同時期に製作した国鉄一般型(旧型)客車の模型と、当時撮影した実物の写真をご紹介させていただきます。製作時期は、今から40年近く前の1980年代です。
1980年代は、まだ各地に一般型(旧型)客車が運用されており、東京の上野口でも高崎、東北、常磐線の普通列車の一部に郵便車・荷物車を連結した客車列車が運用されていました。80年代ともなると上野口では流石に使用されているほとんどの車両がスハ43系になっていましたが、東日本では東北地方の普通列車にまだオハ35、スハ32、オハ61等が運用されていました。
そんな列車の中でも、列車の最後部に戦前型のオハ35(オハフ33)が連結されていると、凝った作りのデッキ部の絞られた車端部の造作がよく目立ち、列車として一種の優雅さを醸し出していたという印象がありました。
<オハフ33>
以下ご紹介させていただくオハフ33は、上記イメージを再現させるために作成した車両です。谷川製作所製のバラキットを組み立てました。
写真を見ていただくとわかると多いますが、この車両は雨樋なしの張り上げ屋根の車両として製作しました。オハ35の中には、試作的な要素を含んだノーシル・ノーヘッダーの車両や張り上げ屋根の車両が存在していたようです。当時私の客車バラキットの組み立ては、1973年にTMS誌に掲載されたなかお・ゆたか氏執筆の”客車の実感を求めて−ピノチオ製キットによる各種の試み−”という記事をを全面的に参考にしていましたが、その中に張り上げ屋根のオハ35系の作例がありました。その後、北海道で戦後型ではあるものの張り上げ屋根のオハ35を見る機会があり、それらのイメージをもとに、この車体を作成しました。なお、オハフ33にこのタイプの車両があるかどうかは不明です。
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