レイアウトセクションの製作:蒸気機関車が活躍していた時代の機関区(17) -アクセサリの製作(6:その他のアクセサリ)-

このレイアウトに配置したアクセサリを紹介するにあたり最初に”構想のプロセス”という項題の記事で製作するアクセサリを一覧表で紹介しました.その時はこの表に従ってレイアウト上のアクセサリを体系的に紹介しようと考えていたのですが,私のいい加減な性格が災いし次第に混乱してきてしまいましたので今回は”その他”と題してこれまで紹介していなかったアクセサリを紹介させていただきたいと思います.

これから紹介するアクセサリは上表のものですが,以下にそれらのアクセサリをレイアウト上に配置した時の写真と製作中の写真で紹介したいと思います.
⚫︎ 機関庫内部
下の写真は機関庫を取り外した機関庫内部の写真です.右上のロッカーと戸棚,左下の机は建物の室内に配置したものと同一でケント紙で作成しました.パレット,コンテナボックス,木箱はPreiser製のパーツです.作業台と脚立は自作で真鍮角棒と真鍮線,プラバンより作成しました,2段式の金属製の作業台は真鍮角棒と網目板をハンダで組み立てた自作品です,奥に見えるハシゴはエコーモデル製のパーツを使用しました.脚立は真鍮角線と檜角棒から自作しました.スペースにあまり余裕がないのでこれらを配置する際には車両との接触に注意が必要です.

機関庫内に配置したアクセサリとフィギュア

踏み台,作業台は檜角棒とスライスしたSTウッドで製作しました.ホワイトメタル製のパーツも発売されていますが木製の方が質感もよく費用も抑えられます.

組立てが済んで塗装を待つ木製の作業台

金属製の作業台は真鍮角線と網目板で製作しました.パーツもありますがキット加工等真鍮工作の経験があれば簡単に製作でき費用も抑えられます.

真鍮角線と網目板を使用して自作した金属製の作業台

⚫︎ 乗務員詰所の入り口付近
左から,水道蛇口はエコーモデル製パーツ,流しはケント紙製の自作品です.写真ではわかりにくいのですが流しと入り口の間にエコーモデル製の自転車が置いてあります.スノーダンプはケント紙と真鍮線からの自作品,防火用水の本体(ドラム缶)は檜丸棒とラベル紙帯からの自作,蓋はプラバンとプラ棒からの自作です.建物に立て掛けてある箒はPreiser社製の消防士のフィギュアの同梱品です.

乗務員詰所入口付近のアクセサリ

⚫︎ 砂煎り小屋付近のアクセサリ
物干しは真鍮棒,真鍮帯板,真鍮帯材を用いた金属製で竿は真鍮線,洗濯物はコピー用紙から作成しました.この写真のドラム缶はPreiser製のパーツ,その横の袋もPreiser製のパーツです.

砂煎り小屋付近に配置したアクセサリ

組み立て中の物干しです,真鍮線,真鍮角棒,真鍮帯板を使用し,はんだ付けで組立てました.

製作中の物干し

⚫︎ 油庫・線路班詰所付近
線路班詰所に立て掛けてあるツルハシはエコーモデル製パーツ,その横の石(バラスト)の入ったカゴはPriser製のパーツ(マルシェのじゃがいも?が入っている籠)です.油庫前の消火砂はEvergreen社製の角パイプをスライスし中に砂を入れたものです.

油庫,線路班詰所付近のアクセサリ

⚫︎ 線路班詰所と倉庫の付近
ゴミ置き場の囲いは檜角材(底面はケント紙)による自作,木箱.コンテナ.パレット,ドラム缶はPreiser製のパーツです.その手前のゴミ焼却機はエコーモデル製のパーツを組み立てました,ゴミ置き場にある袋はPreiser製のパーツで,その他のジャンクはプラ角棒等から製作しました.

線路班詰所と倉庫付近のアクセサリ

⚫︎ 気動車燃料補給設備周辺のアクセサリ
消火用砂は油庫の前にあるものと同じものです.ドラム缶はPreiser製です.小屋の前の消火器はエコーモデル製,ポリタンクとホースリールはPreiser製の消防士フィギュアの付属品です.給油用ホースはAWG #30のリード線で先端にPreiser製の消防士フィギュアの付属品の中にあった放水ノズルを取り付けてあります.

気動車燃料補給設備回りのアクセサリ

⚫︎ 機関区事務所付近
機関区事務所付近にはスノーダンプ,ドラム缶を配置し,古枕木にエコーモデル製のハシゴを立て掛けてあります.

機関区事務所裏手に配置したアクセサリ

未塗装状態のアクセサリです.脚立はハシゴ部分を真鍮角線で製作し,台は木製です.机は建物の内部に配置したものと同一です.

