手持ちの台車を使用して自作したペーパー車両(5)

165系”アルプス”と20系”あさかぜ”:165系とクモニ83,クモユニ82の製作プロセス

165系の車体構造はユニットサッシ部分も含めて今まで製作した711系やクモヤ791と同じです。ただ、今回は大量にばらつきの少ない車体の罫書きが必要になります。そのため今回、罫書きのために
1)スプリングデバイダー
2)スプリングコンパスとシャープ芯用ヘッド
3)ドローイングペン 0.03㎜
を新たに用意しました。

スプリングタイプのデバイダは主にユニットサッシの罫書きに使用します。ユニットサッシはまずラベル紙を15×13.㎜に切断して外枠としますが、この寸法をばらつきなく罫書く時と、窓外周の罫書きに使用しました。特にユニットサッシ外枠を基準に窓外周の罫書きを行うときには特に長手方向の寸法について、窓全長よりもユニットさっし外周からの距離(ユニットサッシの外枠の幅)をばらつきなく罫書くことが重要で、その際にスプリングタイプのデバイダが必要です。またスプリングコンパスは165系ではあまり出番はありませんでしたが20系客車に必要な大量の仕切り板の屋根Rの罫書きを行う際に使用します。また、一度に大量の罫書きを行う際には芯の減りによる寸法のばらつき(芯を研いで寸法を確認する手間)を無くすためにシャープ芯用ヘッドを使いました。ドローイングペンは今回一部に平滑度の高いスノーホワイトという用紙を使用したためシャープペンシルでは線の紙へのノリが悪かったため使用しました。また、今までほとんどの罫書きは0.3㎜のシャープペンシルで行ってきましたが、その際、芯の減りによるばらつきが気になるところもありましたので、このペンを使用してみました。使用してみた感想では安定的に線は引けますが罫書き時にシャープペンの芯のエッジが用紙に当たるように気を使って罫書きを行う方が細い線がほけますので一長一短といったところです。ただ、線は圧倒的に濃く弾けるの仕切り板の接着位置等見難い部分の接着位置を描く際には重宝しました。いかに製作過程を主に写真で示します。写真は手順の概略ですので詳細は711系・クモヤ791の紹介記事も参照ください。

・ サロ165以外の側板製作手順(ユニットサッシ部の製作法)
ユニットサッシの罫書きの手順を下の図に示します。この方法の最大の留意点はサッシ枠の高さ方向の誤差を目立たなくするためサッシ枠を切り離した順に側板に貼ることです。また窓の上下の基準はサッシ枠の両端を基準とし、幅方向の基準はサッシ枠の外周を基準にすることです(窓の幅よりサッシ枠の太さを優先する)。サッシ枠を側板に貼り付けてから窓を切り抜く方法は以前からありましたが罫書き、切り抜きの際の誤差を考慮した上記の手順を守ることが揃って見えるユニットサッシを製作する最大の留意点だと思います。

以下、手順を写真で示します。

内貼りは以下のように製作します。

以下の写真に概要を示します

・ サロ165の側板製作手順
サロ165の側板製作手順は以下のとおりです。
① 外板を罫書き、客用間遠中央の柱部分を切り抜く(左右は幅4㎜、上下は客用窓と同一高さ)
② 内貼りの客用窓以外の窓の部分の逃げを切り抜き
③ 外板と内張を張り合わせ、客用窓の中央柱を罫書き
④ 外板と内張りの罫書き線に沿って窓を切り抜き
   ⇨ 客用窓の柱部分が外板に対して引っ込んだ客用窓が完成
上記の概要を下の写真に示します。

・妻板・屋根板・前面面の製作と組み立て
妻板のユニットサッシ部も側板と同じ手順で製作します。

モハ164の低屋根部はナイフで削り、ファンデリア風導通風口の部分は切り欠きを入れます。

屋根板にサーフェサーを塗布し、目止めを行います。

前面を内張とともに罫書いて窓抜き、曲げ、組み立てを行います。

・ 車体の組み立て

・ディテーリング

・ クモニ83・クモユニ82の製作過程
クモニ83・クモユニ82の製作過程は165系とほぼ同一ですが、荷物部分の段差部分の加工や側板上辺の補強を角材ではなく1㎜厚のイラストボードを切り出した部材で行っていることなどが異なります。下の写真をご覧ください。

以上が165系、クモニ83、クモユニ82の組立の概要です。次回は20系の組み立ての概要を説明します。