
今回ご紹介させていただくのは長距離列車の発着するターミナル駅をテーマとしたHOゲージのレイアウトセクション,ALTENTAL HBFです.
私が今まで製作したレイアウトセクションは機関区や支線の終着駅のレイアウトセクションで機関車や短編成の列車が発着する幹線を走る長距離列車とは無縁のものでした.一方子供の頃から東京に住んで鉄道模型に親しんでいた私にとってその原点となった風景は各方面を結ぶ長距離列車が発着する大都市のターミナル駅の風景であり,その風景を模型で再現することはいつかは行なってみたいことでした.それもあり私が過去に製作した日本型の車両や購入した外国型の車両は比較的幹線を走る車両が多くなっています.しかしレイアウトという観点で考えるとそれらの車両が活躍するレイアウトを製作することは容易ではない(実質不可能である)ため,これらの列車の運転は長年 ”お座敷運転” 状態が続いていました.しかし私も高齢者の仲間入りをする年となりましたので今回意を決して長距離列車が発着する駅のレイアウトセクションの製作を開始しました.このレイアウトセクションに着手したのは今から3年ほど前ですが,前回まで紹介した日本型の機関区セクションを優先して製作していたため長らく製作を中断していました.しかし機関区セクションも完成したため製作を再開し,この度その基本部分が完成しましたのでその概要を紹介したいと思います.なお,レイアウトは未完成で現在も製作は継続中ですので記事の完結までには時間がかかることをご了解ください.それではまずは駅を通過するE03牽引するTEEの動画をご覧ください.
長年の目標であったレイアウトを製作するにあたって,日本型で製作するか外国型で製作するかはほとんど悩むことなく外国型を製作することにに決定しました.子供の頃から上野駅や東京駅の風景に慣れ親しみ,新幹線開業前の賑わいを知る私でも,その後訪れたヨーロッパのターミナル駅の面白さは格別です.今から40年以上前の新幹線開業前の上野駅はいわば在来線特急列車の全盛期で,各方面に向かう優等列車が1時間に10本近く運転されていました,しかし今思うとそれらの車両はいずれも同じようなタイプの車両ばかりで塗色も用途別に標準化されており類型的で面白みに欠けたものでした.また新幹線が開業した後は長距離列車は新幹線に移行してしまい優等列車の数も減り,夜行列車も次々と廃止され在来線のターミナル駅はすっかり寂しくなってしまいました.

それに比較すると現在でも欧州のターミナル駅には各国から様々な車両が乗り入れており,高速高速列車,機関車牽引の長距離優等列車をはじめとしてInter urban的な機関車の牽引する2階建客車や電車が煩雑に発着しており,2000年以降も夜行列車やカートレインの姿も見ることができました.欧州では日本と異なり高速列車も”在来線”に発着しますので駅に高速列車も含めてEra4〜Era6の列車を混在させても違和感がなく(車両選択の自由度が高く),車両の国籍や年代等にあまり拘束されない何でもあり?のワンダーランド的な世界を味わうことができます.

また外国型の製品はDCC制御が標準となっており,ライトやサウンドの多彩なコントロールが可能であり,プログラムにより駅発車時の車両のシーケンシャルな動きを自動化したり信号を制御することも容易に可能です.このようなことを考えると日本型か外国型かの選択に迷いはありませんでした.
<仕様書の作成>
今まで私が製作してきたレイアウト(レイアウトセクション)では所謂仕様書というものは作成していませんでした.これは趣味と業務の違いと言ってしまえばそれまでですが,今回のレイアウトは比較的大型のセクションで,駅構内での入替作業をシミュレーションして線路配置や信号の配置を検討したり,分割した台枠の電気的接続の検討結果やコネクタのピン配置を図面として残しておく必要があります.そのためこれらの検討結果を図面と文書で1箇所に残してしておくことが必要と考え,製作前に仕様書を作成することとしました.次回以降はこの仕様書の構成に従ってレイアウトの概要を紹介していきたいと思います.