完成して塗装を待つアクセサリ

ドラム缶は比較的多く必要でパーツを購入すると高価になりますので当初檜丸棒とラベル紙で自作していましたが,海外サイトのセール品の中にPreiser製のドラム缶がありましたのでそれを購入して使用しました.価格は30個入りで6.8€(VAT,送料別)でした.

Preiser製のドラム缶キット.付属しているデカールは未使用

日本ではPreiser社の製品はフィギュアが有名ですがそれ以外にも結構色々なパーツが販売されています.今回は以前製作したレイアウトに使用した時余ったマルシェのキットの野菜籠や野菜が入った袋を砂利運搬用の籠やごみ袋に流用しています.

砂利を入れた籠やゴミ袋はPreiser製のマルシェのキットを流用

⚫︎ 機関区入り口の門
機関区入口の門はEvergreen社製のプラ製角棒・丸棒から作成し,真鍮線と割りピンで作ったヒンジにより開閉可能としています.

機関区入り口に設けた門扉

塗装前の部品です.ヒンジは門側にL時に曲げた真鍮線,門柱側に割りピンをの受けをもけてあります.

Evergreen社製プラ素材で製作中の門扉

⚫︎ 機関区事務所入口付近
機関区事務所入口付近には植栽を設けてあります.低木はBusch製のオランダフラワーに緑色のターフを接着したもの,草木はNoch製を使用しました.Noch製の草木は日本ではKATOから販売されていますが少し色調が異なる気がします.写真で半分写っている入口のゲートは真鍮版と真鍮線で製作した自作品です.

機関区事務所入口脇の植栽

Busch製のオランダフラワーとNoch製の草木の写真です.これらは日本ではなかなか手に入らないので以前海外の模型店に発注したものです.ある程度数がまとまった場合海外からの購入の方が送料を入れても安価(税金は欧州のVATが非課税となり輸入時に原価(現地価格の6割程度)に10%の消費税がかかります)ですが昨今の欧州の物価高による値上げと円安によりその差は小さくなっています.

植栽には海外模型店から購入した素材を使用

⚫︎ 草木(雑草)
機関区の植栽以外の草木(雑草)は水を扱う設備の付近や人が立ち入らないところに配してありますがあまり荒れ果てた感じにならないように留意しました.

給水塔付近の雑草

⚫︎ 機関庫周り
機関庫と柵の間には車輪とドラム缶を配しました.国鉄の機関区では敷地内にあまり車輪のようなものが無造作に放置されていた記憶はありませんでしたがアクセントとして設置してみました.

機関庫横に配置したアクセサリ

⚫︎ フィギュア
フィギュアは一部にKATO製を使用した他はPreiser製の未塗装品を塗装して配置しました.私は#16325(Railway parsonnel and passengers)というアソートセットを使用しました.未塗装品は1パッケージに120体入っていますが全てが異なる形態ではなく,同一形態のものが同数入っているわけでもないようです.レイアウトには同じ形態のフィギュアを複数配置しています.塗料は主に色のりの良いHumbrol製のエナメル塗料を使用しました.Humbrol製エナメル塗料は色ノリがよく塗膜も丈夫ですが反面乾燥に時間がかかるため作業は気長に行うことが肝要です.Humbrol製のエナメルは使用前に十分に撹拌することが必要ですが棒状のものではいくら時間をかけて撹拌しても不十分で筆の穂先を容器のの壁面に擦り付けるような形でで十分撹拌することが必要なようです.

レイアウト上に配置したフィギュアは一部にPeriser製の未塗装製品を塗装して使用

塗装はまず肌の部分から開始します.

フィギュアの塗装はまず肌の部分から開始します

その後髪の毛(黒),ヘルメット(黄色),作業服(紺色),作業ズボン(紺色または濃灰色),シャツ(白),道具(黒,黄色等)の順に塗装していきます.以前一般人を塗装した時には洋服のカラーコーディネートに気を使いましたが鉄道員の場合は使用する色が限られているのでその点は簡単です.

道具部分の塗装を残す状態のフィギュア.ランナーから切り離すのは最後の工程

⚫︎ アクセサリの配置
以上でレイアウト上に配置したアクセサリの紹介を終わります.最後にこれらのアクセサリを配置する際に留意した点について述べてみたいと思います.
これらのアクセサリを作成する際,何個製作するかは実際にそれらのアクセサリを配置する場所を決めて数量を決めますが,製作の際には失敗時の予備を含めて多めに製作したものもあります.一方実際に想定した場所にアクセサリを配置すると違和感を感ずる部分もありました.このような時には構想にはあまり拘らずに適宜修正を加えました.また製作したアクセサリを全て使用することを優先することは絶対に避けた方が良いと思います.全てのアクセサリはそこに存在する必然性が必要であるということを忘れずに配置を決めていくことが重要だと考えます..

以上でレイアウト上に配置したアクセサリの紹介を終わります.今回でレイアウト各部の紹介は終了し次回以降はレイアウトを製作しての書簡等を述べてみたいと思います.
最後までお読みいただきありがとうございました.