模型車両の紹介:EF6446(7次量産機:中央西線電化開業用)

8月にご紹介したEF64と重連にすべく作成したEF64をご紹介させていただきます。作品は1978年ごろの作品です。

EF64が中央棟線に投入された当初は甲府以東はED61が重連で運用されており、EF64牽引の貨物列車を見る機会は比較的少なかったのですが、ED61重連は70年代後半次第にEF64重連に置き換えられていきました。私が中央東線に列車の撮影によく行った時期は、客車列車が電車化されてED61がEF64に置き換わった後でしたので、EF64でまず思い浮かぶのは重連で貨物列車を牽引する姿です。というわけで前作のEF64と重連を組ませるためにもう一台のEF64を製作した次第です。使用したキットは前作と同じしなのマイクロ製のキットです。

このキットは前作のようなエッチング主体の車体キットではなく、台車、車輪、インサイドギア等を含んだトータルキットで車体はプレス製です。構成はこのブログでも紹介したEF71,ED78のキットに近いものです。当時、しなのマイクロからは前期型と後期型(7次量産車・中央西線用)の貨物用と旅客用、合わせて4種類のキットが発売されていましたが、私の製作したキットは後期型の旅客用キットです。

キットはほぼそのままの形態で組み立ててありますが、電気暖房用発電機を搭載した旅客用の機体とし、乗務員ドア後ろにロストワックス製の電暖表示灯を付けてあります。キットの旅客用と貨物用の差はスカートの電気暖房用のジャンパの有無であり、ロストワックスパーツは付属していなかったと記憶しています。

7次量産機の特徴は運転室屋根の角錐台形状の突起です。これは扇風機設置のための突起で、これに伴い前面窓下の通風器は廃止されています。キットのプレスパーツを面と面の間の稜線が出るよう加工して取り付けてあります。また前面窓周りののプロテクタを取り付けるボルトもなく、前面の印象は前期型に比較して比較的スッキリとした印象です。

運転室屋根上への扇風機用突起の設置に伴い避雷器はパンタグラフ後方に移動しています。前作と同じように配管を追加しました。ED71,ED78の紹介の際にも述べましたがウエザリングをパステル粉で行ったため全体的にホコリと混じって汚くなってしまっています。当時の実機のパンタグラフ周りは黄土色に汚れていましたが現在ではあまりそのような機体は見かけません。パンタグラフの擦り板の材質やグリースが変更になったのでしょうか。塗装は製作当時のままで再塗装はしていません。塗膜にもシミ状のムラが発生しており、写真でも目立ちますが。いずれ再塗装をしたいと思っております。

屋上機器カバーの通風孔は前回のエッチングキットに比較して細密化されています。パンタグラフはカツミのPS-16を取り付けてあります。

台車はドロップ製でブレーキシューと2枚重ねの構成です。台車間のエアータンクはチリコシとともに別途パーツを取り付けました。ナンバーは7次量産機のトップナンバーである46号機としました。キットに付属していたものを取り付けてあります。メーカーズプレートは別売品で川崎重工/富士電機です。

スカート周りのジャンパ栓はキット付属のドロップ製のパーツです。エアーホースはロストワックスパーツを取り付けました。カプラーはKDカプラーを取り付けてあります。スノープラウは自作です。貫通扉はドロップ製でプロテクタ用のボルト取り付け穴がありますが、実物にはありません。

駆動装置は当時一般的であったインサイドギアとカツミDV-18Cモーターです。

前作のEF64度重連を組んだ写真です。前作は再塗装しましたので色には差があり、全検直前と直後のような雰囲気です。

前作の車体はエッチング、今回の車体はプレス製の車体ですが、同じメーカーのキットのせいか形態(雰囲気)に大きな差はありません。車高が少し異なってしまっています。

最後の実物の写真を少々紹介します。

まずは7次量産機の写真から。上の写真は松本駅で撮影したもので中央西線の普通列車です。当時中央西線からの列車には荷物列車が連結されていたと記憶しています。

下の写真は高尾・相模湖間で撮影した中央東線の貨物列車です。前述のようにいずれも前面通風孔やプロテクタ取り付け用のボルトが無いため前面はスッキリとした印象ですが、テールライドのカバーが小さいこと、運転室窓のガラスが熱線入りとなりデフロスタがないこともよりスッキリした印象を与えているようです。

7次量産機は中央西線専用というわけではなく中央東線でも共通運用されていたようです。下の写真は新桂川橋梁で撮影した重連貨物列車です。

70年代終わりの多客期に運転されていた急行、上り急行たてしな51号の写真です。この列車は当時運転されていた夜行の臨時急行と対になる列車ですが、ゴールデンウィークやお盆時期の金曜日や3連休の初日の夜には臨時急行の後に臨時普通列車が運転される日があり、その前日の夕方の新宿行き上り列車にはその臨時普通列車を牽引するためのEF64が連結されていました。撮影した78年は旧型客車で運転されていましたが、翌年からは12系客車に変わったと記憶しています。

当時ブルートレインを牽引するEF65はその塗色も相まっていかにも急客機という印象でした。そもそもEF65の1000番代は当初貨物列車を重連で牽引する用途で製作された車両ですが、下り勾配で発電ブレーキを常用するため放熱効率を上げるためにエアーフィルターが大型のEF64は耐寒耐雪装備と相まっていかにも山岳線区用という雰囲気があり、重連がよく似合う機関車だと感じています。